kierosです。

ふとしたことから、市の社会福祉協議会から依頼されて、市内14箇所の公民館で高齢者向けライブを行うことになった。介護予防の事業だという。要介護者に至る前に生きがいを持ってせいかつしてもらおうとの企画らしい。それはともかくギター弾き語りで昭和歌謡なんぞをやっているらしいといううわさを聞きつけて依頼が舞い込んだというわけだ。
ボランティアですがいいですか？謝礼は出ません、と、ややくどいので、タダでけっこうです、ゼロ円です、謝礼は要りません、と何度も答える始末だ。よほど運営の費用が厳しいのだろうな。

てなわけで昨日から開始し、今日で2回目、今週はあと２回ある。
ギター２本と、楽譜と、スタンド、屋号プレートの入ったバッグを担いでエンヤコラと運ぶのさ。
PAは使わない、と決めて出かけたら、昨日の最初は体育館だった。ギョ、話が違うなー。

声がぜんぜん通らん、ギター・・・しょぼい！うーむ、どうするか、ええい、ままよ！
イケイケ。

昭和歌謡で老人ホームで使う演奏曲目バージョンを使います。

夜のプラットホーム
汽車は八時に出る
　この２曲は出征兵士を送る悲しみをテーマにして
　戦中の服部良一の発禁と戦後の発表
明治一代女
むらさき小唄
小雨降る径
　ドイツタンゴからシャンソン化した歌謡曲
　昭和１０年のラジオの普及率と音楽ビジネスの勃興、歌謡曲の隆盛

りんどう峠
逢いたいなぁ、あのひとに
　日本の里山の美しさ

波止場だよ、おとっつあん
東京だよおっかさん
　放送自粛と船村徹シリーズ

かえり船
里の秋
　帰還兵士と待つ家族の心情
　また、帰還船の検疫と女の身投げから避妊具の許可

叱られて
　奉公に出された少女の辛さと実家を思う子守唄

石狩挽歌
　笠戸丸の運命と鰊漁の盛衰と小樽周辺の地理

こう言う話題をちりばめて歌に入っていきます。するとみんな話に引き込まれていきます。
ニシンをカドというのはこちらの人はほとんど知りません。
カドの子が数の子です、といって始めて納得するようです。

このようにひとつの演奏のよしあしだけでなく、ライブのストーリー性というか「流れ」が大切だと思うようになりました。

つらつら思うに、昭和３０年あたりの歌謡曲の音楽レベルは高かったと思います。

今日（２回目）では、ひととおり演奏が終わってから、アンコールでシャンソンも聴きたいというので、アダモの「愛はあなたのように」とグラシェラ･スサーナの「アドロ」をスペイン語を混ぜて歌いました。気持ちよかったね。

また、報告するよ。