「Re:君の名は」

ハル｢それと、もっと季節感のある名前がいいってんなら、今からでも『ボンクレー(盆暮れ)』と『ガショ(賀正)リーヌ』に改名する？ 実はマスター、クリスと晶にするか、その名前にするかで、最後の最後まで悩んでたみたいだし｣
サン｢なんなら、我らも口添えしてやってもよいが？｣
クリス＆晶｢ヤダ!!｣

〜それはそれでなかなか〜

「Re:君の名は」

ハル｢前から気にはなってたんだけどさ、君たち、自分たちのコト、ココではちょっと浮いた存在だと思ってるでしよ？｣
クリス｢そ、それは……｣
サン｢はっきり言っておく。我が家には、特別な神姫など存在しない。良い意味も悪い意味も無く、それは単なる事実だ｣
晶｢サン…｣
ハル｢エーファさんと彩夏さんも言ってたでしょーが。ここは君たちのウチなんだから、肩の力抜いてていいんだって｣
サン｢エーファ殿と彩夏殿のその言葉に、深い意味など無い。なぜならそれもまた、単なる事実だからだ｣
ハル｢うまくは言えないけどさ…。まっ、そーゆーコトだから｣
クリス｢あ、ああ……｣
晶｢……了解、した｣

「Re:君の名は」

ハル｢でも、君たちは違うって？ そもそも君たち、クリスと晶って名前、どこから来てると思ってる？｣
クリス｢そりゃあ、クリスタルと水晶に決まってるだろ？｣
晶｢我々の武装にちなんだ、シンプルだが良い名。だが……｣
ハル｢クリスマスと正月｣
クリス＆晶｢……はい？｣
ハル｢だから、君たちの名前、クリスマスと正月が元｣
サン｢まったく、マスターの大たわけっぷり、ここに極まれりであることよの。だが、季節に関わりがあるという意味では、我ら、我が家のベルンズらしい名ではあるな｣
クリス＆晶｢…………ぎゃ〜｣

「Re:君の名は」

サン｢まぁ、我ら神姫に、血縁などというものは、そもそも存在しないがな｣
ハル｢だけど私たちって、ベルン･シリーズの姉妹機っしょ？ だったら別にいいんじゃない？｣
サン｢少なくとも我々は、君たちを妹と認識しているぞ｣
クリス｢……姉貴たちはそうでも、ひょっとしたら、マスターはそう思ってねぇのかもな｣
ハル｢なに？ なになになに？ もしかしてそれって、年頃の娘さんがかかるって巷で評判の『私は特別な存在』症候群ってヤツ？ そうかそうか、クリスちゃんにもとうとう思春期がやってきたのか。いや〜、お姉さん、ちょっと嬉しいよ〜｣
サン｢ハル。今の君は、ギトギトに親父臭いぞ｣
晶｢まったく｣
ハル｢黙らっしゃい｣
クリス｢茶化すなよ！ そうじゃなくて…、その、名前のコトなんだけどさ｣
サン｢名前？｣
クリス｢ほら、姉貴たちの名前って、季節に関係あるだろ？ ハル姉とアキ姉は、まんま春と秋だし｣
ハル｢まっね〜｣
晶｢言われてみれば…。サンは『お日様サンサン』のサンで夏。ヒューは『北風ピーヒュー』のヒューで冬、か｣
サン｢まったく、マスターの発想力の貧相さが、如実に表れているな｣
クリス｢だけど、オレたちの名前って……｣

「Re:君の名は」

クリス｢なぁ、姉貴たち。ちょっと、いいか？｣
ハル｢なに？ 君たちも一緒にライダーごっこする？｣
晶｢全力で遠慮する｣
サン｢見ろハル。これが一般的な反応というものだ｣
ハル｢やかましい。だったらなんなのさ？｣
クリス｢ハル姉、それは……。いや、そもそもオレ、あんたのコトを、姉なんて呼んでもいいのかな？｣
ハル｢はい？｣

「Re:君の名は」

ハル｢ブロ〜ンブロロロ〜ン。私は今、風になる〜♪｣
サン｢そんな、いまどき小学生でもやらないような事を…。そもそもバイクならば、変形非変形を問わず、我が家には何台でもあるではないか？｣
ハル｢そこを敢えて椅子でやるのが、ごっこ遊びの醍醐味ってモンでしょが。まったく、サンは真面目なんだから〜｣
サン｢いや、君のフリーダム精神が過ぎているだけだ｣

「Re:君の名は」

クリス｢なぁ、晶｣
晶｢ん？｣
クリス｢ちょっと、付き合ってくれないか？ どうしても、確かめておきたいコトがあるんだ。オレが気にし過ぎてるだけかもしれねぇけど……もしかしたら、スゲー大事なことかもしれないんだ｣
晶｢……わかった｣

「Re:君の名は」

クリス｢……エーファ姉ちゃん、か｣
晶｢焦るな。我々も力を付ければ、いずれ｣
クリス｢いや。そうじゃなくてさ……｣
晶｢クリス？｣
クリス｢…………｣

「Re:君の名は」

エーファ｢あんたたちリーチ短いんだからさ、格闘一本でいくんなら、もちっと上手に、相手の懐に飛び込む方法考えなくちゃダメでしょが｣
イリーナ｢うん、わかった｣
イレーア｢エーファ姉ちゃん｣

クリス｢あの双子をスリッパで……。前々から思ってたんだけどさ、ここのパワーバランスって、いったいどーなってんだ？｣
晶｢謎また謎｣

「Re:君の名は」

エーファ｢天技！ 華麗なるスリッパ!!｣
イリーナ＆イレーア｢ぎゃ〜｣