核開発に全力を傾注しているイランは、それを守るために、ＩＡＥＡの総会に「核施設の攻撃を全面的に禁止する」決議案を提案している。
　これは、イランの核開発を目の上のたんこぶ視するイスラエルが１９８１年にイラクの原子炉を空爆したり、後には北朝鮮の指導でシリアが建設中の原子炉をロケット攻撃で破壊した前科があることを考え、イランの核施設を、イスラエルの攻撃から守ろうとするための企てである。
　しかし、自国に不利な国連決議なぞは守った試しがないイスラエルが、仮にＩＡＥＡがそんな決議をしたとしても、これに従うはずは絶対にあり得ないのだ。
　その前に、そんな決議そのものが、米国やＥＵの反対によって採択されることはあり得ないであろう。
　村上新八