実質９７兆円にのぼる概算予算削減の作業をオープンにしたことは良いが、どうも主婦のやる「やり繰り算段」みたいになってきているように思われる。
　鳩山は、野党時代に、自民政権の予算は「ムダが多すぎる」と攻撃し、民主党政権になったら、このムダを徹底的に退治すると言っていたのを忘れてもらったら困る。
　ムダ廃除を標榜する行政刷新会議では、「事業仕分け」グル－プを編成して、本格的な予算カット作業に入るようである。
　時間がないからやむを得ないが、「ムダ」の基準もはつきりしていない、各グル－プの恣意的な判断任せである。
　なかには、雇用促進事業とは言いながら、法の規制で「就職先の斡旋は出来ず、ただ、面接の仕方だの履歴書の書き方だのくだらない指導しかしないから、全く、開店休業の事業もあるが、こんなムダの例は稀なのだ。
　本当は、下請け発注、随意契約、法外な契約価格、遊び出張、から出張などにムダが潜んでいるのだ。
　これをいちいち探し出すことは容易なものではない。そんなものは、今回は、たとえば、経費削減１５％の一律指示で押し通せばよいのである。
　そういうことをしないから、主婦のやるやり繰り算段みたいなちめちめした削減になり、官僚が舌を出して「ざまみろ、オレたちの鉄壁は崩せなかっただろう」ということになるのである。
　村上新八