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憲法20条を考える

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  • from: 21世紀さん

    2011年02月02日 17時46分16秒

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    矢野絢也、新潮社らに賠償命令

    矢野絢也、新潮社らに賠償命令
     名誉毀損裁判で谷川副会長が勝訴

    東京地裁

     「週刊新潮」(2008年5月22日号)が掲載した事実無根の捏造記事で名誉を毀損されたとして、創価学会の谷川佳樹副会長が同誌発行元の新潮社(代表取締役・佐藤隆信)と編纂長・早川清(当時)、記事中で虚偽の発言をした元公明党委員長・矢野絢也を相手に損害賠償等を求めていた裁判の判決が20日、東京地方裁判所(浜秀樹裁判長)で下された。
     判決は、記事の重要な部分について、「真実性の証明がされているとは認められない」として、矢野ら3者に連帯して33万円を支払うよう命じた。
     問題の新潮記事は、矢野の一方的な言い分を鵜呑みにして、05年5月に谷川副会長、青年部の代表と矢野の懇談の席で、あたかも同副会長が矢野に対し、「人命に関わるかもしれない」などと脅したという、虚偽を掲載したもの。同副会長がそのような脅迫を行った事実は一切なかった。 裁判の過程で谷川副会長側は、懇談の内容を録音したテープを証として提出したが、拠その中にもそのような発言は存在しなかった。
     判決は捏造記事を掲載して、谷川副会長の名誉を毀損した新潮社及び編集長の不法行為責任を認定するとともに、矢野についても「新潮社が創価学会に対して批判的な論調の記事を掲載することとなることをあらかじめ予期していた」「記事にあるような発言等を行い、意図してこれに加担した」と認定。「名誉毀損につき、共同不法行為の資任を負う」と断じた。
     そして、3者に対して、連帯して損害賠償の支払いを命じたのである。

    「聖教新聞」平成23年1月21日2面掲載

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コメント: 全5件

from: 21世紀さん

2011年03月02日 12時26分16秒

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「Re:矢野絢也、新潮社らに賠償命令 」
新潮社側に33万円支払い命令=創価学会副会長の名誉毀損-東京地裁
全面勝訴のはずが、判決を不服として控訴??????
投稿者:カルト監視団 投稿日:2011年 2月27日(日)23時25分26秒  
”ヤブヘビ”とは、まさにこのこと。
矢野氏に創価学会の「暴力団まがいの脅迫行為、犯罪行為」を糾弾された創価学会が、一矢(いっし)を報いようと矢野氏に訴訟を仕掛けたものの、逆に自らの暴虐(ぼうぎゃく)性を露呈してしまったのだから。

ところが創価学会は、この判決によっても真摯(しんし)な反省を見せようともせず、僅(わず)かながらも(請求に対し、ほんの3%の)損害賠償が認められたことを奇貨として、判決言い渡しの翌日の『聖教新聞』(1月21日付)において、「矢野絢也、新潮社らに賠償命令」「名誉毀損で谷川副会長が勝訴」との見出しを掲げ、次のように報じたのだ。

「判決は、記事の重要部分について、『真実性の証明が認められない』として33万円を支払うよう命じた。 問題の新潮記事は、矢野の一方的な言い分を鵜呑(うの)みにして、05年5月に谷川副会長、青年部の代表と矢野の懇談(こんだん)の席で、あたかも同副会長が矢野に対し、『人命に関わるかもしれない』などと脅(おど)したという、虚偽を記載したもの。同副会長がそのような脅迫を行った事実は一切なかった。
裁判の過程で谷川副会長側は、懇談の内容を録音したテープを証拠として提出したが、その中にもそのような発言は存在しないかった。」

実際の判決内容を知って、この記事を読むと呆(あき)れて物が言えない。
さらに呆れたことには、『聖教新聞』ではあたかも全面勝訴を勝ち取ったかのように声高(こわだか)に叫(さけ)んでおきながら、実際には判決を不服として控訴しているのだ。(もちろん、矢野氏や新潮社も控訴した。)

このような”大本営発表”に踊らされて、「学会正義」を信じ、批判者糾弾・宗門誹謗を繰り返し続ける一般会員こそ哀(あわ)れ、というべきであろう。
無間地獄へ導かれる彼ら学会員を救い取るべく、いよいよ学会員の折伏に励もうではないか。

以上、慧妙平成23年2月16日号より

副会長側の要求
1,100万円の損害賠償
全国紙各紙並びに『週刊新潮』への謝罪広告

結果
一部の主張を認め33万円の支払い(1,100万円の3%)

「全国紙各紙並びに『週刊新潮』への謝罪広告」は認められず

訴訟費用の3.3%は新潮社が、残りの96.7%は副会長が負担。

※これでも全面勝訴か!!!!!!

