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from: 物理屋さん
2008年10月26日 15時34分38秒
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社会の哲学評価は適切か(1)
皆さんは、民主主義といわれる現代の日本において「哲学」や「倫理学」が本当に正しく評価されているとお考えですか?
確かに、哲学では政治はできない。しかし、哲学・倫理学は人間すべてが共有できる問題を取り上げているはずです。人間に関する学問だと思います。政治や経済も、人間がいて初めて成り立つものではないでしょうか。当たり前だと考えている自分達が、本当に純粋なるものを奥に押し込んでいるように思えてならないのです。
そう考えると、哲学者やモラリスト達が最も尊いものとして考えてきた『美』や『善』は、もはや荒れ狂う常識に支配された社会で生き延びるための一つの立場にすぎなくなるでしょう(実際そうかもしれませんが)。
常識... それはもはや、環境問題という問題に形を変えて環境などとは全く異なる問題に頭を抱えている現代人に降りかかってきているように思います。
私は環境問題に対して、「地球を守る」「地球に優しく」などというレヴェルを遙かに超えていると思います。地球はいくら温暖化が進行し、各地がゴキブリだらけになったとしても、寿命が来るまできっちり存在するでしょう。地球のためなんかではなく、人間のために。環境問題は、地球の問題なのではなく、私達の問題なのだとつくづく思います。
と言っても、私達が生きているまでは何とか生活できそうなので、自分たちの子供たち(子孫)を思う心が必要不可欠であると思うのです。→それが通じない人もいると思いますが(そこが難しい)-
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from: junoさん
2008年10月25日 22時31分02秒
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「Re:「学ぶ場」の存在」
> 全くその通りだと思います。ごもっともです。
同感です。
好奇心、知りたいと思う気持ちこそ原動力かなと。
今日は、理化学研究所の谷口克先生にお話を伺いました。
途中、脱線して利根川先生の話に・・。
免疫の研究をやめて脳科学に宗旨替えしたとのこと。
ノーベル賞の実績を挙げながら、ご自身の最も関心の深い
分野に踏み出して行く。
自分に正直といえば、正直・・。
しかし、そんな進取の気性こそ今の研究者、
そして学生の皆さん、子供たちに大切ではないかと・・。
点取り虫が目標になってはいけないと思う。
やる気のある人の力を引き出して
生かせる社会になってほしいと
つくづく思います。
このままでは、頭脳流出、産業流出が続くばかりかなと。
それどころか、頭脳が育たなくなってしまうのではないかと
心配になります。icon
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from: 物理屋さん
2008年10月25日 09時07分41秒
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「学ぶ場」の存在
全くその通りだと思います。ごもっともです。
若い学生の中でも、理数離れが進んでいて科学立国日本の未来が大変心配ではありますが、Ryonukuさんのように物理学に興味を持って頂ける方がいると考えるとたまらなく幸福を感じます。
今後もどうかよろしくお願いします。
大学は、『小・中・高校 』という我々が人生を歩むうえで必ずと言っても過言ではないほど(すべてにおける基礎基本を学ぶわけですから)の教育機関と大学とは、はっきりと区別してのぞまねばなりません。
東大教養学部のテキスト「知の技法」にも、大学はいわば保育所のようなものであるとあります。『小・中・高校』のように「これはああして、あれはこうする」という指導ではなくいわばクレヨンを与えてただ見守るように「好きなようにしなさい」というように能動的に学徒が学問そのものに深い魅力を見出せたら幸いです。
今回ノーベル賞の話題で盛り上がりましたけれども、科学を初めとするすべての学問は【結果】が大切なのではなく、学ぶという【プロセス】の純粋さにおもきを置くべきだと思います。
獰猛な知識ハンターになりたいものです。-
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from: Ryonukuさん
2008年10月23日 08時36分33秒
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「Re:祝 ノーベル物理学賞」
R:こんにちは。はじめまして。
Ryonukuといいます。学生です。
ぼくも学部で物理を専攻していたので
素粒子物理には相当興味を持っていました。
いまでも興味を持っています。
(とくにTheory of Everythingは完成するかという点ですが)
> 山陽新聞の社説にもありましたが、日本の理論物理学の強さを本当に感じます。私達に限りないあこがれと勇気・希望を与えてくださいました。
R:確かにそんな印象を受けました。でも、最後の益川さんの言葉には不安が残りますよね。実際、今の教育は考える力をあまり伸ばすようにはできてないですよね。実情のところ。
>
> 南部先生は後の二人の先生の先生に当たるくらいの年齢で、世代は離れています。南部先生が大学生の頃は物理界に「素粒子物理学」などという言葉はなかったそうです。
R:これは初めて知りました。では、南部先生は素粒子物理学の創設者の一人みたいなものでしょうか?
