雑誌や本でその存在を知っており、でも店頭でも並んでいなくて、聴きたいと思っていたところ、ＨＭＶの検索でヒットして、今聴いています。
　ＲＣＡ原盤ですが、何やらランドフスカも同曲を録音していて、重なるとまずいから、本人の了承を得て、録音から４０年後にＣＤになったという、可哀想なＣＤです。ＳＰ録音という事情もあっとようです。盤６枚ですから。

　いまどき、例えばＳＯＮＹならグールドがあるのに、ペライヤをだし、すぐにシュタッフェルトと、特に後２名は発売時期がそう離れていないので、ペライヤは、いい気がしなかったでしょうね。

　アラウの演奏は、昔の録音とも思えないほど、状態も良く、奇をてらわない正攻法です。
　アラウは、リストやヴェートーベン弾きとして有名ですが、若いころは、バッハも積極的に取り上げ、よくこなれた、良い演奏です。いわば、バッハのピアノ演奏のさきがけなのですが、４０年も眠らしていたことは、理解に苦しみます。
　
　非常にスタンダードな演奏です。むしろケンプの方が、装飾音省いたり、型破りです。先にあげた、シュタッフェルトなど、繰り返し部分で、音をオクターブあげたり、そこまでして気を引きたいかとさえ思いました。

アラウは、ペダルも踏まずに歌いあげています。その点、ニコラーエワは、ペダルを使用し、現代のグランドピアノの性能をフル活用しています。