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憲法20条を考える

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  • from: 21世紀さん

    2009年02月27日 08時28分55秒

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    大前研一ニュースの視点

    今週の〜大前研一ニュースの視点〜
      『政府の追加経済対策(1)
        〜まずは倹約に傾く消費者心理をリラックスさせよ』

    ■┓ 公共事業の大幅前倒し
    ┗┛ 09年度に集中実施で検討
    ―――――――――――――――――――――――――――

    ●政府の追加経済対策は、あらゆる点でポイントがずれている

     16日、政府・与党は追加経済対策に向けた2009年度補正予算案
     の編成で、多年度にわたる公共事業計画を09年度に集中実施す
     る方向で検討に入っています。

     光ファイバー網整備や公共施設の耐震化などが浮上しており、
     08年10―12月期の国内総生産速報値の落ち込みを受けた需要創出
     や雇用促進に重点をおくとのこと。民主党も独自の追加経済対策
     を打ち出す姿勢を見せています。

     米国で100兆円の経済対策を打ち出すというから、日本でも20兆円
     〜30兆円の経済対策をということなのでしょう。

     野党をしてもケチケチせずにもっと経済対策をするべしという意
     見ですが、私に言わせれば与党も野党も全く分かっていません。

     今政府が提案しているような経済対策では全く効果はないと私は
     確信しています。

     現在、景気が急激に落ち込んでいるのは消費者の心理が「倹約」
     に傾いているからです。

     不況に見舞われると、例えば、車の買い替えを3年から5年に、
     あるいは5年から7年に、というように車検1回分延ばそうと考
     える人が多いでしょう。

     また、テレビなどの買い替えにしても、それほど質が悪いわけで
     はないから買い換えるのは1年〜2年待てばいいと考えるでしょう。

     先進国では基本的に耐久消費財はすでに満ち足りています。です
     から、不況時にこれを刺激するには、消費者心理を刺激すること
     が大切です。

     すなわち、リラックスした気持ちになって「お金を使ってもいい」
     と消費者が感じられることが重要なのです。「新しいものが出たか
     ら、欲しいね」と安心して思える心理を醸成することです。

     いくら公共事業で光ファイバー網を整備しても、北海道で道路を
     作っても、全く景気刺激にはならないのです。

     そんなことをしても、消費者は車を買い換えようとは思わないで
     しょう。

     日本はGDPの約55%を個人消費が支えています。1500兆円もの
     個人金融資産がありながら、それがマーケットに出てこないで眠
     っています。

     まさに、ここに問題があるわけです。私は何度もこの点について
     指摘していますが、政府や役人は全く理解していないようです。

     今の方向性でいくら政府が頑張ったところで、国民としては「そ
     れはそれでやってくれればいいや、自分はしばらく倹約しておこ
     う」と考えるだけで終わってしまいます。

     今回経済対策として打ち出された内容は、あらゆる点においてポ
     イントがずれていると指摘せざるを得ないと思います。

     では、実際に消費者の心理を刺激するためにはどうすれば良いの
     でしょうか?

     それは、例えば「今、車を購入してくれた人には重量税や取得税
     を免除する」といった対策になると思います。



     ●日本もアメリカも「心理経済学」を理解していない

     日本だけでなくアメリカでも、オバマ米大統領をはじめ、ケイン
     ズ経済学者は私が言うところの「心理経済学」を理解していない
     と感じます。

     今のアメリカ人の消費マインドは、バブル崩壊後の日本人以上に
     固く閉じたイソギンチャク状態になっています。

     今やアメリカ人は自動車はもちろん、すべての高級品を買わなく
     なり、ニーマン・マーカスやサックス・フィフス・アべニュー
     などのデパートは軒並み売り上げが大幅に落ち込むという
     惨憺たる状況に追い込まれています。

     だから、私はオバマ大統領が8380億ドルの景気対策を打っても、
     その経済誘発効果はさほど期待できないと思っています。

         *     *      *

     不況や危機において、消費者は身構えています。心理をリラック
     スさせない限り、それを崩すことはできません。

     新しい需要を生み出す発想こそ、今、必要な不況対策なのです。
     政府にはこの点を理解してもらいたいと強く思います。

     
    次回は地デジ等を例に、さらに追加経済対策について考えて
     いきたいと思います。3月3日(火)号外にて掲載予定です。


          以上

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