世界同時不況を脱出すべくＧ２０会議が開催され、共同声明が採択された。
　そのポイントは、「世界経済成長回復のためにうらゆる手段をとる」「大規模な景気対策を実施」「財政の持続性を維持する」「ＩＭＦの資金基盤と融資枠を拡大する」「アジア開発銀行の増資をする」「保護主義は認めない」「ヘッジファンドは、登録制とし、監視する」「金融機関に自己資本の積み増しを」ということで、いままで各国がやってきたことの総まとめみたいなものであった。
　これでは、傷に絆創膏を張り付けるだけである。
　景気回復の基本は需要増である。しかし、先進国の需要は、一応のものは皆持っているから、買い替え需要くらいしかないし、後進国は、買うカネがない状態で需要増は急には期待できない。
　８０年前の「世界恐慌」のときは、結局第二次大戦という莫大な需要で経済的には景気回復ができたのだが、いまはその手は禁じ手である。
　結局は、今回の不況は、絆創膏対応しかないから、環境改善だのグリ－ン・ニュ－ディ－ルと言っても、需要増、景気回復にはうんと時間が掛かることを覚悟して掛からねばなるまい。
　村上新八