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from: consolationsさん
2012年01月15日 17時41分00秒
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シューベルト ピアノソナタ第21番 転調の妙
シューベルトの正式な先生はサリエリであったといわれ、サリエリがオペラ作曲家であったことから、声楽分野ではその教えを受けたと思われますが、特に今回取り上げる器楽分野のでシューベルトのピアノ創作はほぼ独学ということがいえます。
21曲のピアノソナタのうち最後のソナタ集3曲は続いて作曲されましたが、この世を去る2か月前1828年のことです。
しかし、体調を崩していたとはいえ、死を予感していたわけでもないように、この時に、シューベルトは自身の対位法的書法の弱さを克服するために、ブルックナーの師匠、ゼヒターに入門し、その準備をしていた時でした。
この時期に創作されたピアノソナタは、ベートーベンのピアノソナタと比較すると、構成面、主題構成の弱点を指摘される一面もあります。
シューマンが、シューベルトのピアノソナタを称して「天国的な長さ」という言葉からもうかがえます。
このピアノソナタ第21番、
第1楽章 長大なソナタ形式、シューベルト独自の転調の妙を聴くことができます。シューベルトの音楽の魅力の一つは転調にあるといってもよく、変ロ長調のこの曲は、嬰ヘ短調、イ長調、ロ短調、ニ長調、ニ短調と調性がめぐります。
第2楽章 三部形式による緩徐楽章、歌曲の世界の旋律と感じます。
第3楽章 軽やかなスケルツオ、ハンガリー風の前打音のリズムが軽快に響きます。
第4楽章 ロンドの性格を持つソナタ形式
シューベルトは、ピアニストとして公式の場で演奏したことも一度きりでありましたが、その演奏は「鍵盤が指の下で歌って踊っているようであった」と言われます。
この作品は、ソナタといえばソナタですが、幻想曲風の曲集ととらえれば、とても聴いていて、うっとりします。
田部京子さんのCDで聴いています。田部さんのピアノは今回初めて聴きました。
楽章全体を有機的に統一し、大きな構造物に挑むという姿勢でありながら、ピアノの響きの美しさにこだわった、しかしごく自然体で臨んだ演奏であるとおもいました。
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