アジアには二つの問題児国家がある。北朝鮮とミャンマ－である。
　十年以上前に行なわれた民主的な総選挙で、アウンサン・ス－チ－率いる「自由国民連合」が圧勝したにも関わらず、その結果を否定し、それ以来、ス－チ－を自宅軟禁したまま、政権に居座り、強権統治を行なうばかりか、憲法改正を強行して、永久に政権の座に居座り続け得るようにした、ミャンマ－の軍事政権は、稀代の悪政権だ。
　いまひとつの北朝鮮は、今更言うまでもない、周知の通りの「ならず者国家」「テロ支援国家」「人権否定の最低国家」である。
　この二国に対しては、中国とロシアを除いて、世界中から非難の的になっている。
　この２国を庇おうとしているのは中ロだけだが、この2国と中ロの４カ国には、共通項がある。
　それは、独裁帝国的国家、基本的人権無視、政府非難の政治勢力とジャ－ナリズムの完全圧殺、この三つである。
　その悪の実態を知りながら、犬の遠吠え並みに、遠くで吠えるだけで、何も有効な手を打てない国連ではどう仕様もないのだ。
　国連が崇高で、立派なのは、その「理念」だけで、中身はガランドウの「張りぼて国連」なのである。
　村上新八