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from: consolationsさん
2012年04月26日 00時20分10秒
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 映画「シャイン」のモデル ヘルフゴットのピアノ…伝説かキワモノか
1997年にアカデミー賞 最優秀賞を獲得した「シャイン」
物語のモデルとなったのは、驚異?の天才?ピアニスト デイビッド・ヘルフゴットです。
1947年オーストラリアに生まれ、5歳からピアニストになるべく、厳しい父からピアノの練習を受け、
レッスンに明け暮れたヘルフゴットは、数々のコンクールに優勝し、ロンドンの王立音楽院に留学します。
1970年 ロイヤル・アルバート・ホールで魂を賭けて弾いた
「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番」を演奏し、大成功をおさめますが、精神の病に冒され、母国 オーストラリア パースで、10年以上に渡り、演奏活動から離れた暮らしを余儀なくされます。
その後、妻 ギリアンと出会い彼女と暮らす中で、体調を回復し、晴れて 舞台に復活します。
以降1997年からワールド・ツアーを敢行しました。
今、彼 ヘルフゴットが弾く第3番をCDで聴いています。
正直に私の感想をお伝えすると、
ヘルフゴットのピアノは、心地よく堪能できる音楽ではありません。キワモノと書いたのも、なにか崖のふちを歩くような「ギリギリ感」を受けてしまい安心しては聴けないのです。
ヘルフゴットがこの曲に魂を吸い取られるかごとく、魂と引き換えに奏でているように聞こえるから、危なっかしささえ受けてしまいます。
ただし、この作品 ピアノ協奏曲第3番の成立過程を振り返ると、
作曲者ラフマニノフ自身も、作品を創作する約10年前の1900年に、気力の衰えを感じ、
精神科医師 ニコライ・ダールの暗示療法を受け極度の神経症から、立ち上がり自信を取り戻し、
名曲 ピアノ協奏曲 第2番、次いで 第3番と書き上げたのです。
ダイナミクスな曲調・哀愁を帯びたメロディ・洗練された名技性の陰で、ピアニストに至難な技巧を要求していますので、
元来、この曲には、演奏する立場にとっては、作品の持つ魔力に触れようとすればするほど、近づこうとすればするほど、魂の力を引き換えにすることが余儀なくされるのかもしれません。
完全な技巧派かつ透明感抜群のピアニスト、アレクシス・ワイセンベルクでさえ、この曲を弾かんがため、ピアニストを目指した逸話もあることから、
この曲は確かにラフマニノフが作りましたが、どこかで、単なるピアノ技巧にとどまらず、人間業としての一線を超えた何かを要求しているのでしょう。
だから、誰よりも繊細であったヘルフゴットが、精神の病に倒れたということも、何ら不思議ではない気がします。
かくゆう私も不眠症に悩まされ続けていますので、このコメントを書くに際して、魂を削って書いていたりするのです!?
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