創価学会脱会推進委員会

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from: 21世紀さん

2011年02月02日 17時57分50秒

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「Re:矢野絢也、新潮社らに賠償命令 」
谷川佳樹副会長が勝訴した矢野裁判判決文(抜粋)

(ウ)そうすると,本件面談における被告矢野の対応には,やや迎合的とも
  取られる言動が見受けられるけれども,本件面談が行われた場所,原告
  側関係者の人数,被告矢野の年齢,同被告は海外旅行から帰国後面談場
  所に直行することを余儀なくされたものであること,本件面談前には,
  被告矢野が評論活動をやめることを考えていたとは認められないことな
  どを併せ考えると,被告矢野が評論活動をやめると述べたのは,原告ら
  から評論活動をしていることが好ましくない旨の発言を繰り返され,評
  論活動をやめることを迫られたことによると認めるのが相当であり,し
  たがって,今後,評論活動は一切しないとの約束をさせられたとの点は,
  真実であると認めることができるというべきである。
 オ なお,本件記述2では,息子がどうなってもいいのかと脅迫され,家族
  にまで危害が及ぶ恐怖を感じ,それで,謝罪と評論活動を一切しないとい
  う約束をさせられたという構成になっている。
   そして,前記1(2)ウ(オ)のとおり,本件面談において,被告矢野の息子に
  関する話(486項)が出たのは,被告矢野が評論活動をやめるという発
  言(440項)をした後であり,論理的には,息子がどうなってもいいの
  かと脅迫されたから評論活動をやめると約束させられたという筋道は成り
  立たないようにも思える。
   しかし,被告矢野は,原告から,「これが,会員が求めている声なんです
  よ。矢野さんが,自分のできることをやっていく,評論家としてやってい
  くというふうにお考えかもしれませんけども,それを望んでないんです」
  (439項)と迫られ,「やめましょう。」(440項)と応えたものの,前
  記のとおり,その後,一切の評論活動を直ちにやめることは約束せず(4
  46項),また,評論活動をやめることを自ら積極的に公表することについ
  ても明言を避けるような応答(468,474項等)に終始していた中で,
  話は,被告矢野の妻や息子夫婦のことに及び(486項等),原告は,「や
  っぱりこれは,奥様も息子さんも,矢野さんの奥さんであり,矢野さんの
  息子さんなんですよ。」(493項),「ですから,矢野さんがどうされるか
  ってことで,それは,みんな,これはもう,避けられないですよ,これは。」
  (495項)などと被告矢野に迫っているのであり,被告矢野は,原告ら
  の意向に応じながらも,やや曖昧な形で終始しようとしていたところ,原
  告らは,被告矢野の妻や息子らのことに話を及ばせながら,被告矢野に対
  し,明確な意思表示や態度決定を迫ったものであり,被告矢野は,これを
  拒否することができず,曖昧な形にとどまることが許されず,原告らの意
  向に従わざるを得なくなり,また,本件謝罪文に署名せざるを得なかった
  ものと認められる。このように,曖昧な形で終始しようとしていた被告矢
