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from: 視線さん
2008年09月28日 07時17分11秒
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毎日口に入れるもの
スーパーで売られているパックに入った食べ物ってどうしてあんなに味気ないのか考えてみた。
父は料理人だったので私が小さい頃よく市場や八百屋へ連れて行ってくれた、山盛りにされている野菜や果物の中から自分の手で触れて目で色艶を見て鼻でにおいを嗅いで選ぶ。
また、そこでは売り手とのコミュニケーションもとっても大事。売り手は自分の商品をすみからすみまで知り尽くしている、なにが入荷されたとか旬のものはなにかなんて情報をそっと耳打ちしてくれる。
きっと市場のいつも行っている八百屋のおっちゃんに勧められたのだろう、父が初めてマンゴを買って帰ってきた日のことは今でも覚えている。「これ、南国のフルーツ、食べてみぃ」と父の顔が誇らしく輝いていた。生まれて初めて口にするマンゴの味は排気ガスみたいでそう言うと父は「まあ、南国のフルーツやからなぁ...」とわけのわからない対応だった、今思えば悪いこと言ったなぁと思う、でもあのときの父は可愛かった。
でも、今でもマンゴを食べると排気ガスの味がするしその排気ガスの味がけっこう好きであの日の父の顔も一緒に思い出す。
作った人やそれを売っている人と顔を合わせて言葉を交わしてそのものを買うということはとても大事なことだと私は信じる。そうやって私たちは何千年もものを売り買いしてきたし、世界のほとんどの地域では今でもそうやってものは売買されている。
パックに値段の貼られたりんごをレジへ持って行ってさっと払ってさっと出て行くのはとても便利だけどそれを食べるとき私はレジのにいちゃんの顔を思い浮かべることはない...というよりも覚えてない。
自分で選んだ一体いくらなのか見当もつかないりんごの値段を売り手の兄ちゃんに聞いて高いと思えば「まけて!」と交渉し、「いや、このりんごは糖度が高くていいりんごやからまけられん」と言われれば「もっと買うからまけて!」と食い下がる...確かに時間はかかるし全然便利ではないけどそこに生まれるコミュニケーションが私にとってはなによりも素敵、そのりんごに噛りつくとき絶対にそのにいちゃんの顔、そして声までも思い出すだろう。
うちのおばあちゃんは家庭菜園でいろんなものを作っている、おばあちゃんの作った野菜はとびきり美味しい、それはきっとおばあちゃんがカラスや雑草を相手に奮闘してその野菜たちを作り上げたから、自転車で畑に行くときにたまにコケて脛に内出血作って私たち家族をヒヤヒヤさせたりするから、おばあちゃんが野菜や果物のことを話すときの顔や声がとてもツヤツヤしているから...そんなことを全部知ってるからおばあちゃんの野菜たちは美味しいんだなぁと納得。
ちなみに私はものを買うときそれらに話しかける。
話しかけると応答するものとしないものがある。「なんだよ、お前!」とふてぶてしいのもいるけど「もうどうでもいいんです私...」と弱々しいのもいる、「私を連れて帰って!」っとアピールしている私と相性のいいものを買うようにしている...えっ!それって変?
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