「Re:今を越える為に」

ヴェロニカ｢ん？ そうかアリエル、君もついに、この道に足を踏み入れたのか！ そうだ。ゾイドとは、力で従わせるものではない。…心を、通わせるものだ。心優しい君ならば、最強の虫使いになることも、夢では…コラッ。よさないか、くすぐったいぞ。…フッ、このイタズラ者が｣
アリエル｢……もうどうにでもして…………｣

〜蟲姫、誕生〜

「Re:今を越える為に」

アリエル｢あ、あは、あはははは……｣

「Re:今を越える為に」

イリーナ｢どうぞ、ご存分にお召し上がり下さい｣
イレーア｢我らが麗しの虫姫様｣
イリーナ＆イレーア｢だって｣
アリエル｢…………｣
レイテ｢フフ…、懐かれたわね。おめでとうアリエル。あなたは今、限界を乗り越えたわ｣
イリーナ｢良かったね｣
イレーア｢アリエルちゃん｣
アリエル｢No〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!｣

「Re:今を越える為に」

イリーナ｢みんな、どしたの？｣
イレーア｢ふ〜ん。そなんだ？｣
アリエル｢あ、あの…。イリーナちゃん、イレーアちゃん。……その…虫語、できるの？｣
イリーナ｢アリエルちゃん、できないの？｣
イレーア｢こんなの、常識だよ？｣
アリエル｢…………。それでモルガさん、なんて言ってるの？｣

「Re:今を越える為に」

アリエル｢ふみゃ!? これはいったい、何事??｣

「Re:今を越える為に」

モルガズ｢…………｣

「Re:今を越える為に」

アリエル｢く、喰うぞ!? ゴルアァッ!!｣

「Re:今を越える為に」

アリエル｢…私は、最古の血統、アーンヴァルのアリエル。誇りを胸に、天駆ける天使！ ヴェロニカ…エーファ姉さん…レベッカ姉さん……。みんな、私に力を貸して!!｣

「Re:今を越える為に」

アリエル｢ダメ！ 怖い！ 身体が、動かない…。やっぱり私、間違ってたのかな？ レイテの言ったみたいに、もっと、他の方法、考えればよかったのかな？ …私の心、消えちゃうのかな？ ……恐怖に、飲み込まれて、みんなで笑ったことも、怒ったことも泣いたことも、ぜんぶ……私の心、からっぽに………………｣

そんなの、イヤだ!!

「Re:今を越える為に」

アリエル｢ふっ、ふみゃあああああぁー!?｣

「Re:今を越える為に」

レイテ｢……虫雪崩｣

「Re:今を越える為に」

レイテ｢秘技…｣

「Re:今を越える為に」

レイテ｢……最後に、もう一度だけ聞くわね。本当にいいの、アリエル？ あなたの選んだ道は、いちばん辛い道よ。焦らずに時間をかければ、他の方法だって、見つかるかもしれないのよ？｣
アリエル｢…ヴェロニカはいくつもの高い壁を乗り越えて、どんどん強くなってる。だからヴェロニカのパートナーの私も、立ち止まることなんてできない。そんなこと、私自身が許さない。……それと、レイテは、一つだけ、間違ってるよ｣
レイテ｢え…？｣
アリエル｢私の選んだ道は、いちばん辛い道じゃない。…いちばん、正しい道。だからレイテ、私に、なにがあっても……気にしちゃ、ダメだよ？｣
レイテ｢……どうしようもない頑固者ね、あなた｣
アリエル｢ありがとうレイテ。……お願い｣
レイテ｢……ええ｣

「Re:今を越える為に」

アリエル｢それじゃ、行ってきます、イリーナちゃん、イレーアちゃん。……もしも、もう一度、初めましてからやり直すことになっても、その時はまた、お友達になってね？｣
イリーナ｢うん｣
イレーア｢約束する｣
イリーナ＆イレーア｢行ってらっしゃい…アリエルちゃん……｣
アリエル｢………ごめんね｣

「Re:今を越える為に」

レイテ｢ほら、イリーナもイレーアも、アリエルを困らせちゃダメよ｣
イリーナ｢だけど、レー姉…｣
イレーア｢こんなの、ヒドいよ…｣
レイテ｢そうね、残酷だね。だけどこれが、私たちの運命。闘うことを宿命付けられた、私たち神姫の……。だから、二人とも、目を逸らさずに、ちゃんとアリエルを、見送って、あげなさい｣
イリーナ｢うん……｣
イレーア｢わかった……｣

「Re:今を越える為に」

イリーナ｢そんなのヤダよアリエルちゃん!?｣
イレーア｢アリエルちゃんが居なくなったら、ボクたち…｣
アリエル｢ごめんなさい、イリーナちゃん、イレーアちゃん。…けど、私は神姫。自分の進むべき道は、闘って、切り開いていくことしかできない、武装神姫なの｣
イリーナ＆イレーア｢でも……｣