ガキん時はこれが世界のすべてみたいに思っていた町。五中なんて遠くて、世界の果てまで歩いて通う気分で、新しくできた九中に通う妹が羨ましかった。
しかし、今日行ってみて、
こんなくそ狭いとこに住んでたんか!?
とびっくらこいた。
猫の額ほどの町が俺の少年時代、俺の青春やったんか!?
と思うとわけもなく腹がたった。
懐かしさも感じず、帰途につくのが寂しかった。
何を求めてここに来たんだろう。

何ら得ることなく帰ってきた。

寝屋川を出て、京都で暮らし、東京で暮らし、奈良で暮らした。いま、和歌山で暮らしている。

あのときと比べたら少しは世界はひろがったかもしれない。
しかしまだまだ外に広い世界がある。

あのときは知らなかった。
今は知っている。

広い世界に出ていく勇気と知恵が欲しい。

大阪府立寝屋川高校。
サッカー部に在籍。中学校では文化系だったので、体力０、技術０で、３年になっても全部員の中でいちばん下手だった。たぶん、史上最強の下手さかげんだったろう。やめずにいたことをみんなが誉めてくれたが、やめると言えずに３年間過ごしただけだ。当然公式戦出場記録は０。ただ、引退試合ではフォワードで出場。PKを決めた(ミスキックやったけど)。あのとき、ペナルティーエリア内で僕の目の前で相手がハンドを犯し、僕は当然他の上手い奴が蹴るだろうと思ったら、みんなが「一鶴、お前が蹴れ!!」って言ってくれた。頑張ってたらいいことあるもんだ！
１年のとき、教室に掃除ロッカーがなかったので、担任の山中先生が学校に働きかけて購入し、搬入されたその日に僕がほんのお茶目な気持ちで蹴りをいれたら、ベッコリ凹んだ。運悪く山中先生に見られてどつかれた。入学して１週間たつかたたないかの頃だから、同期の中では始末書第１号だろう。
２年のときはいちばんムチャな奴等が集まった。遠足に行けば、俺と親友のマッタンは行方不明になるし。
修学旅行では部屋でトランプをしていたら、女子どもが侵入してきて、そこへ先生どもが踏み込んできたからたまらない。ホテルの廊下で正座させらるた。僕は自分の部屋でトランプしていただけなのに。翌朝、朝飯を喰おうとしたら、体育のチクリンが怒っていてなかなか朝飯を喰わしてくれない。よく聞いたら、
「昨日の夜、パトカーでホテルに帰ってきたやつがおる」
と怒鳴り散らしている。となりのオパに、
「誰やねん、そのアホは？」
って聞いたら、オパが
「すまん、俺やねん…」
なんでも、夜中のグラバー邸を見に行ったところを職質にあったらしい。
こんな奴等がそろっていたから担任の今井先生、入院してしまった。今井先生、ごめんなさい。
３年のときは、おとなしく受験勉強、ひたすら受験勉強…しなかったな。サッカーばっかりしてたから、定期テストは半分以上赤点やったし。PK決めて引退してから教科書開いたら宇宙語にしか見えんかった。
結局２浪するハメに。
ちなみにマッタンも２浪して、大学も同じ大学に。卒業後は大手電機メーカーに就職して、今はアメリカにいるらしい。アメリカに行った後は知らない。マッタン、元気か!?

寝屋川市立第五中学校。
不良の巣窟で３年間苛められて過ごした。よく自殺しなかったと自分を誉めてやりたい。校内では苛められたが、校外で他校の不良グループの検問(通行税という名目でカツアゲしていたのだろう)に出合い、自分は五中の生徒だと言うとフリーパスだった。
クラブは技術部で最後は部長まで昇った!!
こら、カツラ…先輩!!
お前…様が後輩を脅して、俺が後に部長となるべき副部長になることに挙手させた怨み…ご恩は忘れてないからな。その後、カツラ…先輩は「これやるから頑張れ」とか言って僕にあめ玉を手渡した。お陰で僕は同級のマツモトたちに「あめ玉で部長になった男」と呼ばれるようになった。
中学時代の親友井上は公立トップの四條畷高校に進み、大学はどこだったかは忘れたが、大韓航空に就職した。その後どうなったかは知らない。
井上、元気か!?

