安保法制が可決されたら、自衛隊海外出動の機会が増え、戦闘の場に近づくことが多くなるのだから、それに伴ってリスクが高まることは当然である。
　これに対して、中谷防衛相は、「リスクは今途と変わらない、自衛隊員のリスク最小化には全力を尽くす」と述べていた。これは常識を無視したウソである。これは後に野党の追及で訂正されたが。
５集団的自衛圏発動の理屈はどうにでも付く
　集団的自衛圏発動は「我が国の平和安全、国民の命と幸福追求の基板が根底から覆えされる明白な事態になったとき」というような条件があるが、こんな理屈はいかようにも付く。
　大平洋戦争開始の屁理屈でも分かるように、そんな理由付けはどうにでもなるのだ。
６集団的自衛圏は必要最小限で行使するというウソ
　必要最小限の定義も限度もはっきりしないし、させられないのだから、こんな条件付けは有名無実である。
　「他に方法がないとき」というのも有名無実の条件である。他の方法とは外交努力であろうが、どれだけ外交努力をしたのか、しなかったのかは政府の恣意的な判断になってしまうからである。
７アメリカの戦争に巻き込まれないというウソ
　後方支援であれ、米艦に対する攻撃支援であれ、敵から攻撃される機会をつくることになるから、いつの間にか戦争に巻き込まれるリスクは高くなるのは当然である。そこで自衛隊だけ撤退するなどは、敵前逃亡になり、絶対に許されない。
　
　要するに、安保法制案は、違憲隠しのための無理な屁理屈の塊でこねかえされている代物で、そのために国民にはこの上なく、分かりにくい法案になってしまっているのだ。こんな法案は即刻廃案にすべきである。
　村上新八