民主党は都議選で大勝し、この勢いをかって総選挙で政権交代に一挙に持つ込もうという勢いだ。
　この追い風の発生源は二つある。
　その一つは、オバマの大統領選でのスロガン「ＣＨＥＮＧＥ｝である。その成功に乗って、日本も超長期にわたる自民党政権をチェンジする時期であるというム－ドが国民に浸透したということはあるであろう。
　いまひとつは、麻生の経済回復に対する自信過剰である。本来は麻生は、福田に変わるピンチヒッタ－としての選挙管理内閣のための総理として登場したのだ。
　だから、そのまますんなり解散して、総選挙をやり、そこそこ多数をとってから、首相の仕事にとりかかるべきであったのだと思う。
　しかし、彼は、「今は選挙なんかやっているときではない。経済の立て直しが優先だ」「オレは経済のプロだ、世界金融危機に苦しむ日本経済を最初に立て直してみせよう」という自信過剰から、本格的な首相の気持で経済回復に取り組んだのだ。
　それがうまくゆくかどうか分からないうちに、衆院任期切れが近づいて、時間切れとなったのだ。そのために焦ってバタバタしたのが信用を損なうことになったのである。
　いまになっては、自民党の起死回生というところまでにはゆくまいが、「こういうことを続けてゆけば、経済は回復する」というシナリオでもきちんと示せれば、自民の敗北度合いを少しは減らせられるとは思うが。
　村上新八