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  • from: ☆(⌒杰⌒) AMA-G'ですさん

    2009/10/22 18:11:22

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    会社案内制作記〜四条河原町のタンシチュー〜


    造り酒屋の会社案内を作る 〜その2〜
    ★(⌒杰⌒) AMA-G'です

    ワシが弱小広告代理店時代に
    制作を依頼された、地元の造り酒屋(以下、K社)の会社案内。
    入社案内としてリクルーティングに使われるそれは、
    就職希望の学生に配布されるものなので、
    K社に関心を持ってもらうためにいろいと工夫が必要だ。

    会社案内を作る場合、
    限られた予算の中で制作するため、
    たいていは、
    少しでもインパクトのあるものを作りたがる。

    学部・学科に関係なく、無差別に配布するのであれば
    それでもいいのだが、
    ある程度、ターゲットが絞られているならば
    彼ら彼女らが興味を引くものでなければならない。

    造り酒屋の入社案内制作に際し、
    ワシが見つけたキーワードは〝味蕾(みらい)〟だった。

    〝味蕾(みらい)〟とは、
    人間の舌や口腔の上部にある、
    食べ物の味を感じる小さな器官であり、
    その数、約1万個といわれている。

    会社案内や入社案内を制作する場合、
    その全体を貫くテーマは
    できるだけ色々な解釈・展開ができるものが良い。

    例えば、
    〝味蕾〟の場合はこんなふうに展開できる。

    日本酒の美味さを感じるのは舌の味蕾だ。
    酒の美味さをどう感じるかは、その人の味蕾次第。
    同様に、就職先として企業を選ぶ際にも
    じっくりとその会社の中身を調べ(味わい)なくてはならない。
    その味わいが本当に自分の意図するものであるかどうか
    あなたの〝心の味蕾〟で当社を利き酒してみてください。
    …みたいな。

    さらに、
    〝味蕾〟という聞き慣れない言葉だが、
    どこか耳なじみのよい単語であり、
    実は日本酒との関わりにおいて重要であることを
    知らせることで、その発見をきっかけに
    一見地味なK社という企業への興味・関心を喚起する、
    という仕掛けにもなっている。
    *Pho.出典→「素材辞典」より。舌といえば、やっぱタンだよね。
    京都・河原町の洋食屋で食べたタンシチューは美味かったなー。

    キーワードが決まると、
    入社案内全体のページ構成をざっくり考える。

    ページの流れを起承転結でつくる場合もあるし、
    イントロ→間奏→エンディングのようなディティールで
    ページネーションを組み立てるケースもある。

    K社の場合、
    まずはオーソドックスに起承転結でいくことにした。

    起では日本酒の起源を〝サル酒〟から書き起こす。
    日本酒の始まりを生真面目に説明せず、
    サルが木の実を木の洞に隠しておいたのが発酵して酒になった、
    つまり、〝ギャートルズ〟のサル酒を説明するノリで読み始めて
    もらうというアイデア。

    承では、日本酒の製造工程を
    K社の酒蔵を取材・撮影した素材を元に解説していくが
    ただ普通に紹介したのではつまらない。

    そこで、
    「精白」「蒸米」「麹づくり」「醪仕込」「圧搾」などの
    各醸造工程をK社の人材育成や昇格ステップアップに
    なぞらえて、並行させながら説明することにした。

    つづくページでは、
    杜氏を登場させて、
    日本酒造りのインタビュー記事を掲載。

    これも単なる談話ではなく
    理系学生向けに、
    日本酒づくりが、いかに長い時間をかけて
    先人の知恵にもとづいて
    行われているかということと、
    それがまた如何に化学的な裏付けをもつものであるかを
    訴求することにしたのだ。

    さらに、
    入社案内では定番である、
    先輩からのメッセージでは
    社内から著名大学卒の社員を選抜して、
    こんなローカル企業であっても
    優秀な学生が入社していることをPRした。

    ところで、
    会社案内にしろ入社案内にしろ
    パンフレットの表紙というのは
    お見合いの第一印象みたいなもので
    かなり重要なパーツである。

    この時は、
    蛇の目の利き酒猪口に日本酒を注いだものを
    いくつか並べて真俯瞰(真上)から撮影し、
    味の五味、【酸】【苦】【甘】【辛】【塩辛い】の説明と
    からめてデザインすることにした。

    となると、
    表紙の写真撮影ということになるが、
    物撮り(商品撮影)というのはけっこう手間暇のかかるもので、
    依頼するカメラマンも、じっくりと付き合ってくれるような人で
    なければならない。

    当時、
    ワシがよく依頼していたカメラマンは
    4〜5人(社)いたが、K社のバンフでは
    いつも無理を聞いてくれるH氏を起用。

    リアルさを追求するワシは
    K社の人事担当に、撮影で使用する〈純米吟醸酒〉を依頼。
    〝酒のカタログじゃないんだから水でもいいんでないの〟と
    いうのは素人のあさはかさ、はまやらわ、である。

    単なる水と日本酒とでは当然比重が違う。
    比重の違いは質感の違いでもある。

    さらに、蛇の目猪口を使うなら色味にも留意しなければならない。
    かつ、せっかく日本酒そのものを撮影するなら
    撮影後にぜひ味わいたいではないかσ(^◇^;)

    当時はまだプロユースでも、デジカメ撮影が一般的ではなく、
    ポジフィルムで撮影していたのだが、
    ポジフィルムの特性上、吟醸酒の色味である薄グリーン色は
    表現しづらいというデメリットもあった。

    しかし、
    ワシが純米吟醸酒にこだわったのは
    (自分たちが飲みたいことはもちろん)K社の自信作である
    極上の吟醸酒を
    表紙に使いたいという思いもあった。

    いよいよ、
    K社より提供の純米吟醸酒1.8リットル二本と、
    蛇の目利き酒数個をH氏のスタジオに持ち込み
    表紙のイメージ写真撮影がいよいよ開始された。

    〜その3〜につづく

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