  野は,家族に何らかの危害が及ぶ恐怖を感じて,評論活動をやめると最終
  的に確約することを余儀なくされたと評価することができる。
   また,本件記述2の掲示事実の重要な部分は,被告矢野が息子がどうな
  ってもいいのかと脅迫されたから,評論活動をやめると約束させられたと
  いう前後関係そのものにあるのではなく,本件面談における原告らの一連
  の言動の内容や,被告矢野が謝罪や評論活動をやめることを余儀なくされ
  たという事実にあるというべきであり,厳密に本件記述2における文脈上
  の細かな前後関係が異なるからといって,記述の真実性が否定されるとい
  うものではなく,本件記述2においては,前述したとおり,その摘示事実
  の重要な部分において,真実であると認めることができるというべきであ
  る。
(6)以上のとおり,本件記述2については,真実性の証明がされていると認め
  られるが,本件記述1については,真実性の証明がされているとは認められ
  ない。
(7)よって,被告新潮社及び編集人である被告早川は,原告の名誉を毀損した
  点について,不法行為責任を負うというべきである。
   なお,被告新潮社の取材に応じて情報を提供した被告矢野は,被告矢野の
  本件記事における発言部分や創価学会らに対する訴訟の提起などの事実から
  すると,報道機関を通じて,原告ら創価学会の問題性を訴えようとしていた
  ものと認めるのが相当であり,本件記事の内容も被告矢野の意図に沿うもの
  となり,被告新潮社が創価学会に対して批判的な論調の記事を掲載すること
  となることをあらかじめ予期していたものと認められる。そうすると,被告
  矢野は,本件記事の掲載につき,その内容及ぴ結果を認識した上で,被告新
  潮社の取材に対し,本件記事にあるような発言等を行い,意図してこれに加
  担したと評価すべきであるから,被告新潮社及び被告早川とともに,原告に
  対する名誉毀損につき,共同不法行為の責任を負うというべきである。
4 争点(3)(損害額)について
(1)慰謝料 30万
   前記第3の1で認定した事実,本件記事の内容,その内容には真実と認め
  られる部分も相当あること等,本件に顕れた諸事情を総合考慮すれば,本件
  記事の掲載によって原告に生じた損害として,30万円を認めるのが相当で
  ある。
(2)弁護士費用 3万円
   事案の内容,損害の認容額など本件における諸事情を考慮し,被告らの不
  法行為と相当因果関係のある損害として,3万円の弁護士費用を認めるのが
  相当である。
5 争点(4)(原告の名誉を回復するのに適当な処分の要否)について
(1)原告は,本件記事により原告が名誉を毀損されたことに対し,これを回復
  するには,金銭の支払だけでは足りないとして,謝罪広告を命ずることを求
  める。
(2)たしかに,前記のとおり,本件記事により,原告らの社会的評価は相当程
  度低下したもみと認められるが,本件記事の内容及びその真実性の評価等か
  らして,その回復のためには,金銭の支払のみで十分というべきであり,そ
  れを超える内容の処分を命ずるまでの必要性は認められないというべきであ
  る。
   したがって,原告の主張は採用できない,
第4 結論
   以上によれば,原告の請求は,主文の限度で理由があるからこれを認容し,
  その余は理由がないので棄却することとし,主文のとおり判決する。


