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  • from: Infophysさん

    2012年08月01日 08時14分14秒

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    知と徳。二元的構図を超えて。ロゴスとカオスの和解。

    徳という字は、本来、直と心からできていたらしいことを聞いた。
    即ち、直き心。僕はこれを屈折の無い心、気の流れ(意識の流れ)に歪みや淀みが無い、と解釈してる。均整の取れた心という解釈が一般的なようだが。しかも徳とは努力して手に入れるものというより、人間の本性を取り戻す、そもそも人間はこうだった、という姿を取り戻すことだというのが中国の古典の記述からわかるようだ。つまり、人間の本性は善だということになり、ルソーの「エミール」での主張と同じだ(人間はよきものとして生まれるが社会が悪いものにしてしまう)。かれは学問芸術論においても、学問や芸術の行ってきた普遍性のおしきせに対する批判を先進的に行っている。

    実を言うと、論理的にしっくりくる、ってのも直き心と同類項だと思い始めていて、それは、概念同士が整合的につながっていて乱れが無い、一つのスムーズな流れになっていることだと僕には感じられている。

    だから、
    知というものは偏りや歪みがあってはならないものだという認識にものっとれば、徳という概念と本質上異なるものには思えない。
    ただ、ぼくには知は文明的で、徳は本能的というイメージがある。おそらく、文明は智慧だけでは成り立たず、知と徳が車の前輪後輪のような役目を果たすのではないかと思っていて、それは大脳と原始脳の対応のように思ったりもする。認識したい欲望にとらわれてばかりいると、人間はその大脳による理性に抑えつけられ、直き心を失ってしまい、社会はすさんだものとなる。現代はまさにその極致といっていいかもしれない。

    中国の理気二元論の失敗に似ている。
    朱子学の朱熹が提唱した論だが、これが支配的になった宋は人間らしい活気が失われていた。その反省に基づいて明の時代に王陽明が気一元論を唱えた。つまり、二元的思考の限界はすでに中国文明が明らかにしていたのだ。それはは結局、創造性(creativity)や生命(creature)力を弾圧し失わせることになる。
    理と気は一如に捉える方法が必要になるのだ。

    そしてこれは現代の科学(物理学≒朱子学で言うところの窮理)批判にもつながる。
    とことん理論によって物事を制御しようとすることがどんな限界にぶち当たるのか、それが現代の人類の二元的ジレンマ(di-lenma)だ。そもそも制御しきれるはずのないものを制御しようとしているということに気付いていないのかもしれない。コスモスとカオス。いや、ロゴス(≒理性)によるカオス(≒気または情念)の統御。theorein(観る、観照する)、すなわち理論、テオーリアはそもそも二元的に主体と対象の存在が前提だ。ぼくはカオスがわかりきることは無いのではないかと思ってる。わかりきったとたんに創造性は失われ、世界は終わる気すらする。もひとつよく考えてみよう。僕ら男性の理性を持って感情的な女性を制御しきれたことがあっただろうか。深入りすればこちらが丸め込まれるのが落ちではなかっただろうか。結局感情の渦に飲み込まれて傷つけあうに終始することになりはしなかっただろうか。口を封じればうらまれ、いつかは逆襲を食らうことになるのは良く聞く実態である。

    認識を深めたいがゆえにはじまったとされる二元的な世界。そして支配と被支配という関係が生まれて文明的な世界が築き上げられた。
    現代文明の限界の打開にはここまでさかのぼらなければならないと思うといえば言いすぎだろうか。たぶん言い過ぎではないだろう。二元的な見方の批判はもはや日常的ですらある。

    はたしてロゴス(コスモス)とカオスは分離できるものだっただろうか?それはすでに現代物理学が明らかにしていて、同時に認識しきれていない事実でもある気がしている。そもそもロゴス(logos=理性的な言葉)はミュートス(mythos=神話・物語の言葉)からの派生に過ぎなかったのではなかったか?常に無意識の影響を受けるロゴスにゆらぎがないといいきれるのだろうか。。。
    ぼくは論理に潜むカオスにこそ着目したい。

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