それは、緊急事態のときに、政府が迅速、的確に対応できるル－ルを憲法に規定しておこうという、誰も反対できないようなものだから、それならと、すんなり改憲に応じるだろうという思惑で企てられている。
　そこがくせ者なのだ。緊急事態かどうかの判断は閣議で決定されるから、内閣にお任せだから、恣意的にやられる可能性があるし、一度、緊急事態のが宣言されたら、総理の権限が強化され、何でも総理の一存で決められるとか、議会は、任期如何に拘わらず宣言停止まで固定されるとか、国民の人権は停止され、内閣の意のままに動かされる等々、独裁、強権政治が施行される等々民主主義は停止されることになるのだ。
　勿論そんな中身は隠して、漠然とした規定で提案されるのだろうが、緊急事態の規定を憲法に盛り込もうとする動きには警戒しなければならない。
　緊急事態への対応は、憲法てはなく、通常の法律で、公共の利益と私権のバランスを慎重に判断して規定すればよいことである。
　それを緒にして、改憲の橋頭堡を築こうとする阿倍の奸計に乗ってはならないのだ。
　村上新八