    東京地方裁判所民事第35部

         裁判長裁判官 浜     秀 樹
            裁判官 手 嶋 あ さ み
            裁判官 味 元 厚 二 郎
http://6001.teacup.com/qwertyui/bbs/5458

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from: 21世紀さん

2011年02月02日 17時56分46秒

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「Re:矢野絢也、新潮社らに賠償命令 」
谷川佳樹副会長が勝訴した矢野裁判判決文(抜粋)

(イ)このように,そもそも本件面談の目的は,本件手記について,同年4
  月に被告矢野にさせた,西口らへの謝罪や,池田大作会長あての謝罪文
  の提出では足りず,被告矢野に直接面談して,本件手記について,問い
  質し,謝罪させ,本件謝罪文に署名をさせることであったというべきで
  あり,実際の面談も,前記1(2)ウのとおり,本件手記の内容や,本件手
  記を出したこと自体が間違いであったことなどを繰り返し被告矢野に言
  わせるなど,あらかじめ用意した本件謝罪文の内容どおりに被告矢野に
  言わせる形で進められたと認められるのであって,これらの事実からす
  れば,被告矢野が自ら任意に本件手記について謝罪したというよりも,
  被告矢野は,原告ら創価学会側の意図するとおりに謝罪させられ,その
  旨の謝罪文に署名ざせられたと受け取っており,また,そのように客観
  的に評価することができるというべきであり,本件手記について謝罪を
させられたとの点は,真実であると認められる。
 エ 次に,今後,評論活動は一切しないとの約束をさせられたとの点につい
  て検討する。
(ア)前記1(2)ウ(オ)のとおり,森井が,「だけど,あのとき矢野さんがおっし
  ゃったのは,「私も,最後議員引退したら,必ず地元に帰って皆さんとと
  もに戦います。」と,そうおっしゃった。その言葉を信じて,皆頑張った
  わけです,あの時。だけども,引退したあと,音沙汰も全くない。…」(3
  62項)と述べたのに続けて,原告は,「私もこれ,あのー,ちょっと読
  ましてもらったんですけれども。あのー,みんな覚えてます,矢野さん
  が,「私も議員をやめたら,皆さん,同志の皆さんと一緒になって戦いま
  す」と,切々と訴えられた。覚えてます。矢野さん覚えておられますか。」
  (363項),「実現してませんね。」(365項)と言ったのに対し,被
  告矢野は,「私は,これ,ちょっと生意気な言い方になって。お許しいた
  だきたいんです。まあ,十分,大阪へ帰って,皆さんと共に戦う。そう
  いう気持ちも,今だってありますよ。」(366項)と言いながらも,「そ
  のかわし私は,まあ本当に生意気な言い方で勘弁してほしいんですけど
  ね。これでも根性はあるつもりですし。もし仮に,私が世間から見て,
  多少なりとも客観性のあることをいう人間だと,もしもですよ。そうい
  う評価がもし,自分のカでできるものであるならば,私は,そっちの道
  を選ぼう。」(368項)と述べ,原告らが,被告矢野に対し,大阪に帰
  って地元の者と一緒に戦うことを求めたのに対し,評論活動の道を選ぶ
  旨応答しており,被告矢野は,本件面談の当初は,評論活動を継続する
  意思であったことがうかがわれる。
   それに対し,本件面談において,前記1(2)ウ(イ),(オ)のとおり,原告は,
  「この手記が,どれほど学会員苦しめたか。先生の喚問,当時の政教一
  致批判。えー,あの,関西の男子部が,まあ,怒っているのはですね,
  えー,「一生懸命支援活動に行くと。と,矢野っていう評論家が,学会と
  公明党の関係について何か言っていると。友人は,「あの人,元委員長だ
  ろうと公明党の,どうなってんだよ」と言われる。それを,私たちは一
  生懸命,説得しましたと。なんで味方のはずの人が足を引っ張るんです
  か。なんで敵に塩を送るようなことをするんですか。この悔しさは言い
  ようがありません,と。何者なんだと,あれは」と。」(298項)と述
  べて,関西男子部の被告矢野に対する怒りの声を紹介し,杉山は,被告
  矢野が「要するに,あらゆるところで評論活動をしながら,結局,いろ
  んな形で,その,元公明党の委員長でありながら,公明党のことを批判
  してる。」(307項)と指摘し,森井は,(青年部の)「「声」の中で一番
  多いのが,その矢野さんが評論活動していることそのものが,公明党の
  元委員長でありながら,第三者的な評論の,かつ,繰り返していると。」
  (372項)などと述べて,被告矢野が評論活動をしていることについ
  て,創価学会員らは,好ましく思っていない旨を述べ,原告は,青年部
  の声として,被告矢野が創価学会批判とも取れる発言をしていることに
  ついて,本当に創価学会員なのかという感想を持っていたり,政治評論
  家を名乗っているのだから笑わせるなどといった意見などがあることを
  紹介した上で(437項),原告は,「これが,会員が求めている声なん
  ですよ。矢野さんが,自分のできることをやっていく,評論家としてや
  っていくというふうにお考えかもしれませんけども,それを望んでない
