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from: LEC 柴田クラスさん
2012年07月31日 19時16分59秒
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暑い中、粛々と論文を書いています(^^)
★2、アファーマティブ・アクション
積極的差別是正措置とも呼ばれるが、政策として、歴史的伝統的に差別されていた集団の地位の向上・改善のために、大学入学や雇用の面で優遇措置を講ずることを、アファーマティブ(ポジティブ)・アクションという。
憲法14条の禁ずる「差別」は、合理的な理由なく不利益な扱いをされることをいうのであるから、国家が特定の集団を利益となるように扱うことは、憲法上の疑義を生じないようにも思われる。
しかし、この政策によって、本来的に能力の見合わない者が社会的に評価の高い地位につくこともあり、その場合は本人にとって精神的肉体的負担をかけることになる。「女性初の」などと称して高位に就かされた女性は、そのこと自体が不利益となり、結果として「差別」となる。また、その個人が属する集団の社会的評価を下げることにもつながる。したがって、アファーマティブ・アクションは、実施の方法・対象・期間などによっては違憲となることも考えられる。
いわゆる堀木訴訟(最大判昭和57年7月7日民集36巻7号1235頁)で問題となった児童扶養手当法の併給禁止規定は、そうしたアファーマティブ・アクションの行き過ぎを調整するための立法措置であったが、最高裁は、この立法趣旨を是認し、原告の憲法14条違反との訴えを退けて、合憲の判断を示している。
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