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  • from: Ryonukuさん

    2011年11月06日 04時26分08秒

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    拠り所とすべきは

    部分と全体の関係がモナドの定義で言われるような内容であるとすれば、
    部分で起きていることは全体的な視野でも起きている可能性は高い。
    つまり、僕などに起きた精神的な崩壊というものは、人類をひとつの生命体と見たときにも、その精神的な崩壊というのはかなり起きていると見てもいいのかもしれない。
    さらにそれを宇宙全体に敷衍(押し広げて説明)すると、結局、宇宙・自然の心、すなわち精神の世界全体も乱れているのかもしれない。人間はミクロコスモスで、宇宙はマクロコスモス。

    それはともかく、この時代の病とも言える精神病、自我崩壊または精神崩壊はいかにして克服されるのか。
    自分の回復の経緯から考えると、やはり、いつでも人類にとっての中心であり続けた宗教的な次元、すなわち智の次元にこそ、その拠り所は求められるべきではないかと思う。
    呪術を前身とする宗教の系譜。なにもなくても、それだけは太古の昔から、拠り所とされ続けた。どんなに頼りなくとも、智慧は人間にとって拠り所とせざるを得ないだろう。
    それを失ったら、呪術の時代に戻ってしまう。
    この世界にある秩序の存在を認めず、自分の願望を自然の側に一方的に押し付けようとする姿勢が呪術にはあった。科学技術を用いた文明は少なからず、その傾向を有している。しかし、その姿勢(押し付け)の限界は、科学のように自然の秩序を前提として行動したとしても明らかなのである。

    それはなぜかというと、まだ科学はそれほどまでに自然や宇宙を理解していないからである。真に理解が進んだあかつきには、結局、自然というものは自ずから然る(おのずからしかる)ものであり、自分達もほとんどそうしているという事実に気付き(すなわち、自分という意識の統御しうる範囲はわずかである)、そういう認識がそれまでなかったことによる弊害が、この何千、何万年の苦しみであったことに人類は気付かされるはずである(本当は仏教などの宗教が教えてくれていたが、なかなか真意までは普及しない)。
    仏教の、自然と一体となる、はむしろ、変化しない自分という観念を妄念として認めることである。それが根元的な煩悩「愚痴」の克服なのだから。

    現代においてもっとも力を持つ科学はこの智の次元、形而上学や神学を語らねばならないと思う。科学は現代においてまだしも一番信頼があり、多くの人に対して、「原理的」には知恵の理解を可能にしているのだから。量子物理学者ボームと同じ意見だろう。

    ヴィトゲンシュタインが、語り得ぬものには沈黙せねばならない、といったその対象は科学などの諸学問を結集することで語りうるはずなのである。
    現行の科学はまだ形而下学であろう。具体性の学というべきか。ならば、その科学を「帰納」や「総合(綜合)」、「抽象化」を行えば、形而上学になりうるのではないか。

    アリストテレスは形而上は形而下を基礎として成り立つと言った。現代の学問の流れはその流れの途中なのではないだろうか。プラトンは逆に形而下は形而上を基礎に成り立つと言った。これは、すべての存在は原理・始原に基づくという考え方だろう。
    両方とも正しいのだろう。
    計る物差しが違うのではないか。

    物事の理解という意味での順序ではアリストテレスのいう順序でなくては、学の構築ができない。つまり、帰納を行って抽象化を施さねば多くの場合、原理・法則的なものは見つからない。
    しかし、自然の成り立ちを考えた場合、物事は原理に基づいて進行している。
    現実主義者のアリストテレスと理想主義者?のプラトンの差はそもそもの観点自体の特徴の違いでもあったかもしれない。

    自然学の後に来る学、というのがメタ・フィジックス(形而上学)の本来の意味であった。だから、今それが起きようとしているのだという言い方もできよう。

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