  んです」(439項)と述べ,これを受けて,被告矢野は,「やめましょ
  う」(440項)と応答して,評論活動をやめる旨の発言をした。
   しかし,その後,森井が,「一切?」と尋ねたところ,被告矢野は,「ま
  あ,一切になるかどうかはね,それはー,あー,少なくとも,おー,お
  ー,いろんな週刊雑誌等の取材は,断ります。・・・急にここで一切何も
  かもやめたら,また妙な,ことになりますから。段々,もうそれこそ,
  急,急速ですけども,明日から一つも出るなよ,という意,意味で言っ
  てるわけではありません。しかし,やめます。」(446項)と,一切の
  評論活動を直ちにやめることについては明言を避けた。
   その後,弓谷が,「やめますと言ったと,そういうふうに青年部に伝え
  ていいですね。」(453項)と尋ねると,被告矢野は,「そうですねー,
  その」(454項)といった受け応えなので,弓谷は,「それは,約束し
  たら,約束したら。」(455項)と述べたが,被告矢野は,「しかしそう
  いう,そういう言う方をされると,かえってまずいんじゃないんでしょ
  うか。私は言ってもらって結構ですよ。」(456項)などと答えていた
  ところ,弓谷は,「そう決めて,そう決めて評論活動やめたんだと,そう
  はっきり言ってもらいたい。」(465項)と詰め寄ったので,被告矢野
  は,「結構です。言って下さい。」(466項)と応えたが,弓谷は,「い
  や,言って下さいじゃなくて,矢野さんとこに取材が来たら,矢野さん
  自身がそうはっきりおっしゃっていただきたいんです。」(467項)と
  述べ,被告矢野は,「言う,言う,皆さん方が言えば,私が言ったことは,
  もう天下周知になりますから,僕のとこにくるでしょうがー,そら,そ
  んなこと否定しませんよ。そう言いましたよと言いますよ。」(468
  項),「これも,まあ,まあ,自然な言い方は,俺も歳だからな,と言っ
  ておけばいいわけですよ,それはね。ね,そう,世間的にはね。」(47
  4項)と述べたところ,弓谷は,「いやいや,憶測をね,増,増幅させる
  ような,そういう中途半端なお答えは,やめてもらいたいんです。私た
  ちが言ってる,評論活動をやめるというのは,そういう次元の話じゃな
  いんです。」(475項)と反論したが,被告矢野は,評論活動をやめる
  ことを自らから積極的に公表することについても,明言を避け続けた。
   そして,前記1(2)ウ(オ),(カ)のとおり,原告は,「僕は,あのー,当時,
  男子部長から青年部長,なりましたけども。・・・その時に矢野さんがい
  た位置は,・・・明らかに敵だと,学会を売った,というふうに思ってた
  時期があるわけです。・・・だけども,あのー番大変な時に,あの手記を
  出した。敵に塩を送った,ていうか,むしろ,敵の一番ど真ん中にいる
  ような,材料を出した。ということについての疑念てのがあるわけです
  よ,いまだに。」(480項)と述べ,「ですから,こうやってお話しても,
  またどっかに書くんじゃないかとか。」(482項)と述べ,「絶対書かな
  いですね。」(484項)と詰め寄り,被告矢野に,「書かないです。」(4
  85項)と約束を取り付けた後,話は,被告矢野の妻や息子夫婦のこと
  に及んだ。
   その後,原告は,「この手記が,まあ,一つ大きな喉に刺さったトゲ,
  になってます。で,まあ,矢野さんは,ま,書いてしまったものだから
  仕方がないという言い方をされますが。いずれにしても,これがまあ最
  大の問題。で,これを,書いたこと自体間違いだという思いを持ってい
  るんだということを,やっぱり伝えない限りですね,これはもう,前へ
  進まないと思います。」(599項)と述べた後,あらかじめ準備してい
  た本件謝罪文に被告矢野に署名させることとした。そして,本件謝罪文
  には,「一,関西とのお約束は必ず果たします。」と項目が記載されてい
  た(甲50)。
(イ)以上のとおり,原告らから,被告矢野に対し,評論活動をやめること
  を求める直接的な言辞は認められないけれども,原告らは,被告矢野が
  評論活動をしていることについて,味方のはずの人が足を引っ張る行為
  であるとか,敵に塩を送る行為であるとかの青年部の意見を伝え,青年
  部で一番多い声が評論活動をしていることが望ましくないということで
  あるとか,創価学会員は,被告矢野が評論活動をすることを望んでいな
  いなどと,被告矢野に対し,創価学会員は,被告矢野が評論活動をして
  いることを好ましく,思っていない旨の発言を繰り返し,被告矢野が評論
  活動をやめると言い出した後は,それを青年部に伝えてよいかと確認し
  たり,一切の評論活動を直ちにやめるかどうかを確認し,被告矢野自ら
  積極的にその意思を表明することを求めるなどしており,また,あらか
  じめ準備していた本件謝罪文には,「関西との約束は必ず果たす」旨の項
  目が記載されていたこと,被告矢野は,本件面談の当初は,評論活動を
  やめる意思がなかったことも併せ考えると,原告らは,被告矢野に対し,
  評論活動をやめることを強く求める青年部の動向等を利用しながら,被
  告矢野に対し,同被告が原告らの求めに応じるまで,事実上面談を打ち
  切らない様相で,評論活動をやめることを迫らたものと認められ,また,
  被告矢野自身も,そのように受け取ったものと認められる。

