ローマ三部作の第１作…交響詩「ローマの噴水」
レスピーギの出世作である、この曲の４つの楽章は続けて演奏されます。
聖チェチリーア音楽院の作曲家の教授に任命後３年の、１９１６年、３７歳の時の作品です。
初演されたときの評判は、あまりかんばしくなく、その後トスカニーニが取り上げたとき、認められました。
ローマにある４つの噴水を、印象派的にとらえ、幻想的に作曲しています。

第１楽章　夜明けのジュリアの谷の噴水
　オーボエが朝の気分をゆっくり演奏します。牧歌的な朝の曲です。
　明確な音というより、雰囲気重視の曲です。

第２楽章　朝のトリトーネの噴水　
　トリトン　（半人半魚の海神）　の像をかたどった噴水を描いたものです。
　ホルンが強く最初に音を奏で、ハープ・鐘・ピアノがそれに続きます。色合いのある曲です　

第３楽章　昼のトレヴィの噴水　　（愛の泉　の名で知られる噴水。）
海神の馬車が海馬にひかれ、人魚とトリトンの行列を従えるという話を　幻想的かつ力強く描いた曲です。実際明確な音の曲です。

第４楽章　黄昏のメディチ荘の噴水
フルートと、ホルンで哀愁あふれる旋律で始まり、次　鐘の音　鳥の鳴き声　木々のざわめきを描写しています。　穏やかな曲。

全体を通して言えることは、噴水のイメージを音にしたものです。

リストが作曲したピアノ曲「エステ荘の噴水」は完全に、水の動きを音で表現していますので、聴き比べするのも面白いです。