小沢が、普天間移設問題について、「辺野古の青い海を埋め立るのは忍びない」などと発言して、またまたブレている。
　ここで浮上したているのは、伊江島、下地島だが、前者は住民の反対が強いこと、後者は沖縄本島から３００キロもあることから、米軍が難色を示して、過去に検討されたがボツになったものである。
　下地島の問題は、厚木の飛行訓練を硫黄島に移すことになっているにも拘わらず、遠隔地であることを理由に、相変わらず厚木での訓練が主になっていることを見ても、現実的ではないことは明らかだ。
　普天間移転は大前提であるから、ここまで検討を重ねれば、これ以上の思案はムダであり、辺野古に決着させることが、最善策といえるのではないか。
　これ以上の先送りは、鳩山内閣の優柔不断さを更に印象告付けることになるだけである。
　村上新八

　小沢は、２９日、都内の料理店で、民主、社民、国新の幹事長、国対委員長と会食、その席で、来夏参院選で民主党が過半数をとっても、連立内閣は維持する、と述べた。
　その意図は、参院選での選挙協力を得ること、もっと正確に云えば、社民、国新が消滅しないように頑張って、民主候補当選の妨げにならないようにするためであろう。
　鳩山内閣の足を引き、支持率を低下させてきた、原因の大半は、この寄生２党にあるのである。
　日本郵政のトップ３人に官僚ＯＢを据えて、民主党公約の「脱天下り、わたり」違反を問われた事案や、普天間基地問題でずるずる決定を引き延ばし、日米同盟に皹を入れてしまった社民の福島党首の県外、国外移転への固執問題もそうである。
　民主党は、心底うんざりしているはずだし、宇宙人鳩山もそんなに辛抱強くはないと思う。連立が必要なくなれば、政策運営がすっきりするはずだからである。
　村上新八

　民主党小沢幹事長の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金報告は疑惑だらけだ。
　９９年と０４年に、あわせて１０億円に上る不動産を取得している。が、この資金収支は政治資金収支報告に記載されていない上、その取得資金は定期預金担保に銀行から借り入れた、と言うが、借り入れ前に代金の支払いを行なっていたり、そもそも定期預金のカネの出所が不透明であるなど、疑惑だらなのだ。
　カネの問題だけではない。陳情の窓口を幹事長室に一本化し、陳情者には民主党支持を条件とするようなことをほのめかせるなど、政治取引と思われても仕方がないようなことをやっているようである。
　「政治は選挙が命だ」というのが小沢の持論だが、これは「政治は力なり、力は数なり、数はカネなり」を信条としていた田中角栄そっくりである。「政治は力なり。力は選挙で勝つことなり、勝つためにはなんでもやるなり」と置き換えられるからである。それこそ「田中角栄の背後霊」である。
　こういう古い体質に支えられた民主党政権は「チェンジ」とは無縁の実態であると云わざるを得ない。
　村上新八

　２５日米航空機内で発生した、ナイジェリア国籍の青年によるテロは、ボヤだけで済んだが一つ間違えば、大惨事になっていたテロである。
　しかも、その手口は極めて精巧で、いままでにはなかったやり方であるという。
　これを、セキュリティが見逃したのは、セキュリティの怠慢によるものではなく、想定外のやり方であったので、チェックできなかったものである。
　この種の新手口によるテロは、益々増えてくるであろう。テロの手口の新手化とセキュリティ防衛の関係は、当然、前者が後者を先廻りすることになるのであるから、セキュリティでテロを完封することなどは不可能である。
　セキュリティ頼みではテロは防げない、という認識をもった抜本的なテロ封じ込め策は、思考を変えない限り出てはこないのだ。その兆候はまだ何も見えていない。
　このままでは、大規模テロの発生は必ずあると思う。
　村上新八

　自己資金３０６億円、実母からの政治資金提供１２億円、途方もなく膨大な金額である。
　鳩山は、秘書二人の告発を機に、記者会見を持ち、その状況について説明し、国民に詫び、今後の資金管理についての透明化の方策を述べ、実母から提供されたかねについては、贈与税を支払うと約束した。
　鳩山のこの弁明については、ウソはないという心象を持った。その点では説明責任は果たしたと言える。
　しかし、問題は、このカネをどこにどのように使ったのかが明らかでない点である。
　このカネは、鳩山の政治活動に使われたことは間違いないのであろう。とすれば、どんな政治活動をやり、そのためにカネが要ったのかくらいは、鳩山もある程度は記憶しているはずである。
　勿論、検察も、秘書の横領という可能性も視野に入れて捜査をしているはずだから、掴んでいるであろうが、検察がそれを公表するわけにはゆくまい。が、秘書も在宅起訴で家にいるのだから、何らかの方法でその使途を掴み、これを説明すべきである。
　これが鳩山の次なる説明責任である。
　村上新八

