豊洲問題で自ら望んで記者会見を開いた石原慎太郎だが、「前々都知事時代からの既定事項だとされていたし、自分は技術的なことは分らないから、専門職制や外部の専門家の意見に従って、手続きに従い最終的に裁可したものである。その意味では責任は都庁の全組織と議会にもある。自分だけの責任ではない」と主張し、更に「専門の技術者や学者が安全だと云っている豊洲を使わないで、業者を放置し、莫大な維持費や賠償金を支払っている現都知事の責任は重大だ」と述べた。
　それは間違いなかろうが、いかにも肝っ玉の小さい男である。
　よけいなことは云わないで、自分が裁可した手続き、経緯と都知事としての最終的責任だけを述べるだけで十分だったと思う。
　記者会見に臨む心境を問われて「果たし合いに臨む侍の心境だ」とか「座して死を待つより、云いたいことを云わせて欲しい」などと大仰なことを云ったのもこの肝っ玉の小ささによるものである。
　村上新八