「Re:地球がリングだ！」

双刃｢では、今夜は狸汁にしましょう｣
彩夏｢……煮るのか｣
ワンダ｢お？｣

〜さいかさんとふたばさんと、ワンダ･ザ･ワンダー〜

「Re:地球がリングだ！」

彩夏｢ワンダもよく頑張った。偉い偉い｣
ワンダ｢でも負けた！ 悔しいぞ！｣
彩夏｢だったらもっと強くなんなよ。そうすりゃ勝てるよーになるからさ｣
ワンダ｢なる！ 彩夏の言うことはいつも正しい！｣
イリーナ｢彩夏姉ちゃん、なんだか今日は優しいね｣
彩夏｢あたしゃいつだって優しいさね｣
トラ｢勘弁してくれよ彩夏姉貴。これ以上強くなられたら、あたしの立場がなくなっちまう｣
彩夏｢それはそれで見てみたい｣
イレーア｢…彩夏姉ちゃん、やっぱり今日も容赦ないね｣
双刃｢二人とも、今日はお疲れ様。今夜はご馳走にしましょう｣
トラ｢おう！ そうこなくっちゃな！｣
ワンダ｢さすが双刃！ いいこと言う！｣

「Re:地球がリングだ！」

ワンダ｢ワンダの負けだ！ 煮るなり焼くなり好きにしろ！｣
トラ｢…そんな体力、残ってねぇって。ったく、バカみたいに強くなりやがって。そろそろ手に負えなくなってきたぞ｣
彩夏｢トラお疲れ〜｣
トラ｢なんだ、姉貴たちも見てたのか。どうだった、あたしのバトル？｣
彩夏｢相変わらずの単純一直線。んなことだから、ムダに攻撃喰らうんよ｣
トラ｢ちぇっ。キビシいなぁ｣
彩夏｢ま、そこがあんたのいいトコだけどね｣
トラ｢へへ…｣
イリーナ｢…双刃姉ちゃん｣
イレーア｢ボクたちも｣
イリーナ＆イレーア｢ワンダちゃんみたいに強くなれる？｣
双刃｢それは貴女たちの努力次第です｣
彩夏｢少なくとも、あんな犬コロどもに頼ってるうちはダメ｣
イリーナ＆イレーア｢う…｣
双刃｢そのポチに、タマちゃんで対抗しようとした彩夏、貴女の台詞でなければ、説得力抜群でしたね｣
彩夏｢…うるしゃい｣

「Re:地球がリングだ！」

双刃｢二人とも、気が付いたようですね？｣
イリーナ｢双刃姉ちゃん？｣
彩夏｢ほえー。ワンダ、また腕を上げたねぇ｣
イレーア｢彩夏姉ちゃん…｣
イリーナ｢双刃姉ちゃん、あれって…｣
双刃｢そういうことです｣
イレーア｢…ショットガンでトラちゃんの移動する空間削り取っていって｣
イリーナ｢リボルバーを確実に命中させてる…？ トラちゃん、トップスピード引っ張り出すこともさせてもらえてない…｣
彩夏｢ほえ？ あんたたちも、それが分かるくらいには成長してたんだ。感心感心｣
イレーア｢あれは、勘？｣
イリーナ｢それとも、未来予測？｣
彩夏｢ま、その両方でしょ｣
双刃｢さすがは彩夏の教えを受けた神姫だけのことはありますね｣
彩夏｢んな大袈裟な。あたしゃ基本をちょっと教えてやっただけだぁよ｣
イレーア｢彩夏姉ちゃん、もしかしてホントはやっぱり強い…？｣
彩夏｢さてねぇ？ あたしにゃよくわからん｣
イリーナ｢そんなことより、このままじゃ、トラちゃん、負けちゃうよぉ…｣
双刃｢いえ。ワンダも実力を付けてきましたが、地力では、まだまだトラが上です｣
彩夏｢最後は力技で…｣

トラ｢おりゃー!!｣
ワンダ｢ぎゃー！｣

彩夏｢ほら、押しきった｣

「Re:地球がリングだ！」

ワンダ｢ダダダダダ！ 当たれ当たれ当たれ！｣

イリーナ｢なんだ。死合うとか言って、結局ただ撃ちまくるだけなんだ。ビックリして損しちゃったね｣
イレーア｢あんなことしたって、トラちゃんのスピードならゼッタイ当たらないよ。やっぱりトラちゃん、本気じゃなかった…｣

トラ｢イテッ！｣

イリーナ｢…ウソ!?｣
イレーア｢当たった!?｣
イリーナ｢まぐれ当たりだよ、ゼッタイ…。もう当たったり……｣

トラ｢イテテッ！ コンニャロ！｣
ワンダ｢腕が落ちたな！ トラ！｣

イレーア｢また当たった！｣
イリーナ｢これも、偶然じゃ…え？ そうじゃ、ない…？｣
イレーア｢うん…｣

「Re:地球がリングだ！」

トラ｢待たせたな｣
ワンダ｢待たされた！ さあ！ 思う存分死合おうぞ！｣
トラ｢当然だ。…逝くぞ！ オラァ！｣

イリーナ｢…ウソ｣
イレーア｢トラちゃん、本気だ…｣

「Re:地球がリングだ！」

ワンダ｢今から血の雨が降る！ おまえたち！ 傘を忘れるな！｣
イレーア｢…なんか、物騒なコト言ってるよ、この子｣
イリーナ｢言ってるだけだよ、たぶん。トラちゃんも、本気でバトルしたりしないだろうし｣
イレーア｢そだね。でもポモック型のフル武装って初めて見たけど、すごくカワイイね｣
イリーナ｢でもリス型には見えないね｣
イリーナ＆イレーア｢タヌキ〜｣

「Re:地球がリングだ！」

イリーナ｢トラちゃん｣
イレーア｢お客さんだよ｣
トラ｢お！ ワンダか。久しぶりだな！｣
ワンダ｢トラ！ 決着を付けにきたぞ！｣
トラ｢おう！ どっからでもかかってこい！｣
イリーナ｢え？｣
イレーア｢ワンダちゃんて、トラちゃんのお友達じゃなかったの？｣
ワンダ｢違う！ 宿命のライバル！｣
トラ｢まぁ、そういうことだ｣

「Re:地球がリングだ！」

ワンダ｢ワンダワンちゃんじゃなくてワンダ！｣
イリーナ＆イレーア｢あ、ゴメン｣
ワンダ｢そんなことよりトラはどこだ！｣
イリーナ｢トラちゃん？｣
イレーア｢トラちゃんなら、たぶん剣術のお稽古してると思うよ？｣
ワンダ｢それはどこだ！｣
イリーナ｢あっち｣
ワンダ｢あっちじゃわからん！｣
イレーア｢じゃあ、連れてってあげようか？｣
ワンダ｢それはご丁寧に！｣

「Re:地球がリングだ！」

ワンダ｢お？｣
イリーナ｢あ、だれか乗ってた｣
イレーア｢キミは、だれ？｣
ワンダ｢ワンダ！｣
イリーナ｢ワンだ？ じゃあワンちゃん｣
イレーア｢ちょっとだけ、変わった名前だね｣
ワンダ｢ちーがーうー！｣
イリーナ＆イレーア｢え？｣