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from: イモ虫さん
2010年11月02日 04時07分51秒
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思いつくままに心のままに
向日葵が好き。
とても好き。
鮮やかで力強い。
夏の青い空に花びらの黄色がよく映える。
でも調和の色合いではなく、どちらかといえば他者を食う色。
鮮やかに燃える炎のよう。
昔、空に向かい手を伸ばすと掴めるようだと何かで聞き、試しに空に手を伸ばしてみたことがある。
確かに掴めそうだと思った。
手の甲の向こう側に広がる空をじっと眺めていると、そのまま落ちていくんじゃないかという錯覚に陥る。
自分の立つ地面こそが空で、手の先に広がる空こそが地面で…。
本当は空を手にし、空に立っているのに、それと気づかず、ここは地面だと、地面に立っているのだと、思い込んでいるのかもしれない。
届くはずのない空に手を伸ばし、私は何を掴もうとしているのだろうか。
手を伸ばしたその先に、私は何を視ているのだろうか。
今夜はいい風が吹いている。
肌寒くもどこか懐かしい、心揺らすあの風が吹いている。
空も明るい。
ここからでは見えないが、きっと今夜は月が明るいのだろう。
深くて濃くて、しかし透明な、暗青い夜空。
そこに暗白い雲が浮かび、なんとも幻想的だ。
表現力豊な者ならなんと表現するのだろうか。
きっと、素晴らしい表現をするのだろう。
私も、いつかそんな素晴らしい表現のできる者になりたい。
今の私では、この夜空の美しさは百分の一さえ表現できない。
電車に揺られ、過ぎ行く景色はなぜか夕暮れどきで、どこか懐かしく物哀しい。
過ぎ行く景色は過ぎ去る過去か。
電車に揺られる私はただただ眺めているだけしかできない。
そこになにがあるのか。
戻れないなら、止まれないなら、進むしかないなら、過ぎ行く景色より、来る景色を見てればいい。
新たな景色を。
夜空は黒じゃない。
本当は暗い青。
月の明るい夜、なるべく灯りのないところからみてみればいい。
黒じゃなくて暗い青だと分かるから。
夜が真っ暗闇だと思うなら出歩いてみればいい。
暗闇じゃないと分かるから。
明るいと分かるから。
夜が暗く見えるのは、君の立つそこが明るいから。
そこにいる間は薄暗くとも、外から見たらそこがいかに明るいかよく分かる。
おやすみなさい。icon拍手者リスト
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