　民主党マニフェストの大きな目玉の一つである、官僚の「天下り」「わたり」禁止の問題はその後どうなっているのか、それが今回の予算編成の「事業仕分け」の成果とどうつながるのか、つながらないのか、さっぱり見えてこない。
　この問題は、９２兆円の過去最大予算、４４兆円を超える過去最大の国債発行や歳出が歳入の２倍を超える過去最大の借金比率等など陰にかくれてしまったのか。
　あるいは、日本郵政の社長、副社長への官僚ＯＢ起用のマニフェスト違反で尻つぼみになってしまったのか、両方が影響しているのかどうかは、分からないが、どうも陰が薄くなったように思われる。
　その一方では、官僚は、人件費でなく、経費扱いで済む「嘱託」という形で、年収６００万円以上の「天下り」「わたり」の官僚ＯＢを、現在分かっているだけでも１００名を超える不当人事をやっているのだ。
　この問題の政府としての態度、方針を明らかにすべきである。
　村上新八

　２４日、鳩山は緊急記者会見で、政治資金報告虚偽記載の件の弁明を行なった。資金自体は不正なものではなく、鳩山家から出た資金であるから、悪質な問題ではないし、鳩山も知っている範囲のことを精一杯正直に話していたという印象をうけた。
　が、我々庶民とは違って、親譲りの桁違いの財産を持っている別世界の人なら「こういうことにもなるのかなあ」という感じだけだ。
　それにしても、その12億円というカネの使途はどうなっているのであろうか。
　鳩山には分からないとしても、秘書は知っているし、何が記録しているはずである。そうしないと、管理責任を果たせないからである。
　また、検察も、秘書の横領ということも考えられるから、使途は調べているであろう。
　鳩山の弁明は、その使途が明らかになり、その使途にも不正がないことが判明するまでは、一件落着とはゆかないのである。
　村上新八

　普天間基地が海外に移転するかも知れない、という情報で、北朝鮮が喜んでいるという。
　金正日は、対米不安神経症があり、絶えず金正日体制がアメリカによって攻撃されるのではないか、という不安に苛まれている。
　金正日が、アメリカとの平和条約締結を切望し、それを６者協議再開の条件としているのもこの不安神経症のなせる技である。
　だから、北朝鮮に近い米軍基地が一つでも少なくなることは大歓迎なのであろう、とも考えられる。
　あるいは、核爆弾やミサイルで日本を脅すにのに、米軍がいないほうが効果的だ、とでも考えているのかも知れない。
　金正日に、日本に対して武力攻撃を仕掛けてくる勇気があるとは思えないが、健康面で余命にかげりが見えているから、自分の死の道連れにしょうと、核攻撃を命じるかも知れない。
　北朝鮮の人民の幸福など考えているような奴ではないから、その可能性はないではない。
　その点も普天間問題思案のポイントの一つではある。
　鳩山の長考思案、「下手な思案は休むに似たり」にならなければよいが。
　村上新八

　普天間問題を巡って、鳩山は、オバマ来日の際にはオバマと会談し、ＣＯＰ１５の会場ではヒラリ－国務長官と立ち話をしている。
　その際の相手の感触について、鳩山は、かっての日米合意とは違う自分の考えに、相手が理解を示してくれた、と述べていた。
　しかし、これは大違いであったのだ。オバマもヒラリ－も、日米合意を守って、名護市の辺野古への移転が承認されるものと思っていたのだ。鳩山の感触は大間違えであったのである。
　先日のコペンハ－ゲンのＣＯＰ１５でのヒラリ－との立ち話についても、鳩山が記者らに語った「理解してくれた」という発言に慌てたヒラリ－は、休日にもかかわらず、駐米日本大使を国務省に招き、「鳩山の話は違うよ」と異例の注意を促した、という。
　これらの事実をみると、鳩山は会談した相手の心が読めていないことが分かる。この判断の誤りは、相互の信頼関係が重要な外交面では大変憂慮すべきマイナスである。
　このような「読み違え」を是正する手を早急に考えるべきである。
　村上新八

　鳩山は、マニフェストで公約した、暫定税率の廃止を一旦行い、その後環境税としてほぽ同率の課税を行なうことを考えている。
　しかし、一旦廃止して、又復元するのは昨年の、参院で否決、衆院で再可決したときのような混乱を招くことになる。
　それを避けるために、暫定税率は、そのまま名称を変えて「環境税」とする方が混乱は少ない。
　道路特定財源とする暫定税率は、目的が代わったから、当然のこととして止めるが、２５％削減目標を達成するためのＣＯ２削減のための特定財源としての環境税に変える、とすれば筋は通るのだ。
　野党自民党は、マニフェスト違反として、ここぞとばかり攻撃してくるであろうが、受けて立つしかない。
　自動車の燃料だけに「環境税」を課すのは問題だ、という議論は当然出てくるが、それなら「自動車燃料環境税」とし、今後他のＣＯ２排出関連消費にも環境税を課すことを追加すればよい。
　すべて、混乱をできるだけ抑制し、ＣＯ２削減対策に財源を回すためである。
　村上新八