一昨年は北京で「オリンピック」今年は上海で「万博」と、中国は、国家ＰＲに熱心である。
　しかし、もう「万博」の時代ではないと思う。
　「万国博覧会条約」というものがある。そこでは万博を次のように定義している。
　「ニ以上の国が参加した公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明が必要とするものに応ずるために人類が利用することができる手段又は人類の活動の一もしくはニ以上の部門において達成された進歩もしくはその部門における将来の展望を示すもの」
　かび臭い文言であることは止むを得ないが、稀代の悪文である。これ以上下手くそな文章はなかろう。が、これが万博の原点なのだ。
　地球が狭くなり、ＩＴ化され、グロ－バル化されている今日の世界では「万博」は、とっくに時代遅れの、かび臭い代物になっているのではないか。こんなものに世界から人が集まってくるとは思えない。
　上海万博は、中国国内の統一強化を狙いとする、内陸少数民族への見世物に過ぎないのであろう。
　それにしてもカネがないから見物にもこられないだろうが。
　村上新八