このたび個人的な事情により金星に行くことになりました。

といってもほんの１ヶ月です。

ただ金星ではインターネット接続が不可能なようですのでこの場を借りまして「人見知りな宇宙人」の約１ヶ月間の休業をお知らせしたいと思います。

こんなへんぴなサークルをのぞいてくださっている心清い好奇心旺盛な方々には感謝の言葉もございません。

金星にいる１ヶ月間みなさんのことは決して忘れませんのでどうか私のことも忘れないでいてくださいね。

金星でアルゴンとヘリウムを再充電して帰ってきたらまたバリバリへんてこなものを産出しますのでそのときはどうかまたよろしくお願い致します。

心の底から愛を込めて

視線

「遺跡で有名なエフェスに来ました。

この遺跡は現存するギリシャ文明の中では最も大きいものだそうです、紀元１１世紀という気の遠くなるような時間を耐え抜いてきた素晴らしい遺跡なのです。

でも、さすがトルコきっての観光地だけあってツアーの団体が堰を切った水のようにどうどうと押し寄せては引いていきます。クルーズのおじさん、おばさんも船から降りてバスを乗り継いでここまで来るらしいです。

ここはとにかく大規模で全部見てまわるには丸一日かかります、ヘラクレスだとかメドウサだとか聞いたことのある名前が出てくるので興味深いです。下水処理の整った公衆トイレもあったなんて本当にびっくりです！！！

なんだか「世界ふしぎ発見！」のリポーターになった気分のくまこでした。」

「イスタンブールはヨーロッパとアジアを結ぶ街と言われるだけあってその混ざり具合が微妙なことに気がつきました。

青空に向かってそびえたつモスクは巨大な宇宙船のようでものすごく神秘的です。そのモスクの外側に取り付けられたスピーカーからは１日に５回コーランが流されます、大音量のためひび割れて聞こえるコーランはどこか石焼きいもソングの風情があって懐かしくなったと同時に無性に焼きいもが食べたくなりました。

トルコの（特に）おっちゃんたちはよく茶を飲みます、日当たりのよいチャイハネ（茶屋）でおっちゃんたちがタバコを片手にあまーい紅茶をすすりながら談笑しているのを街のあちこちで見かけます。

モスクのすぐ近くの宿に泊まっているのですが最初の晩、真夜中に突然コーランが流れだして、しかも大きな音なので飛び起きて一瞬なにが起こっているのかわけがわからずスーパー寝ぼけの私にはそれがコーランだと気づくまでに時間がかかりました、翌朝一人で笑ってしまいました。

くまこ」

ミスターシリアスは今まで一度も笑ったことがない
子供の頃はもちろん
高校生のとき初めてセックスしたのそのあとも
同じ大学で恋人ができたときも
案外すんなりと就職が決まったときも
三十で結婚したときも
自分の子供が生まれたときも
彼は笑わなかった

ミスターシリアスに冗談は通じない
というより彼はどんな冗談も面白いとかおかしいとか思えない
彼は社交辞令や愛想笑いを憎いとさえ思っている
会社で彼自身のその存在が浮いていようと同僚が彼の陰口を言っていようと彼にはどこ吹く風という態度である
もちろん彼には友達と呼べるものもいない

ミスターシリアスはけっこう女性にモテる
彼はいつも真剣な表情をしているのである種の女性にはそれがミステリアスに映るらしい
たまに仕事の帰りにバーのカウンターでひとりスコッチをストレートで飲んでいるときなどひっきりなしに女性のほうから彼に声をかけてくる
（ある種の）女性にとって彼は放っておけないタイプらしい

ミスターシリアスは鳥が苦手である
鳥たちは気軽に彼の肩にとまりリラックスして糞尿を垂れ流すものもなかにはいる
彼は顔をしかめるが鳥たちは表情というものが読めない
鳥たちは彼のことがすごく好きで彼の耳元でいろんな話を話してくれるのだかその事実も彼の悩みの種である

ミスターシリアスは髪型や服装にすごく気を使っている
朝シャンはもちろん週に一度は行きつけの床屋に足を運んでいる
洋服はみなオーダーメイドでベースカラーはチャコールグレー、紺、黒の３色と決まっているが首に巻くスカーフに関してはたくさんのコレクションを持っており旅行や出張など行く先々でいいものが目につけば購入するようにしている

ミスターシリアスはものすごく几帳面である
彼は朝起きるとベッドをきちんと直してベッドカバーの上の部分をきっちり２５ｃｍ折り返しその端をマットレスの下に折り込む
朝食を摂るあいだに朝刊を読み終えるとそのあと１０分間かけてしっかり歯を磨きこむ
言うまでもなく彼のドレッサーには上着、シャツ、パンツ類が、そしてタンスには下着、スカーフ類などがちゃんと色別、デザイン別に分けられて収められている
彼の几帳面さは徹底していて他の人々に居心地の悪い思いをさせるときがある



ミスターシリアスは今日もこの空の下のどこかで苦虫を踏み潰したような顔をして生真面目にそして堅実に生きている

神父１：「それはそうと聞きましたか？」

神父２：「なにを？」

神父１：「ロベルトが出家するそうです」

神父２：「なんですと？！」

神父１：「来週には．．．」

神父２：「ご家族の意向は？」

神父１：「結局、聞き入られずということで．．．」

神父２：「はぁ」

神父１：「ところでエマはどうしていますか？」

神父２：「はい、相変わらずのようで．．．」

神父１：「そうですか．．．」

神父２：「今も３人の主人と寝ているようです」

神父１：「３人．．．」

神父２：「ええ、主人３人彼女１人。」

神父１：「今こそ祈りましょう、共に．．．」

神父２：「アーメン」

神父１：「アーメン」

神父２：「このあいだ頂いたワイン美味しかったです」

神父１：「喜んでいただいてなによりなにより」

神父２：「それでは」

神父１：「では．．．」

－－－－－二人は違う方向に歩き出す－－－－－

すずめの声．．．

「たいへんご無沙汰でした、くまこです。

明治ブルガリアヨーグルトで有名なブルガリアの首都ソフィアに来ました。
ここはのんびりしていていいとこですよ。
道端で熊（本物！？）に芸を披露させていたジプシーの人たちと友達になり本当にヨーグルトづくしの晩ご飯をご馳走になりました。
でも、ブルガリアの人は「イエス」のときに首を横に振り「ノー」のときには首を縦に振るのでむちゃくちゃややこしいです、まったく反対なんですもん。

ドミで一緒になったスペインのお姉さんが「アルケミスト」という本を貸してくれました。本を読み終わってからピラミッドを観にいこうと決めました。はい、これから中近東に向かいます。映画「チームアメリカ」を見ておいてよかったです、こんなときに役に立つとは思いませんでしたが．．．

おうちのこたつが恋しいです、今の時期は“みかんにこたつ”これに限りますよね。

明日、トルコへ向かいます。ご心配なく噂によるとトルコはいいところらしいですから。

では、お体に気をつけて　

P.S. テディベアのココと一緒に旅しています、とても気の合うくま友です　　　　　　　　くまこ」