今後の国会で存在感を増すと見られる公明党。キャスティングボートを掌中にしたものの、なぜか創価学会の池田大作名誉会長（82）から、いつもの高笑いが聞こえてこないのだ。

　参院での民主党の議席数は106。国民新党の3議席と新党日本の1議席を足しても110で、過半数の122には遠く及ばない。
「仮に、参院で11議席を持つみんなの党との連立が成就しても、過半数に満たない121です。民主党の国会運営はいずれ行き詰ります」
　と語るのはさる大手紙の政治部記者である。
「そこで存在感を増しているのが参院で19議席の公明党です。民主党は公明党と連立できれば、参院では過半数を維持できる。公明党はキャスティングボートを握ったわけで、今後は与党側から様々な機会に秋波を送られるでしょうね」
　現段階では公明党は民主党との連立に否定的だが、
「ここ数年、敵味方として闘ったしこりは残っていますが、与党の要人と創価学会の幹部の極秘会談など関係修復を示唆する情報も流れています。国会の展開次第では、民主党と公明党の連立はあり得ます」（同）

「入れ歯がカタカタ」

　政権与党に復帰する可能性も出てきた公明党。支持母体の創価学会の池田大作名誉会長が、幹部らを前に、高笑いで、〝勝利宣言〟でも打ち上げそうなものだが、
「7月19日に開かれる予定だった本部幹部会が中止になりました。池田氏は6月3日の本部幹部会も欠席しています。5月4日に行なわれた創価大の式典に出席して以来、公の場に姿を現していないのです」（創価学会に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏）
　さる創価学会関係者は、
「池田名誉会長の6月3日の欠席理由について、入れ歯がカタカタ鳴るからという幹部もいれば、徴熱があったからという幹部もいました。幹部会中止は、夏休みの前倒しが表向きの理由ですが、以前に患った循環器系の病が悪化し、重篤な状態に陥ったのではないかとも囁かれています」
　一方で池田名誉会長の重病説を打ち消すために、
「地方の学会組織では、今年10月に池田先生がパラオ共和国を訪問すると言われています、先生が外遊するとなれば2000年の東南アジア歴訪以来。しかし現実的には、飛行機に乗るのもムリでしょうね」（同）
　創価学会に池田名誉会長の健康状態を尋ねると、
「この種のご質問にはノーコメントとさせて頂いております」
　と回答があった、先の乙骨氏はこう語る。
「7月19日の幹部会は、参院選勝利報告の祝賀集会になるはずでした。それが中止ですから、池田氏の健康問題も含めて、よほどの理由がある。池田氏は長男の博正氏をいずれ創価学会の会長に就かせたいと思っており、その布石として会を欠席し、会そのものを中止したとも考えられます」
　いずれにせよ高笑いをする池川氏の姿は、もう拝めないのかもしれない。

『週刊新潮』平成22年7月29日号