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from: caminoさん
2010年07月13日 08時49分21秒
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実際に出た無罪判決にビビる
司法制度の真の近代化が急務だっていうのに、自分はなかなか法曹になれない旨、先日ボヤいた。
しかし世間というのは自分が思うより一歩先を進んでいるものである。
8日の東京地裁判決。放火の容疑を否定し無罪判決を出した。裁判員制度適用の事例です。
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%CA%FC%B2%D0&k=201007/2010070800693
記事によると判決は、被告人の供述は信用できないし放火が被告人の行為である可能性は高いが、なお第三者による犯行の可能性も「否定できない」として上記の結論としたようです。
検察側の証明に「合理的な疑い」の余地が残る場合、有罪と判決することはできない。これを利益原則というんですが(「疑わしきは被告人の利益に」)、この原則を教科書的に貫いた結論といえると思います。
「グレー」であるという被告人に対して無罪判決が出たことには大きな意味があると思う。結論にはかなり違和感もあるが、市民の参加により刑事手続のあり方が厳格に審査されたといえ、裁判員制度を導入した司法制度にとっては一歩前進と言っていいんじゃないか。
裁判員制度が始まって懸念されたことのひとつは、「合議体には裁判官が加わるから、結局結論は裁判官に誘導されるんじゃないの?」ということだった。ぼくも「そうかもな」と思った。
しかし今回の事件、プロの裁判官だけで判断したとして、無罪出たかな?
今回のケースでは、やっぱり出ないと思います。無罪は。プロであるほど、目の前の被告人の処罰に傾いてしまうということはあるように思う(検察側の立証が多少甘くても)。想像だけど裁判員の意見をかなり尊重したんじゃないか。
多分こんなやり取りがあったんじゃないか。想像だけど。
「えっ、でも合理的な疑いの余地がある場合は、無罪にするんですよねー?」
で、裁判官は「いやー、そうはいっても今回の被告人はやってんじゃないの?」とは言えないよね。
多分さ、したり顔でさ、「そうです。それが刑事司法制度が実現する正義です」とか言ったんじゃないの。想像だけど。
で、それが実現すべき正義だとぼくも思うんですよ。
それかこうも考えられるな。
「いやー、参ったよ。うるさい裁判員がいてさー!」みたいな。
裁判官が一般人裁判員を盾にして、今まで出したくても出せなかった判断を出した。
で、それはアリだと思うんですよ。
無罪判決は確かに青臭い正義で素人的であるともとれますよね。でも検察側の立証が不十分だったなら、それは司法制度の理念に合致するものだと思う。理念とは冤罪を防止することであり、これは同時に真犯人を逃がさないということでもあります。専門家が実現できないでいた正義。これを裁判員の素人的な、しかし新鮮な目線が一歩前進させた。そんな評価ができるんじゃないかなと思います。
もう完全想像だけど。-
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