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from: 21世紀さん

2011年02月02日 17時54分45秒

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「Re:矢野絢也、新潮社らに賠償命令 」
谷川佳樹副会長が勝訴した矢野裁判判決文(抜粋)

3 争点(2)(本件記事の真実性の有無)について
(1)民事上の不法行為である名誉毀損については,その行為が公共の利害に関
  する事実に係り,その目的が専ら公益を図るものである場合において,摘示
  された事実がその重要な部分において真実であることの証明があるときは,
  不法行為は成立しないと解される(最高裁判所平成15年3月14日第二小
  法廷判決・民集57巻3号229頁,同裁判所昭和41年6月23日第一小
  法廷判決・民集20巻5号1118頁参照)。
(2)本件記事は,被告矢野が,創価学会から誹謗中傷を繰り返し受けたことな
  どに対し,創価学会らを相手取り,損害賠償請求訴訟を提起したという事実
  を中心に,その誹謗中傷の具体的内容等を認識しているものであり,公明党
  の元委員長である被告矢野と,公明党の支持団体であり,巨大かつ著名な宗
  教団体である創価学会との間の紛争について,社会に対し,広くその実態や
  問題点を提起するという目的で掲載されたものと認められるから,公共の利
  害に関する事実について,專ら公益を図る目的で掲載されたものと認めるこ
  とができる。
(3)そこで,本件記事において摘示された事実が,その重要な部分において真
  実であることの証明があるか否か(真実性)について,以下,検討する。
   なお,前述したとおり,本件記事は,いわゆる紛争報道とは認められない
  ので,不法行為の成立が否定されるためには,報道された紛争当事者の発言
  の存在そのものについての真実性が立証されるだけでは足りず,その発言内
  容等摘示された事実について真実性が立証される必要があると解すべきであ
  る。
(4)本件記述1について
 ア 本件記述1では,原告が「人命に関わるかもしれない」,「息子さんは外
  国で立派な活動をしている。あなたは息子がどうなってもいいのか」とい
  う趣旨のことを言って被告矢野を脅迫した旨記載されている。
 イ 前記1(2)ウ(オ),(カ)のとおり,本件面談において,原告は,被
  告矢野に対し,創価学会の敵であると思っていた時期があり,その疑念は今
  でもある旨述べた上で(480項),またどこかに書くのではないか尋ねると
  ,被告矢野は,絶対に書かない旨述べたので,さらに,本件手記のようなもの
  は絶対書かないか再度確認したところ,被告矢野は,書かないと述べた(4
  85項)。
   しかし,その後,原告は,「で,一方,本当に矢野さんが,学会員として
  一緒にやっていきたいというお気持ちをお持ちであれば,息子さんも頑張
  っておられるし,」(486項)と述べ,森井が,「伸ちゃん,同級生です。」
  (487項)などと述べ,被告矢野が,「息子も,まあ,息子の嫁もね,私
  の家内も,まあ,私は,あー,私のね,こういう問題のために,可哀想な
  ことしていると。これは本当にそう思ってます。・・・まあーつ,僕は,あ
  ー,皆さん方にどう言われてもいいですけども,まあ僕は,ね。その連中
  だけは,一つ。」(490項)と述べたところ,杉山が,「だからこそ,やは
  り,そのー矢野さんがきちっと決着つけて。」(492項〉と述べたのに続
  けて,原告は,「ただですね,やっぱりこれは,奥様も息子さんも,矢野さ
  んの奥さんであり,矢野さんの,息子さんなんですよ。」(493項),「です
  から,矢野さんがどうされるかってことで,それは,みんな,これはもう,
  避けられないですよ,これは。」(495項)などと述べた。
   その後,原告は,「まあ,今日ごく一部紹介させていただきましたけども,
  現実にはこの5月9日の時点の,関西青年部,明日は青年部総会なんです
  が。これだけの怒りが渦巻いてる中で,関西青年部長がですね,一人で会
  ってお前,何してきたんだと,いうことに,まあ,なるわけで。」(568
  項)と述べ,森井は,「もう,こういう声もありました。明日,あの関西青
  年部総会,やるんですけどね。関西青年部総会の会場に来て謝罪せよと,
  もっとひどいメンバーは土下座しろと。そうしないと,言葉だけだと信用
  しないと,これがみんなの,おー,おお,大きい声なんですよ。また誰も
  が思ってるんです。」(569項),「いや,でも本当にね,矢野さん,言っ