啓明小学校。
遠足の日、うちはオカンが弁当を作るのが遅かった。遠足の日には僕が遅刻するのは恒例になっていて、いつも僕が来るのをうちのクラスだけ、待ってくれていた。やっと出来上がった弁当を持って正門までダッシュしようとすると、うちのオカンは
「遅刻してるとこを見られるのはみっともない。裏門から行け。」
と言った。裏門は遠いっちゅうねん。うちのオカンは世間体を気にする。しかも間違った方向で…。
夏は水泳部に強制で入部させられ、土日はサッカー部だった。水泳もサッカーもかわいくはないカワイ先生が顧問だった。年がら年中カワイ先生と顔を合わせていたような気がする。
カワイ先生、お元気ですか!?

近所の神田公園。
ここで父親に付き添われて逆上がりの練習をした。腕を引き付けろというから思いっきり引き付けたら、口を鉄棒にぶつけて血がいっぱい出た。それでも練習を中止させてくれなかったので、血が撒き散らされ、辺りは殺人現場みたいになった。
あるとき、名前は忘れたが、友達と神田公園で遊んでると、名前を忘れた友達が
「お前の妹が車にはねられた！」
と言って、僕の家に向かって一目散に駆け出した。いくら近くても見えるはずがないのに、何言うてんや!?って感じでついてったら、なるほど妹が車にひかれて頬の皮がめくれて顔の肉が見えてレアな焼く前のステーキみたいだった。後に妹はこの傷が元で同級の男の子達に「やくざ」とからかわれたが、からかった男の子達はもれなく妹にしばかれて、泣かされていた。
神田公園の近くにはパン屋の息子のハヤタと、福岡がいた。そのパン屋でハヤタといっしょにお菓子を万引きした。おっちゃん、ごめんなさい。
福岡の家ではよく漫画を描いたりした。福岡には姉がいたが、美人だったような気がするが覚えていない。
両君とも、家はそのままあった。２人とも元気だろうか!?

そしてここも建て替わってこぎれいな家が３軒ほど並んでいたが、僕が暮らしていたときは長屋で、最初はいちばん端に住んでいたが、隣が引っ越すたびに買い取ってついには反対の端まで征服したような…。
最初のお隣さんは、屋号は忘れたが、クルミやら栗やらレーズンを売っていて、ここでもいろいろ売り物のお菓子をもらった。
裏にはイチキケンイチが住んでいてよく遊んだ。ケンカもよくした。不利になると石を投げる卑怯なやつ…だったような気がする。妹はサナエちゃんだ。サザエちゃんではない。
ちえっぺんぺんとかあやっぺんぺんとかいう姉妹がいて、こいつらを泣かすとオカンが怖かった。１度、「ヤイトをしてやる」と追い回されたことがある。
飼い主の名前は忘れたが、ジュンって名前の犬もいた。こいつはやや狂暴だったような気がするが、とお君はもっと狂暴で、こいつの兄貴は輪をかけて狂暴だった。
お向かいにはムッちゃんがいて、よく遊んだが、身体が不自由で、学校には車椅子で母親に押されて通学していた。若くして、癌かなにかで死んでしまったらしい。
並びにはトコが住んでいて、コイツも障害者だったが、気にせず普通にいっしょに遊んだ。お前は元気か!?

カーナビを寝屋川市長栄寺にセットして行ったら、全然知らんところに連れていかれたので、記憶をたどって走ったら、ありました。

写真の左側の家(建て替わって知らない家になってた)、ここが僕の記憶の最初にある家です。

手前をどぶ川が流れていて、家とどぶ川の間の狭い土地にブランコがあってそこで遊んだ…

２軒くらい隣に「ねぼけ堂」というせんべい屋があって、そこの年上のセイタロウ君と遊んだ記憶がある。

「ねぼけ堂」に遊びに行ったり、転居してからも近くを通ると、おっちゃんに呼び止められて、せんべいをいっぱいもらって帰った。
美味かったなぁ〜、あのときのせんべい…

って…

まだあるやん!?ねぼけ堂!!

今は代替わりしてセイタロウ君がやってるのかな…

セイタロウ君、元気ですかぁ!?

お近くのかたは是非買いに行ってください！