「Re:今は昔…」

〜昔〜

「Re:今は昔…」

レイテ｢結局あの二人、仲良しなんですね｣
双刃｢まぁ、彩夏もエーファも、ただの腐れ縁と言うでしょうけど｣
レイテ｢あの二人なら、きっとそう言いますね｣
ヒュー｢……｣
双刃｢…時が流れ、彩夏もエーファも変わりましたが、二人の想いは、あの頃と、なにも変わってはいないでしょう｣

「Re:今は昔…」

エーファ｢ま、若さ故の過ちってヤツよ。…んなコトより彩夏、今夜飲みに行かない？｣
彩夏｢乗った｣
エーファ｢双刃はどうする？｣
双刃｢では、ヒューのトレーニングを終えてから合流します｣
エーファ｢りょーかい。あとは、そうだな…。トラやらあかね達も誘って、ウチの１st神姫の同窓会でもしますか｣
彩夏｢やれやれだぁね。昔話がしたくなったんかい？ ま、あんたもトシだしねぇ｣
エーファ｢うっさい！ 何度も言うけど、あたしゃ、あんたより年下だ｣

「Re:今は昔…」

双刃｢今でこそ、やさぐれ天使の異名を欲しいままにしているエーファですが、たしかに以前は、エーファ本人も言うように、実に天使型らしい天使型でしたね｣
エーファ｢ちょっと双刃、だれがやさぐれてるって？｣
レイテ｢双刃さん。それ、ホントなんですか？｣
双刃｢ええ。『お姉ちゃんお姉ちゃん』と、彩夏の後を金魚のフ…いえ、カルガモのヒナのように付いて回る、それはもう、ウザカワイイ神姫でした｣
エーファ｢ウザカワイイとか言うな！｣
彩夏｢それが今じゃこーだもんねぇ。まったく、時の流れは怖いよ｣
エーファ｢あたしをこんなにした本人が、なに言ってんだか｣
レイテ｢その言い方だと、姉さんが極悪人みたいです…。でもエーファさん、以前は姉さんのこと、姉さんって呼んでたんですね｣

「Re:今は昔…」

レイテ｢私がこのウチにお迎えされる前のエーファさんて、どんな人だったんです？｣
エーファ｢そりゃ今と変わんないよ。清楚で可憐で、まさに天使型の鑑！ って神姫さね｣
彩夏｢…やれやれだぁね｣
エーファ｢あに？ なんか文句ある？｣

「Re:今は昔…」

彩夏｢そのうちこーなる｣
レイテ｢まあ!? なんということでしょう!!｣
エーファ｢あによ？ あたしがどうかした？｣

〜今〜

「Re:今は昔…」

エーファ｢さって、今日の日本経済は、と……。ふぅむ……今晩は肉豆腐と冷や奴で冷酒かねぇ｣

「Re:今は昔…」

彩夏｢でもまあ、それもいつまでのことだか。…双刃もそれが分かってるから、今のうちに楽しい思い出作っとこうとしてるんだろーね｣
レイテ｢え…？ 姉さん、それ、どういうこと？｣
彩夏｢水が合わないんだか、地相が悪いんだか知らないけど、フロントライン製の神姫は、ウチじゃ長くないんよ。あの娘だって…｣
レイテ｢それじゃあアリエルたちも!? …あれ？ でも待って姉さん。それならエーファさんたちは…？｣
彩夏｢いや、だからさ｣

「Re:今は昔…」

双刃｢そうです。あまり力まず、フッと、肩の力を抜くような感じで｣
ヒュー｢……ん…｣

レイテ｢ヒュー、カワイイわね、姉さん。素直で大人しくて。あの、ちょっと困ったみたいな顔で上目遣いに見つめられると、思わずイケナイ趣味に目覚めちゃいそう｣
彩夏｢あーレイテ。そっちの趣味に走るんだったら、あたしに一言言ってよね。…あんたとの付き合い方、考え直すから｣