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from: caminoさん
2009/01/29 16:19:34
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紅茶 罪と罰
紅茶って上品な飲み物、というイメージ。
でもそれだけじゃあないね、という話を。
海外の小説を読んでいて、たまに紅茶を飲んでいるシーンにあたることがあります。
例えば罪と罰。
記憶に焼き付いている一場面。
良心の呵責と貧困に苦しむ青年。
高熱まで出して、埃っぽい部屋で寝込んでいます。
もうろうとする意識は夢と現実を行きつ戻りつしている。
朝の日差しの中、ふと気付くと下宿の娘がお茶を運んでくれている。
舞台はロシア。
ジャムの瓶が添えてあって、一杯すくってカップに入れる。
カップから白く湯気が立ち、日差しに透かされた埃の中に漂う。
お茶を飲む行為は習慣化した無感動な行為、かもしれない。
青年は憔悴し、味すら感じないのかもしれない。
ジャムの果肉が一瞬喉に柔らかい。
紅茶の渋味がやけに喉に貼り付く、くらい思うだろうか。
苦悩のなかで無造作に飲み下す紅茶。
妙にリアルで大衆化した紅茶の描写が新鮮でした。
当然なんですが、文化的に根付いてるんだなと、納得した次第です。
先日思い立ち、ジャムを買った。
お茶に入れて飲んでみたりするけど、
甘くないし、別にうまくない。
苦悩が深まったりなど、もちろんしない。
何か間違ってんのかな。
詳しい方がいらしたら、ご教授ください。
ユリシーズ編にたぶん続く。
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