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from: 物理屋さん
2008年10月15日 01時03分25秒
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祝 ノーベル物理学賞
この間発表されたノーベル物理学賞受賞者は、なんと全員日本人でしたね。山陽新聞の社説にもありましたが、日本の理論物理学の強さを本当に感じます。私達に限り
この間発表されたノーベル物理学賞受賞者は、なんと全員日本人でしたね。
山陽新聞の社説にもありましたが、日本の理論物理学の強さを本当に感じます。私達に限りないあこがれと勇気・希望を与えてくださいました。
さて、今回受賞されたのは南部先生と共同研究をされていた小林先生、益川先生の3人。
南部先生は後の二人の先生の先生に当たるくらいの年齢で、世代は離れています。南部先生が大学生の頃は物理界に「素粒子物理学」などという言葉はなかったそうです。
今となってはもはやクォークが6種類なのは常識ですが、それを予測するということは大変難しく、根気の要る作業であったと思います。
『理論物理学』と言いますと、大規模な理論がまず提唱され、それを実験物理学のように検証していくわけですが、どうしても理論のスケールが大きい分それを実証する実験も大規模になりがちであり、多くの時間がかかってしまいます。今回の場合は、今年の9月に始動した新型の加速器を初めとした多くの加速器実験によって得たデータによって大きく進展したのだと思います。ノーベル賞は生きている間にしかもらうことができませんから、受賞には運も関係するかもしれません(勿論第一に努力でしょうが...)。
毎日新聞にこのような記事がありました。
「ノーベル物理学賞に選ばれた高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授(64)と京都産業大の益川敏英教授(68)が10日、塩谷立・文部科学相、野田聖子・科学技術政策担当相を相次いで表敬訪問した。
塩谷文科相が「政治、経済で暗い話が続く中、(受賞で)国民は大喜びした。お礼申し上げます」とたたえた。
益川さんは「受賞した業績は30年前のもの。この先も安泰かというと、必ずしもそうじゃない」と切り出し、「選択式の試験問題で、教師は『知らない問題はパスしろ』と指導し、考えない人を育てている」と、熱弁を振るった。小林さんも「今の教科書には最低限のことしか書いてない。全体のストーリーが見えない」と加勢し、塩谷文科相は「今後の大きな課題です」と、たじたじだった。」
南部先生や小林先生、益川先生のご専門の「素粒子物理学」関連のサイトをいくつかご紹介します。
●素粒子物理学入門講座
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/torii/physics/soryuushi.html
○岡山大学素粒子物理学研究室
http://fphy.hep.okayama-u.ac.jp/index.html
●キッズサイエンティスト「素粒子」
http://www.kek.jp/kids/jiten/particle/index.html
○月刊誌「理論物理学の進歩」
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~ptpwww/index-j.html
(小林・益川論文が読めます!)
from: Ryonukuさん
2008年10月23日 08時36分33秒
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「Re:祝 ノーベル物理学賞」
R:こんにちは。はじめまして。
Ryonukuといいます。学生です。
ぼくも学部で物理を専攻していたので
素粒子物理には相当興味を持っていました。
いまでも興味を持っています。
(とくにTheory of Everythingは完成するかという点ですが)
> 山陽新聞の社説にもありましたが、日本の理論物理学の強さを本当に感じます。私達に限りないあこがれと勇気・希望を与えてくださいました。
R:確かにそんな印象を受けました。でも、最後の益川さんの言葉には不安が残りますよね。実際、今の教育は考える力をあまり伸ばすようにはできてないですよね。実情のところ。
>
> 南部先生は後の二人の先生の先生に当たるくらいの年齢で、世代は離れています。南部先生が大学生の頃は物理界に「素粒子物理学」などという言葉はなかったそうです。
R:これは初めて知りました。では、南部先生は素粒子物理学の創設者の一人みたいなものでしょうか?
> 益川さんは「受賞した業績は30年前のもの。この先も安泰かというと、必ずしもそうじゃない」と切り出し、「選択式の試験問題で、教師は『知らない問題はパスしろ』と指導し、考えない人を育てている」と、熱弁を振るった。小林さんも「今の教科書には最低限のことしか書いてない。全体のストーリーが見えない」と加勢し、塩谷文科相は「今後の大きな課題です」と、たじたじだった。」
>
R:確かにそうですね。生意気なことを言ってしまうと高校までの指導要領や大学入試制度の変革は日本人の質そのものに関わってくると思います。 しょせん点数取るためだけに勉強しても対して身につかないし、やる気も出ない。考える気がしないから知見も深まらない。
「考える」ということは「生きる」ということともっと密接に関わっている行為だということを学校教育で言える人が少ないのが残念です。
学問だってただの趣味や道楽ではない。その本質の探究という行為の中で得るものが生きる知恵になったりする。そしてなにより、枯れることのない本質への探究心がその人の心に存在し続け、場合によっては自分の生死の問題にさえも煩わされることがないような「熱中」を与えてくれるというようなことこそが一学徒の幸福なのだということをせめて大学では教えてはどうだろうかと思うのです。
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