ＴＴＰとは、パキスタン北西部の部族地域に潜在して、アフガンのタリバン勢力を支援している武装勢力「パキスタン・タリバン運動」の略である。
　パキスタン軍は２８０００の兵力を投入して、これに総攻撃を加えようとしている。
　しかし、住民のなかに紛れ込んでいるＴＴＰは、３０００メ-トル級の険難な山岳地帯の利を活かし、住民を盾にして抗戦するから極めて攻めにくい敵である。空爆など、激しい攻撃をすれば、住民の犠牲が増え、政府が怨みを買うことになるのだ。
　そのために、手心を加えれば、敵の逆襲に耐えられず、敗退することになるのである。何回もこの手でパキスタン軍は敗退の憂き目に遭わされているのである。
　住民が戦いに巻き込まれまいと、避難しようとすれば、ＴＴＰに殺されることになるから、それも出来ない。そこがＴＴＰの強みなのである。
　今度の総攻撃も失敗に終わるであろう。そのときに、改めて、テロとの闘いが武力だけでは解決しないことを、思い知らされるのであろう。
　村上新八