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  • from: consolationsさん

    2012年10月06日 04時11分36秒

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    バルトーク:最後の17小節完成できず逝く ピアノ協奏曲 第3番 

    バルトークは3曲のピアノ協奏曲を創作しました。
    私は第3番が一番好きです。
    第1楽章の曲の始まりのメロディが、とても美しいからです。

    バルトークが、ピアノ協奏曲第3番に着手したのは、1945年のこと、妻ディッタ・パーストリへの誕生日プレゼントとするために作曲を開始したのです。

     バルトーク自身が演奏するためではなく、自身の死後に妻ディッタが演奏するために、遺品的な意味合いで、作曲したのです。

     悲しいことに、すでに、バルトークは病におかされており、妻に演奏をたくしたのです。

    しかし、夫のバルトークが亡くなり、妻ディッタの悲しみは深く、
    もはや演奏できる状況ではありませんでした。

     結局初演は、ジョルジュ・シャンドールのピアノ、
    オーマンディ指揮により行われました。

     第3楽章の発想記号と、テンポ表示を書き込む時間もなく、また最後の17小節のオーケストレーションが出来ないまま、
    バルトークは他界してしまったのです。

     ティボール・シェルリーが補筆し、完成させました。


    曲を聴いての感想は、「管弦楽のための協奏曲」のバルトークのイメージからすると、
    やや、かけ離れて、バルトーク風ではない「やわらかさ」を随所に聴くことが出来ます。


    バルトークのピアノ協奏曲のピアノ奏法は、野性的にたたきつけるような、ピアノを打楽器として扱うイメージでとらえられていることも、一部にあるようですが、

    あくまで私の感じ方ですが、話しかけるように穏やかに、弾かれるのが、バルトークの音楽であると思います。

    バルトークの実際の演奏録音は、残っており、
    (ヴァイオリニスト シゲティ との室内楽演奏)
    それからも、やはり、歌うように奏でるのが、ある意味良いように思います。 

    バルトーク最晩年の祈りに通じる気持ちが込められた、真から美しい作品です。

    ブロンフマンのピアノ、サロネンの指揮 ロスアンジェルス・フィルハーモニックの演奏で聴いています。

     ブロンフマンの奏でるピアノは透明で、バルトーク最後の諦観の念がにじみ出ている、抑制のきいた演奏です。

     この曲は、良い演奏で聴かないと、作品の本当の姿がわからないと、思います。

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