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from: consolationsさん
2012年10月05日 23時34分24秒
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コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ナチス政権に翻弄された人生
1897年に、ハンガリーの貧しい寒村に生まれた
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトは、少年時代から、ヴァイオリンの腕前が卓越しており、
(逸話があり、モーツアルトやベートーベンをうつらうつら居眠りしながらでも弾けるほどの技術を持っていたそうです。)
ミドルネームのヴォルフガングからもモーツアルトの再来とうたわれた「天才作曲家」でした。
この時期の作品としては、オペラ「死の都」が有名です。
しかし、時あたかも、第2次世界大戦前夜、
ドイツでナチス政権ができたこともあり、1934年、37歳で政情の不安を恐れ、アメリカに移住します。
コルンゴルトのアメリカでの新しい人生、それは、ハリウッド映画の作曲家としての活躍でした。
映画名で言えば、(私は聴いたことも見たこともありませんが、)
「シーシャーク」 「海賊ブラッド」 「放浪の王子」の映画に豪華な音楽を付けていったのです。
コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」は、伝説のヴァイオリニスト フーベルマンからの依頼委嘱により、作曲されましたが、
結局は、ハイフェッツによるヴァイオリン、ゴルシュマンの指揮によりセントルイス交響楽団により初演されました。
マーラーの未亡人であったアルマに献呈されています。
ヴァイオリン協奏曲、その曲自体は、映画音楽から作曲者本人は、少し距離をおき、作曲されたようですが、
確かに後期ロマン派のウィーンに根差した作曲技法ではありながら、
実際聴いてみると、ロマンティックな曲です。
それもそのはずで、主要主題は、自作の映画音楽
( 「もう一つの夜明け」 「ジュアレ」 )
からの引用だからです。
第3楽章 終楽章にヴィルトゥオーゾ的な華々しさを持ってきて、聴きごたえのある曲に仕上がっています。
映画を含め、大衆が喜ぶであろう舞台を知り尽くしたゴルトマルクは、舞台音楽も作曲しています。
これらゴルトマルクの音楽を、商業主義、大衆主義という意味で、
「悲劇的没落を表現する詩人」と評した批評家もいましたが、
このヴァイオリン協奏曲を聴く限り、私は、偉大な大作曲家であると思います。
聴いているCDは、
「私は、ヴァイオリンが生み出す無限の色を使うことが好きな芸術家です」と豪語する ムター によるヴァイオリン、
その夫である、アンドレ・プレヴィン指揮によるロンドン交響楽団で
聴いています。
プレヴィンも、妻であるムターによるコルンゴルト演奏を
「他の誰よりも明快に構築しています」とほめちぎっていて、
多少のうんざり感?は、ありますが、
元来、コルンゴルトの作曲したヴァイオリン協奏曲は、
(音楽的というより、)
色彩的に聴き手に訴えてくる、音楽という色のパレットで、絵画を描くような曲なので、あながち、
互いにほめちぎリあっているのではなく、
「この曲の演奏の理想形は、こうだ」と、聴き手に提示しているのでしょう。あるべき方向(色合い)を、教えてくれている気がします。
音楽を徹底的に掘り下げるのではなく、ある程度、気楽に、楽しむように音楽を作れば、作曲者の理想の音色になると、
ムターとプレヴィンの天才2人は、わかっているのでしょうね。-
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