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  • from: consolationsさん

    2011年12月09日 23時08分00秒

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    ブラームスとシェーンベルクのつながり ブラームスの5番目のシンフォニー?


     この題名だけで、作品が浮かんだ人は、かなりの通かもしれません。
    ブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番ト短調 作品25」
     
     ブラームスは、ピアノ四重奏曲を3曲作曲しました。
    中でも「ピアノ四重奏曲第1番」は、ブラームスがウィーンに移り住む前年の28歳の時の作品です。

    第1楽章 ソナタ形式の「アレグロ」
    第2楽章 インテルメッツオ
    第3楽章 アンダンテ・コン・モート

    第4楽章 ジプシー風ロンド…プレスト
    http://www.youtube.com/watch?v=KpOvq55E8tU&feature=related

    この第4楽章が一番、ブラームスの情熱を表していると思います。
    渋みのある作曲家とみられることもありますが、結構、情熱家で、自分の気持ちとかを隠せない人であったのでしょう。


     作品を完成させるにあたっては、第1楽章と第2楽章の草稿をクララ・シューマンを送り、意見を求め、続いて全曲をヴァイオリニストのヨアヒムに送り、助言・批評を求めました。
    1861年11月に、ハンブルクで初演されました。
    ピアノはクララ・シューマン…

     またブラームスは、そのちょうど1年後の1862年11月16日、初めてのウィーンでの演奏会という大事な場面で、この曲を選び、自身が、ピアノを弾き、ウィーン聴衆を前にピアニスト兼作曲者としてデビューするのです。この曲で、ブラームスはウィーンでの名声を獲得したのです。

    室内楽曲の中でも、私がもっとも好きな曲です。普通ならここで満足して終わるところですが、
     この室内楽曲を、作曲家シェーンベルクが、、1937年にオーケストラ版として、編曲しました。

     この編曲にあたり、シェーンベルク自身「ブラームスの作曲書法に忠実に従い、ブラームスが生きていたらこうしたであろうという範囲を忠実に守った」と語っています。
     
     ところが、「悪趣味なフルオーケストラに編曲した価値の低い仕事」こういう意見もあるのです。
     
     確かに、金管楽器が前面に出て、旋律を勢いよく鳴らし、スネアドラムが使われるなど、晩年のブラームスの墨絵のような枯淡の境地(交響曲第4番)とは、隔たり感があるとみるのが実際のところでしょう。

     
    さて、この曲、ピアノ四重奏曲のおすすめCDです。
    1.晩年のブラームス像を求めるなら、

    録音はモノラルですが、バリリ四重奏団とヨルク・デームスのピアノによる演奏は、室内楽曲として落ち着いた雰囲気で楽しめます。


    2.青年期の勢いに満ちたブラームスを求めるなら
    現代の演奏で、アルゲリッチ、クレーメル、マイスキー、バシュメットによる内容は、ぐいぐい前にでる推進力あふれた、すがすがしいほどの快演です。

    3.シェーンベルク編曲フルオーケストラ版では、

    ブラームスの交響曲第5番があったらこんな感じ?を求めるなら
    ラトル指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団による演奏。とにかく、この痛快な編曲をまじめに取り組んで演奏していると思います。




    (写真はデームスのサインです。「黒のマジックだと字が消えてしまう」と楽屋に戻り、自分の青ボールペンで書いてくれました。)

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