「Re:新ユニット」

エーファ｢アイスをあげよう｣
ヴェロニカ｢な、なんだいきなり？｣
エーファ｢だからあたしと、コンビ組んでみない？｣
ヴェロニカ｢いや。すまないエーファ姉さん、私はアリエルとのコンビを解消するつもりはない。…それに甘いものも苦手だしな｣
アリエル｢あれ？ ヴェロニカって甘党だよね。だってマスターが買い置きしておいたチョコレートとかお饅頭、夜中にこっそりつまみ食いしてるでしょ？｣
ヴェロニカ｢み、見ていたのかアリエル!? ……い、いや、あれは、その、つまり…そ、そうだ！ あれはマスターの過剰なカロリー摂取を阻止するために、我が身を犠牲に、して、だな……｣
アリエル｢ヴェロニカ？｣
ヴェロニカ｢……わ、私にも世間体というものがある。…ストラーフMk.2型としての、私のクール＆ストイックなイメージを崩すような発言は、控えて欲しかったな、アリエル｣
アリエル｢はいはい｣

エーファ｢ふぅむ。これも意外な一面ってやつよねぇ｣
レベッカ｢確かにね。けどねエーファ、天使型と悪魔型の組み合わせは、意外でもなんでもないんじゃないかな？｣
エーファ｢あ……｣

〜結成ならず〜

「Re:新ユニット」

エーファ｢ちょいとヴェロニカちゃん｣
ヴェロニカ｢ん？ どうした、エーファ姉さん｣

「Re:新ユニット」

エーファ｢それにしても、あの三人がトラを負かすなんて、意外っちゃあ意外よねぇ｣
レベッカ｢まぁ三人とも、腕は悪くないからね。…それに、僕たちが機械である以上、個々の努力では、どうあがいても越えることのできない性能の限界が存在する。しかし、足りない部分をパートナーと補い合えるのなら、限界を超えることだって不可能じゃない。僕たち神姫に秘められた無限の可能性とは、もしかしたら、このことを指すんじゃないかな？ …君もいま言った、意外性というものも含めてね｣
エーファ｢…なるほどねぇ。……閃いた!!｣

「Re:新ユニット」

レベッカ｢しかし凄いな。ドッグファイトでトラに勝つなんて。なかなかやるね、君達｣
リズ｢ま、まぁ、三対一ですし。それに主として戦っていたのは、イリーナとイレーアの二人ですから｣
イリーナ｢ボクたち、リズに言われた通りに動いただけだよ？｣
イレーア｢ボクたちだけだったら、トラちゃんに勝つことなんて、できないよ？｣
トラ｢あんな複雑な機動、やれって言われてできるだけで、十分スゲーよ｣
エーファ｢へぇ〜。よーするに、イリーナもイレーアもスゴいけど、双子の能力を引き出したリズが、指揮官として、もっと優秀だったってことか。…ただの脳筋だとばっかり思ってたけど、見直したわよ、あんた！｣
リズ｢…素直に褒め言葉として受け取る気には、到底なれませんですわね、その賛辞｣

「Re:新ユニット」

トラ｢いやぁ、参った参った｣
エーファ｢で、なにがあったのよ？｣
トラ｢それがな、あいつら、リズをコマンダー機に設定した場合の双子とのフォーメーションってのをシミュレーションしててな。それであたしに相談に乗ってくれって言ってきたワケだ｣
レベッカ｢ふむ。指揮能力に秀でたラプティアス型と、空戦能力にも優れた万能タイプのアルトアイネス型のフォーメーションか。なかなか興味深いね｣
トラ｢ああ。いろいろ試しているうちに、あたしもどんどん楽しくなってきちまってさ。それで我慢できなくなって、実際にバトってみたのよ｣
エーファ｢んで、見事に撃墜されたって？｣
トラ｢そーゆーこと｣

「Re:新ユニット」

リズ｢トラ！ しっかりなさい！｣
トラ｢…わてが死んでも、一年は隠しぃ。そんで影武者を立てるんや……｣
イリーナ｢ダメだよトラちゃん！｣
イレーア｢自分のキャラ見失っちゃ！｣
リズ｢トラ!!｣

エーファ｢…これってどんな状況よ？｣
レベッカ｢学芸会の練習、かな？｣

「Re:新ユニット」

レベッカ｢リズとイリーナ、イレーアなら、たしかトラと一緒になって、なにかの練習をしていたと思ったけど。エーファが気になると言うのなら、様子を見てみるかい？｣
エーファ｢ま、気にならないって言ったらウソだしねぇ…。そんなら、ちょっと覗きに行ってみんべか｣