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from: consolationsさん
2012年05月08日 01時37分52秒
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ショパン:24の前奏曲 グレゴリー・ソコロフを聴く 香り立つ陰影
今回取り上げるのは、ショパンの「24のプレリュード」です。
私が、ショパンを演奏会で聴いたのは、2回。
若きキーシンによる前奏曲と、ツィマーマンのソナタ2番「葬送行進曲」
ツィマーマンを聴いて、感じたのは、演奏家も経験を積むと、
というより、一握りの選ばれた演奏家は、ピアノを弾くにあたり、
単純にピアノをひいているのに、
物理的には、鍵盤を通じてハンマーで弦をたたいているだけのはずなのに、
奏でられる音に、精霊が宿るような…
音を聴く感覚にとどまらず、香りも感じ、聴き手は五感をゆさぶられます。
特にツィマーマンの場合、ソナタ2番でしたが、最終楽章のプレストで、音色に羽ばたきが生まれました。
演奏会の休憩時間、ホール広場で、皆が同じように話していたので、聴く耳を持っている人だけが理解できる世界ではありません。
確かに、音に、進む調べに、ホワンとした感覚を感じました。
演奏家は、作品に生命を再度吹き込むことだと思いました。
でも、なかなか演奏会にも、そうは行けませんし、
手軽にCDを聴くことを通じて演奏に、触れるしかありませんが、
そうした録音した音楽にも、魂を宿らすことのできるピアニストは、今私の知っているところでは、二人だけです。
アルトゥール・ベネディティ・ミケランジェリ
(ドビュッシーのピアノ作品「映像」で、それを強く感じます)
グレゴリー・ソコロフ
グレゴリー・ソコロフは、サンクトペテルブルク生まれのピアニスト。1966年の第3回チャイコフスキー・コンクールにおいて優勝。
その時の審査委員長は、エミール・ギレリスでした。
(話は、少しそれますが、ベートーベンのピアノ・ソナタをCDで聴くなら、ギレリスがお薦めです。鉄鋼のように強烈なタッチでありながら、しなやかなのは、ギレリスしか到達できなかった境地があります。)
ソコロフは、コンクール優勝後、聴衆の前で弾くピアニストに徹し、
演奏回数は1,000回を超えます。
そうした経験から、音を紡ぎだす弾き方を得たのでしょう。
ショパンの前奏曲のような、繊細な曲では、曲のニュアンス・香り立つ雰囲気を演奏会でも、伝えることが難しいと思われるのに、
CDを通じて、その陰影のニュアンス感覚を感じるのは、
今の現役ピアニストでは、ソコロフの演奏しかないです。
オーパスというレーベルから出ています。
鍵盤を鳴らす中で、音色に生命を宿らすことのできるピアニストだと思います。
ソコロフのピアノCDを聴いてみようかと思った方は、クリックしてください。
http://classic.blogmura.com/listening/
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また眠られない夜でした。
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