  たとおりされないと,僕は,伸ちゃんかわいそうです。子どももかわいそ
  う。僕ら関西青年部,当時みんなどう思っているかっていうのはやっぱり,
  この時は反逆者だったと,思ってるわけです。」(587項)と述べ,さら
  に,原告は,「まっ,現実のところですね,あのー,ま,全国青年部長,男
  子部長ですが。まあ,その立場で,お語をしに来ること自体が,まあ,あ
  る意味じゃ危険ていうかですね。あのー,東京の,男子部は,もう除名し
  ろっていうふうに,言ってるメンバーが数多くいまして。」(588項)な
  どと発言している。
 ウ 上記によれば,原告の被告矢野に対する「あなたは息子がどうなっても
  いいのか」という発言自体を認めるに足りる証拠は存在しない。
   しかし,前記のとおり,原告は,本件手記のようなものを絶対に書かな
  いことを被告矢野に確認した直後,突然,「息子さんも頑強っておられる」
  といって被告矢野の息子の話を持ち出し,被告矢野は,「その連中だけは,
  一つ」と述べている。原告がどのような意図で,突然,被告矢野の息子の
  話を持ち出したのかは,原告の供述によっても判然としないが,当時73
  歳である被告矢野が,海外からの帰国直後に,30代から40代の原告ら
  5人の創価学会員に囲まれ,本件手記について,逐一問い質され,本件手
  記のようなものは絶対に書かない旨述べさせられたなどの状況下であるこ
  となども考慮すれば,突然,このような話を持ち出されれば,被告矢野の
  対応次第では,息子ら家族に何らかの影響が及ぶ事態となると受け取るこ
  とは,ごく自然であり,被告矢野は,「その連中だけは,一つ」と述べてい
  ることからしても,原告らの発言から,被告矢野は,原告らの要求に従わ
  ないと,家族に何らかの危害が及ぶ恐怖を感じたことが推認される。
   さらに,被告矢野が「その連中だけは,一つ」と述べた後も,原告は,「た
  だですね,やっぱりこれは,奥様も息子さんも,矢野さんの奥さんであり,
  矢野さんの,息子さんなんですよ。」,「ですから,矢野さんがどうされるかっ
  てことで,それは,みんな,これはもう,避けられないですよ,これは。」
  などと述べており,これら発言の意図は原告の供述等からも必ずしも明ら
  かではないが,客観的には,被告矢野の家族がどうなるかは被告矢野の行
  動次第であるといった,被告矢野の不安・心配を煽るような発言であると
  いわざるを得ない。
   そうすると,原告らの発言から,被告矢野が,息子ら家族に危害が及ぶ
  恐怖を感じたことが認められ,原告が「あなたは,息子がどうなってもいい
  のか」といった趣旨のことを言って被告矢野を脅迫したという点は,真実
  であると認められる。
 エ また,被告らは,原告が「人命に関わるかもしれない」との発言をした
  と主張し,被告矢野は,それに沿う供述をしている,
   しかし,本件面談を録音したテープ(甲92の1,92の2)には,そ
  のような発言は確認できず,また,被告矢野も,どのような文脈でそのよ
  うな発言がなされたかについては,正確に答えることはできないと供述し
  ている。
   たしかに,被告矢野の手帳(乙1)には,「人命にもかかわるのもしれず」
  との記載がみられるものの,上記録音テープ等に照らしても,そのような
  発言自身が存在したことを認めるに足りる証拠とはいえず,前述のとおり,
  被告矢野が,突然,息子の話を持ち出されたことから,家族に危害が及ぶ
  恐怖を感じ,その被告矢野自身の受け止め方や不安を記載した可能性など
  も十分に考えられ,この手帳の記載をもって,原告が「人命に関わるかも
  しれない」と言って,被告矢野を脅迫したと認めることはできない。
 オ 以上のとおり,本件記述1については,原告が「息子がどうなってもい
  いのか」といった趣旨のことを言って,被告矢野を脅迫したとの事実につ
  いては,真実であると認められるけれども,原告が「人命に関わるかもし
  れない」と脅迫したとの点は,真実であることの証明がなされているとは
  いえず,本件記述1を全体としてみた場合,一般の読者の普通の注意と読
  み方を基準とすると,「人命に関わるかもしれない」との発言が,殺人さえ
  も想起しかねない印象的な表現であり,この点について真実であることの
  証明がないことからすれば,全体としては,摘示事実の重要な部分におい
  て,真実であるとの証明がなされているとまではいえない。
(5)本件記述2について
 ア 本件記述2では,被告矢野が,「息子がどうなってもいいのか」などとい
  う趣旨のことを言われ,家族にまで危害が及ぶ恐怖を感じたこと,それに
  より,本件手記についての謝罪と,今後,評論活動は一切しないとの約束
