この時期はりんごがうまい！

今年はハニークリスプというりんごにハマっている。
去年はピンクレイディというりんごににハマっていた。

りんごはちょっとクセのあるチーズとも相性がいい。
赤ワインで煮込んでも美味しいし、スライスしてポテトサラダに入れると歯ごたえが楽しい。

でも、私はなにを隠そうりんごの皮がむけない．．．だからくるくるとりんごの皮をむける人を素敵だと思う。

仕方がないから皮ごとガブっといくと加山雄三になった気分。

りんごはなんにも言わないけれどりーんごの気持ちはよくわかる
りんごだってたまには強引にガブっと噛まれたいときもあるさっ。

「ご無沙汰してます。

長崎のハウステンボスに来ています．．．なーんちて！？

アムステルダムは前から来たかったんです！さっそく自転車をレンタルして風車を見に行きました、街の中心部から自転車で20分行くと全くの田園風景にビックリです。水車の前の運河をカモたちがスイスイ泳ぐのどかな光景に旅の疲れも一気に吹っ飛んでいきました。

昨日の夜はホステルの同じドミに泊まっているイギリスの兄ちゃんたちに誘われるまま“コーヒーショップ”と呼ばれるカフェへ行って生まれて初めてマリファナというドラッグを吸引しました、アムステルダムはマリファナが合法化されていて街のいたるところにある“コーヒーショップ”で様々なランクのマリファナを買うことができるんです。

吸ってすぐ最初はなにも感じませんでしたがしばらくするとなんだか雲の上にいるみたいな気分になってきてとっても幸せななんだか大きな気持ちになってきて目がとろーんとなりました。

それからまた兄ちゃんたちに誘われるままにほとんど裸のお姉さんが道の両側の飾り窓の中に突っ立っているレッドライトという売春通りに行きました、キレーなおねえさんが手を振ってウィンクしてくれるのは悪くないですね、でも中にはお姉さんと呼ぶにはかなり無理があるおばちゃんもいて飾り窓の中で腰掛けてケンタッキーフライドチキンにむしゃぶりついていました．．．十人十色、そのおばちゃんをセクシーだと思う人もこの世の中にはきっといるんでしょうね。

私はというとおばちゃんのフライドチキンによだれが口からたれそうになりました、なんでもマリファナでハイになると食欲旺盛になるんだそうでもう食べ物のことしか考えられなくなってきて（私の場合、性欲よりも食欲なのです、ハハハ）近くにあったレバノン料理の店にダイブしました。

アムステルダムはなんだか大人のアミューズメントパークみたいな街です、街中を運河が流れ素敵な建物所狭しと並んですごく夢心地なところでとても気に入りました。ということで、しばらくここで毎日ハイになって沈没することにします。

それでは　くまこ」


．．．ちょっとくまこ、毎日ハイになって沈没って！！！
あぁぁぁ〜もう！オランダの日本大使館に電話してくまこを強制出国させてもらうきゃない。

まったく世話の焼けるくまだわ。

寒くなってきたのでリスたちは毎日忙しい。
毛皮も夏の薄物から冬ものに替わりなんか見た目がゴテゴテになってかなりカワイイ。

けど最近は食べ物探すのに必死で遊んでくれない、（リス語で）話しかけても無視だよ、無視。
つまんない奴等だぜぃ．．．

今の時期、道を歩けばリスに当たる、そのくらいたくさんのリスが徘徊している。
大きなしっぽをなびかせて走る姿はなぜか私に「ゴンぎつね」を思わせる。

ときどき大通りを渡ろうとして車の前に飛び出すリスを見ると心の臓を誰かにわしづかみされたようになって「あぁあぁぁぁ〜」見ていられなくて目を覆う、
実は３年前にイノセントなリスがひき逃げされた現場に居合わせたことがある、思い出したくない無残で悲しい出来事だった。

屋根の上にいたり、電柱の配線を綱渡りしていたり、刈りたての芝生の上で一生懸命に地面を掘っていたり、木の枝から枝へと飛び回っていたり、カラスとのバトルを繰り広げていたり．．．

顔と同じくらいの大きさの木の実を口にくわえてあちこちをエッサホッサしている、そんな奴等を見ていると自分が「アリとキリギリス」のキリギリスになったみたいな気がしてくるのはなぜ．．．？

「冠省

ロンドンでおまわりさんに助けてもらいました、着いた初日にソーホーで道に迷って困っていた私を親切にちゃんと宿まで送り届けてくれました。そしてなにかあったときのためにと名刺までくださいました。

