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from: ☆(⌒杰⌒) AMA-G'ですさん
2009年05月19日 17時07分33秒
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商店街の九州居酒屋で、キビナゴに舌鼓のあの頃
そんなこんなで
★(⌒杰⌒) AMA-G'です
いまでこそ、外…つまりお酒を出すお店などには
ほとんど行くことがないが、
大学卒業後に就職した関西地方・N市の会社の
帰り道には、よく居酒屋に通ったものだ。
当時、年商100億くらいの企業だったが
いまは自己破産して存在しない。
私鉄K駅が会社の最寄り駅なんだけど
会社への行き帰りに必ず
雑多な業種がひしめく商店街を通らなければならない。
朝方や日中はどうってことはないが
退社して帰る時分には、どうしても暖簾を上げた
飲み屋街に進路が片寄り、
ついつい引っかかってしまう。
独身時代の安直な生活設計だから
自炊して節約しようなんて殊勝な考えはなく
当時F銀行に規定以内の金額なら
翌月返済すれば無金利で借りられる便利な小口のローンがあり
飲み代をちまちま前借りしては、翌月返済する、などという
いまならとても考えられない
自転車操業を平気でやっていた。
新卒の新入社員が
自分の稼ぎで酒を飲むようになって
一時期はまったのが、そのK駅前の
九州居酒屋だった。
店主がそちらの出身とかで
毎日、九州方面の新鮮な魚貝が入荷する。
その店で初めて食べたのが、「きびなご(吉備女子)」の刺身だったね。
うまかった、これが実に…しかも安いときてる。
青く銀色にびかびか光る背中は
見た目にも新鮮そのもの。
山間の田舎町に育ったAMA-G'は
魚といえば、秋刀魚の開きか粕漬けや
たまのぜいたくにスジばった鮪の赤身くらいというレベル。
そんな口に、きびなごの刺身はまさに新鮮な驚き。
なにより、一緒に、焼酎のお湯割りなんてのを飲み覚えたもんだから
会社が終わった疲れた身体に、暖簾越しにのぞく店内は
誘惑以外のなにものでもなかったね。
きびなごの薬味はなんだったろう?
青魚だから、しょうが…ではないな
まさか、ニンニク…ちがうような。
なんしか、
好きで、いつもそれを肴に焼酎を飲んでいた。
その店は、店主の腕がいいので、
小さなきびなごは小骨がていねいに処理され
それ以外の
食べるものも何でもうまかった。
この店がらみで、いまでもいくつか思い出すことがある。
就職して配属された部署の遊び好きな先輩と
「男の浮気」について熱く語り合ったり
酔ってしゃべった、勤務する会社の社長令嬢の結婚式
に関するぼやきが、社長の奥さんに筒抜けになっていたり、
小口ローンを借りている銀行の支店長とたまたま同席して
いつも借りてくれてありがとうなんて言われてみたり
とにかく、良く呑んでいたな。
たまーに、
会社の先輩が大きな街のスナックに連れて行ってくれて
その時ばかりは、金欠のダサダサ山出しの兄ちゃんも
ホステスにちやほやされたことも
いまでは、はるかかなたの、夢物語のようだ。
「きびなご」は、ごくたまーに、
近所の生協にも入荷するが
なぜか、その食べ方も、美味しさもよくは思い出せず、
家人から不評を買ってしまう。
だいたいが、
昔、食べたり飲んだりしたものって
みんな美しく美味だよね。
そして、大人になって
妙に懐かしくなり、つい食べてみるんだが
あのころの半分も美味しくなくて
妙にがっかりしてしまう。
すごく美人だった中学時代の生徒会副会長に
偶然であったら、なんだか普通のおばさんになっていて
がっかりするよりも、あこがれていたあの時の時分の
審美眼に、ひどく自己嫌悪を覚えてしまうような、ものか。
病気の時に食べたバナナや
チクロ入りのあめ玉、合成着色料一杯の駄菓子…
アテくじでカップ数が変わるポップコーン、椿の葉ですくって舐めたただの白砂糖…
すぐ脇を私鉄の線路が走る、1Kのアパートには
ベッドもクロゼットもない。
貯金は社内預金の3,000円のみ、吊しのスーツが1着切り。
それなのに、なぜか呑むお金だけはひねり出していた。
そんな、AMA-G'の三十年前のお話さ。
※Pho.「きびなごの刺身」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』-
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