> 益川さんは「受賞した業績は30年前のもの。この先も安泰かというと、必ずしもそうじゃない」と切り出し、「選択式の試験問題で、教師は『知らない問題はパスしろ』と指導し、考えない人を育てている」と、熱弁を振るった。小林さんも「今の教科書には最低限のことしか書いてない。全体のストーリーが見えない」と加勢し、塩谷文科相は「今後の大きな課題です」と、たじたじだった。」
>
R:確かにそうですね。生意気なことを言ってしまうと高校までの指導要領や大学入試制度の変革は日本人の質そのものに関わってくると思います。 しょせん点数取るためだけに勉強しても対して身につかないし、やる気も出ない。考える気がしないから知見も深まらない。
「考える」ということは「生きる」ということともっと密接に関わっている行為だということを学校教育で言える人が少ないのが残念です。
学問だってただの趣味や道楽ではない。その本質の探究という行為の中で得るものが生きる知恵になったりする。そしてなにより、枯れることのない本質への探究心がその人の心に存在し続け、場合によっては自分の生死の問題にさえも煩わされることがないような「熱中」を与えてくれるというようなことこそが一学徒の幸福なのだということをせめて大学では教えてはどうだろうかと思うのです。icon
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物理屋、
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from: 物理屋さん
2008年10月15日 01時03分25秒
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祝 ノーベル物理学賞
この間発表されたノーベル物理学賞受賞者は、なんと全員日本人でしたね。
山陽新聞の社説にもありましたが、日本の理論物理学の強さを本当に感じます。私達に限りないあこがれと勇気・希望を与えてくださいました。
さて、今回受賞されたのは南部先生と共同研究をされていた小林先生、益川先生の3人。
南部先生は後の二人の先生の先生に当たるくらいの年齢で、世代は離れています。南部先生が大学生の頃は物理界に「素粒子物理学」などという言葉はなかったそうです。
今となってはもはやクォークが6種類なのは常識ですが、それを予測するということは大変難しく、根気の要る作業であったと思います。
『理論物理学』と言いますと、大規模な理論がまず提唱され、それを実験物理学のように検証していくわけですが、どうしても理論のスケールが大きい分それを実証する実験も大規模になりがちであり、多くの時間がかかってしまいます。今回の場合は、今年の9月に始動した新型の加速器を初めとした多くの加速器実験によって得たデータによって大きく進展したのだと思います。ノーベル賞は生きている間にしかもらうことができませんから、受賞には運も関係するかもしれません(勿論第一に努力でしょうが...)。
毎日新聞にこのような記事がありました。
「ノーベル物理学賞に選ばれた高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授(64)と京都産業大の益川敏英教授(68)が10日、塩谷立・文部科学相、野田聖子・科学技術政策担当相を相次いで表敬訪問した。
塩谷文科相が「政治、経済で暗い話が続く中、(受賞で)国民は大喜びした。お礼申し上げます」とたたえた。
益川さんは「受賞した業績は30年前のもの。この先も安泰かというと、必ずしもそうじゃない」と切り出し、「選択式の試験問題で、教師は『知らない問題はパスしろ』と指導し、考えない人を育てている」と、熱弁を振るった。小林さんも「今の教科書には最低限のことしか書いてない。全体のストーリーが見えない」と加勢し、塩谷文科相は「今後の大きな課題です」と、たじたじだった。」
南部先生や小林先生、益川先生のご専門の「素粒子物理学」関連のサイトをいくつかご紹介します。
●素粒子物理学入門講座
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/torii/physics/soryuushi.html
○岡山大学素粒子物理学研究室
http://fphy.hep.okayama-u.ac.jp/index.html
●キッズサイエンティスト「素粒子」
http://www.kek.jp/kids/jiten/particle/index.html
○月刊誌「理論物理学の進歩」
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~ptpwww/index-j.html
(小林・益川論文が読めます!)