今日はテムズ河沿いに散歩に行きました、
たくさんのストリートパフォーマーがいてウィリアムテルの格好をしたおじさんにりんごを頭の上に置かれて矢で射られそうになったのでビックリして逃げようと思いましたが矢は吸盤だったので茶番に付き合ってあげました、まわりで見ていた人たちにウケたらしくおじさんはたくさんの人たちからチップをもらっていました。「記念にほれ」とおじさんはりんごをくれました、かじると甘酸っぱくて初めて少しだけおうちが恋しいと思いました。
お日様が傾いてきてビックベンを黄金色に染めて本当にきれいでした、新しくできたロンドンアイには長蛇の列ができていたので乗るのは諦めました。

ここでは地下鉄を上手に使っていろんなエリアに足を運んでいます。
ＮＹもたくさん人種の違う人たちがいましたがロンドンもかなりのミックスです、耳を澄ませば様々な言語が聞こえてきます。

明日は大英博物館にミイラとロゼッタ・ストーンを見に行きます。

草々　くまこ」

見事にサイズがあったのでこれも出逢いだと勝手に決めつけて中古のローラスケートを買った

深夜酔っ払ったついでに室内ローラー大会
テーマソングは「カルメン」おおいに盛り上がる
奇声をあげながらキッチンからリビングルームを行ったり来たり
ローラースケートなんて何年ぶりだろう？
調子に乗ってターンしたら尻餅ついた
これ履いて外を颯爽と飛ばしたいなぁ〜なんて．．．夢ね
トイレに行くのもけっこう楽しいぞぅ

そんな私はミッドナイトローラー

できたてほっかほかワッフルの上にどっかぁ〜んとジューシーなフライドチキンが乗ってそこへグサッとナイフが刺さって「はい、お待ちどうさま！」

フライドチキンのクリスピーな衣にメープルシロップをかけてかぶりつく瞬間の言葉にはできない至福のひととき。

ワッフルはさつまいもを練りこんだ生地を外はさくっと中はもちっと焼き上げてもうたまらなくワンダフル。

フライドチキンのコショウの効いた塩味とほんのりとした甘さのメープルシロップとやさしい食感のワッフルが口の中で織りなすハーモニーにみんな夢中でテーブルの誰も口をきかない．．．いや、きけなかったのだなぁとあとで思いました。

今日はそんなブランチでした。

「拝啓

なぜかアイスランドに来てしまいました。なんだかアイスランドって言う響きに惹かれて．．．

ＮＹからの夜行便でアイスランドの首都レイカビック着いたときに見た宝石箱をひっくり返したみたいな朝焼けには息を呑みました、見せてあげたかったです。

今日はブルーラグーンという露天風呂に行ってきました。久しぶりの温泉、よかったですよぅ。ここは世界で一番大きな露天風呂なんだと行きのバスの中で知り合ったドイツのおじさんが教えてくれました。

温泉の更衣室で水着に着替えるわけですが、ロッカーの開け方に戸惑っていた（英語だし）日本の団体旅行のおばさんたちをお助けしたところおばさんたちは“日本語を話すくま”に助けられたということを喜んでくださって昆布飴をいただきました。そのうちの一人のおばさんは「こんなちいさいのに一人旅だなんて．．．私たちと一緒にいらっしゃい！」と涙ながらに誘ってくださいましたが私の決心をお話しすると「じゃ、これもっと持って行きなさい」と言ってすっぱ梅や柿ピーを山ほどくださいました、そで触り合うも多生の縁ってこういうことを言うんだなぁってそのときふと思いました。

レイカビックは寒くて曇りで雨降りです、雨の中を歩いているとせっかく温泉で温まった体もすぐに冷えてしまいました。
ここではどの蛇口をひねっても硫黄のにおいがするのでおならしたい放題です。

たぶんですが東へ向かうことになりそうです。グリーンランドに行こうとも考えましたがここよりもっと寒そうなので今回はパスですね。

明日は早起きして漁師のおじさんに釣りに連れて行ってもらいます、ではまたお便りしますね。　くまこ」


最近、寝る前にくまこの無事をお祈りするようになった．．．

「たくさんの素敵な経験をして安全に旅を続けますように」と。

自転車のスピードは歩くよりも少し速くて車よりもかなりゆっくり、だから道ばたの名もない花にウィンクしたり窓際族の猫たちに挨拶することだってできる。

雨の日にカッパを着て自転車に乗ると身体中に雨粒のリズムを感じる。

下り坂は一番好きな瞬間、いつものポーズは両足をピンと伸ばして大股開脚これに限る。

オートバイ好きの父のおかげでうちには車がなかった、家族みんなでちょっと近所のラーメン屋へなんてときは一家の自転車四台フル出動だった（友達に「お前は中国人か」って言われて．．．しばらくラーメンマンって呼ばれてたし）。

