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from: kieros2005さん
2011/02/02 12:07:34
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『弾き語り』という言葉
弾き語り、って言葉を何気なく使っていたのですが、いい言葉ですね。
まず、なんと言っても、れっきとした「やまと言葉」です。軽薄に sing and play なんて言わずにいて欲しいものです。
弾き、そして語る、これがいいのです。演奏形態にぴったりしています。三味線などでは昔から「弾き歌い」と言ったらしい。
どうだろう?「弾き歌い」と「弾き語り」、どっちがしっくり来ますか?
「歌い」は聴衆がいようがいまいが勝手に自分の歌を歌う行為に見えるが、「語る」は聴く相手の存在を想定していて、やはり弾き語りが一番ぴったりしている。誰が最初に言い出したのだろうか?命名者に座蒲団100枚!
ギターによる弾き語りは、左手でハーモニー(和音)を、右手でリズムを、喉でメロディーを、そして口で言葉を発して音楽にするものだ。4つの要素を操作して演奏するのです。
当然ながら吹奏楽器では絶対無理です。
打楽器もやろうと思えばできないことはないけれど、まあ、叫びやうなりぐらいだろう。ヴァイオリン系の弦楽器も顎で胴体を支えて押さえるので、口が不自由になり無理だ。チェロやコントラバスはできそうだが、余り事例を聞かない。
弾き語りは圧倒的にピアノ(キーボード含む)とギターだろう。しかし鍵盤系は発音と操作系の乖離が甚だしく身体性が薄い楽器なので、余り好きでない。第一ピアノは持ち運びできないし、キーボードは電気がなくちゃ音が出ない。
やはりアコギでの弾き語りが最高です。ヨーロッパではギターの前身であるリュートで吟遊詩人が活躍したし、日本では琵琶法師が平家物語を吟じた。江戸時代でも新内流しが三味線でチントンシャンやって歌っていたから歴史は古く長いのだ。
また、ちょっと似ている楽器にウクレレがある。これだとどうも漫談になりそう。あーあ、やんなっちゃった・・・というあれ。ま、そのほかにもいろいろあるな。まあリズム系だ
カスタネット:ちょーちょ、ちょーちょ菜の葉に止まれ・・・
タンバリン:シャッシャカシャラシャラ・・・・・
三板(沖縄のサンバ):えらいやっちゃ、えらいやっちゃよいよいよいよい・・・
箸と小皿:ちゃんちきおけさ・・・・
やはり、「語る」にはちょっとねー。
音色含めた表現力、手軽さ、ポータビリティ、どれをとってもギターには敵わないのではないだろうか。
ギターの第6弦は84Hzが出る、そこを最低音として、第一弦の12フレットまでで3オクターブの音域幅がある。そこからさらに20フレットまで出るが音域としては十分だ。
ヴァイオリンなどは基本的に1弦づつ鳴らす楽器であって、主旋律のメロディーラインを担当するものだが、ギターは6弦全てを同時に発音できるので和音を構成できるのだ。
ここが三味線とちょっと違う。
ピアノは10本指すべてで和音を出せ、音域もはるかに広く、その厚みにはかなわないが、まあこれは仕方がない。その優位性を認めましょう。
ピアノに対しては弾けないひがみもあって、悪口を言うのだが、ピアノは、例えばドとレの間の音が出せない。全て音はかっちりと決められており、その間の音は存在しないのだ。だからポロンポロンとしか音が出ず、音の配列がデジットである。ギュィーン!というようなうなるようなこぶし回しができない楽器なのである。このうなるような、あるいはすすり泣くような、メロディーはヴァイオリンには決して敵うまい。
弦楽器は鍵盤楽器に比べて原始的で、身体性が強いので、弾き方で表現の幅が大きく違うので、演奏の難しさもそこにある。
ん?で、何の話だっけ?あ、そうそう、弾き語りという言葉についてだっけ。
「弾き語り」という言葉を発見(発明か?)した人は、「歌い」ではなく「語り」にしたことに意味を込めたのだ、と思う。
エレキギターでガンガンやるのは「弾き歌い」かもしれないが、「弾き語り」ではないような気がする。弾き語りはやはり、アコースティックギターで電気増幅無しで、生声でやるのが理想だと思うのだが、、、。
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