「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢あるいはお姉たま｣
リズ｢あ、あなたいったいなにを考えていますの!?｣
ハル｢とても口では言えないコト｣
リズ｢ぎゃ〜｣

〜やっぱり我が家に普通の神姫はいないか〜

「Re:鷲は舞い降りた」

リズ｢あら、なんですの？ 再戦の申し込みなら、いつでも受けて差し上げますわよ｣
ハル｢あ、その…そうじゃ、なくて、さ……その…｣
リズ｢はい？｣
ハル｢お姉様って、呼んでもいいッスか？｣
リズ｢はいぃ〜っ!?｣

ジル｢やったね！ リズ、モテモテだよ！｣
エーファ｢やれやれだわさ｣
レベッカ｢ハッハッハ。これは僕としたことが先を越されたかな？｣
ヒュー｢……………………｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢いやぁまいったまいった。先輩があんなに強いなんて、予想外もいいところだよ｣
リズ｢フフッ。神姫は見かけによらないものでしてよ｣
エーファ｢…自分でそれ言う？ 普通｣
レベッカ｢まぁ、今はいいんじゃないかな？｣
ハル｢あの、さ…。それで先輩に、ちょっとお願いがあるんだけど｣

「Re:鷲は舞い降りた」

エーファ｢それはそれとして、…どうよ？ 今度あたしとバトルしてみない？ 神姫バトルの華！ って言ったら、やっぱ空中戦っしょ？ あんたとなら、気合いの入ったバトルが出来そうだわさ｣
レベッカ｢いや。ここは僕とのロンドが先だね。…パワー対スピード。君も強さの果てを極めんとする神姫なら、ストラーフ型の真のパワー、直に触れてみたいとは思わないかい？｣
リズ｢そ、そんな…。わたくしごときがお二人のお相手をするなど、３年は早いですわ｣
エーファ｢まぁまぁ、い〜からい〜から｣
レベッカ｢謙遜なんて、僕たち二人の間には不必要だろう？｣
リズ｢ああ…。わたくし、今、最高に幸せな気分ですわ……｣

ジル｢リズ、モテモテだね！ …次に会う時も、リズが元気な姿を見せてくれるって、わたし信じてるよ！｣
ヒュー｢……さよなら……リズ…………｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ジル｢うん！｣
エーファ｢え!? じゃあやっぱり…｣
ジル｢リズは正真正銘！ 徹頭徹尾！ 全身全霊！ 普通のラプティアス型だよエーファお姉様！ もう普通も普通！ どこのご家庭にも居る、ごく普通のラプティアス型！ チート能力なんてなんにもない、ごくごく普通のラプティアス型！ 一山いくらの超絶普通のラプティアス型！ 元相棒のわたしが自信を持って、ハッキリキッパリ保証するよ!!｣

リズ｢…………｣

エーファ｢…なにもそこまで力説しなくてもいいんでない？ でも、ま、考えてみたらあたしらのマスターって、チート設定っての嫌ってたしねぇ。普通じゃない神姫なんて、お迎えするワケもないっか｣
ヒュー｢……｣
レベッカ｢つまりあれは、彼女の修練の成果か。…強くなることに貪欲で、しかし決して近道をせず、愚直なまでに努力を重ねた結果の、ね。……僕個人の意見を言わせてもらうなら、お仕着せの設定で強いより、その方が、よほど驚異的だよ｣
エーファ｢まぁねぇ｣

「Re:鷲は舞い降りた」

エーファ｢なによあの強さ？ 圧倒的じゃない。しかも彩夏の芸まで使いこなして｣
レベッカ｢いや。彩夏のひょいとなは、あくまで先読みの技だ。だけど彼女は、優れた動態視力と反射速度によって回避している。さすがは鷲モチーフのラプティアス型だね。…だけど僕が本当に驚いたのは、素体の性能などではなく、恐ろしく高い次元で性能を統制する、彼女そのものだけど、ね｣

リズ｢あら？ そんなに褒めてくださっても、なにも出ませんわよ｣

エーファ｢ちょっとジル。もしかしてリズって、なにか特殊設定のある神姫？ 実は世界を破滅に導く情報がＣＳＣに内蔵されてるとか、ワン･オブ･サウザンドとか｣
ジル｢えっとね……｣

「Re:鷲は舞い降りた」

エーファ｢わぁお……｣
レベッカ｢……驚いたな｣

「Re:鷲は舞い降りた」

リズ｢このバトル、わたくしの勝利で異存はありませんわね？｣
ハル｢……完敗で〜っす…｣

「Re:鷲は舞い降りた」

リズ｢せいっ！｣
ハル｢どはっ｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢うるさーい!!｣
リズ｢のら〜り｣

「Re:鷲は舞い降りた」

リズ｢スピードに対抗して一撃必殺。気持ちはわからなくもありません。ですが剣を両手持ちしてしまっては、盾での受け流しが出来なくなってしまいますわね。ハル、あなたは今、ミスを犯しました。…自慢の攻防一体を、焦りから、自身の手で投げ捨ててしまったのです｣
ハル｢う……｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢背中に目でも付いてるのか、あのトリ！ 冗談じゃない！ あんなスピード、まともに付き合ってなんからんないよ！｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢どわあっとぉ!?｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢剣士のパリィ能力、ナメんな！ フレッシュ(矢)……｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢くのっ！｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢ぅわおぅ!?｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ハル｢な…!?｣

「Re:鷲は舞い降りた」

リズ｢では、参ります。…一言言っておきますが、わたくし、スピードにはちょっとした自信がありましてよ｣
ハル｢バトル前に手のうちを明かすなんて、余裕だねぇ先輩。だけど少しくらいスピードがあったって、剣士型の私の、攻防一体の技の冴えの前には、なんの役にも立た…｣

「Re:鷲は舞い降りた」

エーファ｢ぅおいっす。どしたの？ 今からなにか始まるの？｣
ジル｢エーファお姉様！ あのね、リズがハルにリターンマッチするんだって！｣
エーファ｢へ〜。そういや前にあの二人、バトルしたんだっけか？｣
ジル｢うん！ その時はリズの脳天に剣が刺さって、大変だったんだから！｣
ヒュー｢……｣
レベッカ｢意趣返しはわかるけど、どうしてリズは武装しないんだい？ 剣士型相手に素体での接近戦は、少々リスクが大きいだろう？｣
ジル｢よくわからないけど、前回は武装してたから油断して負けたから、だから今度は素体で勝負するんだって！｣
レベッカ｢いわゆる背水の陣、というヤツかな？｣
エーファ｢さてねぇ。あの娘に、そこまで深い考えがあるとは思えないけどねぇ｣

「Re:鷲は舞い降りた」

ジル｢ねぇヒュー。このバトル、どっちが勝つと思う？｣
ヒュー｢……強い、方が…勝つ…｣
ジル｢そっか。そうだね！｣