強い向かい風に自転車を漕ぐときはペダルを踏みしめる足に渾身の力を込めてひと踏みひと踏み真空の中を切り抜けていく体感。

朝早く漕ぐ自転車は気分爽快やっぱりそうかい？

黒猫が行き手を横切ったら悪いことが起こるなんてジンクス私は信じない、自転車を漕いでいるといろんなものが前を横切っていくけど私だっていろんなものの前を横切っているんだぜぃ。

12歳まで補助輪付きだった私さっ、笑いたければ笑えばいいさっ。

晴れた午後に自転車のペダルを漕いでいると幸せ過ぎてこのまま死んでもいいって思うことがある。

好きな人と一緒にサイクリング、手をつないだままで自転車乗るのって案外むずかしいの．．．知ってた？

87秒　私の手放し最高記録、いまだ更新できず。

くまこが家出してから三日になる。
“箱入りくま”だったので少し心配しはじめた今日、郵便受けにハガキが届いた。

「前略

ニューヨークは今とても過ごしやすい気候です。宿の近くのイーストビレッジでは何人かの友達がでました。そしてなぜか私は黒人の兄ちゃんたちにすごくモテます、昨日はピザをおごってもらいました。

家を飛び出したとき、心細くなってすぐ家に帰ろうと思っていたところ、バス停でこれからニューヨークへ行くという女の子に会いました。女の子はとにかく体ひとつでニューヨークへ行ってそれからどうするか決めると言いました、それを聞いたとき私は「なんて自由で大胆な発想なんだろう！！！」と感心しました。
そして気がついたとき私は彼女のかばんの中にいました、彼女も連れができて安心した様子でニューヨークへ着いてからの彼女なりの作戦みたいなものを教えてくれました。彼女はとても素直で純粋な感性の持ち主で彼女ならここニューヨークでうまくやっていけると思います、そう願っています。

ここに来て二日が経ちました。確かにニューヨークは素敵なところですが私の場所ではないと思います、かと言ってこれからどこへ向かうのか自分でもわかりません、東西南北どの方向にでもいけるような気がします。だたひとつハッキリしているのはこれからしばらく気の向くままに進んでいこうと思っていることです、いろんな人に出逢って様々な情報を手に入れて自分で自分の行く道を決めていこう！．．．と決心しました。きっと彼女の影響なのかもしれませんね。

一週間前の自分を思い出すと今とのギャップがまるで夢のようです、それと同時にこれから自分の身に起こることを考えると身震いします、でも心配しないでください！思っていたよりも人々は親切で“くま差別”も今のところ受けていません。

最後に「おたまじゃくしぃ」って言って本当にごめんなさい。ここまでの道中そのことが頭から離れませんでした、私も動転していたんだと思います、ごめんなさい。

では、またお便りいたします。お体に気をつけて、そのときまでさようなら。　くまこ」


度肝を抜かれたとはこのことを言うんだろう、きっと。
あのくまこがニューヨークにいるってことがすごく信じられないのに．．．プラス彼女はしばらく帰ってこないみたいだってことはもっと驚き桃木山椒の木だ。ずっと一緒にいたのに彼女にこんなガッツがあったなんて知らなかった、正直にビックリ。パスポートとかどうしたんだろう？聞きたいことはいっぱいあるけど、ここはひとまず見守ってあげようと思う。あの小さな体で精一杯頑張ってるんだから．．．（涙）。

I miss you...くまこ

彼は誰かに殺された？それとも自らの命を．．．？

最後に彼に会ったとき

「実は来月おじさんになるんだ。二番目の姉ちゃんに子供ができるから。男だったらいいのになぁ．．．そしたらスケボー教えてやるよ。」笑いながら言うとビールを飲み干した、なんだかとてもうれしそうな顔してた、彼。

昨日スケーターが一人死んだ
それでこの世の中がなにか変わるわけでもない
誰も彼の死に注意を払おうともしない

彼のボードは彼のそばに一緒に埋められるだろう．．．だけど、それでおしまい。

昼寝している猫をよけようとしてバランスを崩し左手を骨折した心優しき私のヒーロー．．．

その笑顔をもう一度だけ見たかったぜ。