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  • from: 庵主さん

    2017年11月01日 11時01分47秒

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    秋には、蜘蛛が鳴く

    今、世はハロウィンで大騒ぎ。
    ホラーつながりのトピックスを日本文化からお届けしましょう。
    まず、松尾芭蕉の秋の句をご紹介。
    蜘蛛何と音をなにと鳴く秋の風
    (俳諧向之岡 延宝八年)

    これは枕草子にある、蓑虫が秋に「ちちよ、ちちよ」と鳴く、
    というエピソードへの返歌です。(枕草子 第四十一段)

    蓑虫は異界の生き物とされ、父が子に鬼のキモノである、
    蓑を着せ「秋風が吹くころに戻ってくる」といい残し、
    去ったという逸話です。
    蓑虫の子は寒風に吹かれると、「お父さん、お父さん」と
    悲しげになく、といいます。
    鳴くはずのない虫まで、秋には悲しげになく。
    日本文化の通底を表す、古今の歌と物語。
    「母」ではなく、「父」というところに景教の影響もあるのかもしれません。

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