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  • from: consolationsさん

    2012年03月22日 23時33分14秒

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    チャイコフスキー 交響曲【マンフレッド】 バイロンの劇詩にもとづく

    チャイコフスキーは、第1番「冬の日の幻想」から第6番「悲愴」まで番号の付いた交響曲がありますが、番号のない交響曲がこの【マンフレッド交響曲】です。

     書かれた時期は、交響曲第4番と第5番の間の時期で、バイロンの劇詩【マンフレッド】に基づいた標題音楽です。バラキレフのすすめで創作されました。(最初バラキエフはベルリオーズに作曲依頼をしましたが、断られました。)

    イギリスの詩人バイロンの劇詩「マンフレッド」は、3幕10場にもおよぶ内容です。

    ー大体のあらすじー
    中世の信仰深い城主マンフレッドが、ある時をさかいにあらゆることに疑いを持つようになり、魔女から魔法を習得し、自分を立て直そうとします。

    しかし、救済されることなく、死を与えられることもなくアルプス山脈を歩き続けます。

     そこで山の主神アリマネスの宮殿に着きます。
    すると女神メネシスは、マンフレッドに捨てられて亡くなった愛人の霊を呼び出し、マンフレッドに会わせます。深く反省したマンフレッドは何度も謝りますが、ゆるされず、悲しい最期を遂げてしまいます。

     チャイコフスキーは、マンフレッドの心の葛藤を音楽に仕立てようとしたので、苦労したといっています。

    第1楽章 「アルプス山中をさまようマンフレッド」マンフレッドの絶望感を音楽にしたものです。

    第2楽章 「アルプスの山の霊」 アルプスの滝によりできた虹に、山霊たちがマンフレッドを迎える様子を描写しています。

    第3楽章 「村の生活」 田園風のおだやかな情景です。

    第4楽章 「地下のアリマネス宮殿での秘密儀式」 地の底を思い出させるような暗い曲です。


    こういう風に、話のあらすじを頭に入れて聴くとなんとなく、情感が伝わってくるものです。

    チャイコフスキーは、ベルリオーズの「幻想交響曲」をかなり意識して書いたと思われます。

    ただ、話の題材にそって曲を創ったのではなく、人としての「心」の部分を描こうとした工夫にチャイコフスキーの芸術家魂が垣間見えます。


    ミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団で聴いています。

    ピアニスト プレトニョフだけあって、音楽が流れるように展開します。

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