  をさせられたこと等が記載されている。
 イ 前述したとおり,被告矢野が,「息子がどうなってもいいのか」などとい
  った趣旨のことを言われ,家族にまで危害が及ぶ恐怖を感じたとの点は,
  真実であると認められる。
 ウ 本件手記について謝罪させられたとの点について,検討する。
 (ア)本件面談では,前記1(2)ウのとおり,被告矢野は,本件手記の内容に
  ついて,間違いであったと認める発言を何度か行っている。
   しかし,本件面談の機会を設けるに至ったのは,前記1(1)工及びオの
  とおり,被告矢野が,本件手記について,西口らに謝罪し,池田会長あ
  ての謝罪文を提出し,前記1(1)キのとおり,平成17年4月28日付け
  聖教新聞には,「公明党元委員長の矢野氏が謝罪『文藝春秋』(93,
  94年)掲載の手記をめぐって矢野氏“私の間違いでした”“当時は
  心理的におかしかった”と題する見出しの記事が掲載されたにもかかわ
  らず,被告矢野が海外旅行に出掛けたことから,同年5月9日付けの聖
  教新聞には,「公明党矢野元委員長が海外!?行動で示せ!口先だけの
  「謝罪」は要らぬ」と題する見出しの記事が掲載され,創価学会側,特
  に,青年部は,被告矢野が本件手記について謝罪したにもかかわらず,
  夫婦で海外旅行に出掛けたことに納得できず,原告らは,被告矢野と直
  接面談することとなったものである。そして,原告ちは,被告矢野の真
  意を確認し,訥罪させる内容を検討して,あらかじめ本件謝罪文を準備
  して,本件面談に臨んでいる。
   そして,本件面談の経緯をみても,被告矢野は,お詫びの言葉を何度
  か口にしている。しかし,原告が,「「文藝春秋」の手記についてですね。
  あの「大変な騒ぎになり・・・政教一致と受けと,とられても致し方
  ない面があるということについては,これは間違いだったということで
  お詫びをされていると。あのー,本来はそういう趣旨で書く,つもりは
  なかったんだけれども,あのー,編集部の方で,えー,そうなっていた
  と,いうことで,これは聞違いだったんだというふうに話しておられる
  ということなんですが。これは,そういうことなんでしょうか。」(39
  項)と尋ねたところ,被告矢野は,「校正の段階で,えー,最初の校正で
  も,そうなっておったんですが,最終稿で抜けておった。ですから,私
  の不注意です。」(42項)などと,校正上の手違いを詫びるなどの応答
  であったのに対し,原告は,「それから,ま,関西長にもお詫びされたこ
  とがある。けれども私たちは,あの時期に,週刊,あ,月刊「文藝春秋」
  にこの手記を出したこと自体どうなんだと。利敵行為であり,いー,同
  志を裏切る,先生を貶める,広宣流布に弓を引く,そういう行為じゃな
  いかと思ってるわけです。」(318項),「そのことについて,矢野さん
  は今はどう思われてるのか。「数ヵ所の,不注意な」ということなのかと,
  ということです。」(320項),「それが,「数ヵ所の不注意な」,その程
  度の話ですか。」(386項),「足らんと言われればじゃなくて,どう思
  われるんですか。足りていると思われているんですか。」(388項),「だ
  から,なん,何回も謝っておられると言われる,その,あや,謝罪,謝
  りが,本当に謝ってるのか,っていうふうになっちゃうんですよ。」(4
  03項)などと,被告矢野が,間違いを認め,お詫びの言葉を述べてい
  るにもかかわらず,それでは十分ではないとし,また,「数ヵ所の不注意」
  の問題ではなく,そもそも本件手記を出したこと自体が間違いであった
  として,長時間にわたって,繰り返し,被告矢野に謝罪を求めているこ
  とが認められる。

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from: 21世紀さん

2011年02月02日 17時50分21秒

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「Re:矢野絢也、新潮社らに賠償命令 」
谷川佳樹副会長が勝訴した矢野裁判判決文(抜粋)

2 争点(1)(名誉毀損性の有無)について
(1)雑誌の記事あるいは広告によって人の名誉を毀損したことになるか否かを
  判断するに当たっては,その記事等の意味内容が人の社会的評価を低下させ
  るものであるかどうかにつき,当該記事全体の趣旨,目的等の諸般の事情を
  総合的に斟酌した上で,当該記事等についての一般の読者の普通の注意と読
  み方を基準として判断すべきである。
   ところで,雑誌の記事中の名誉毀損の成否が問題となっている部分につい
  て,当該部分が特定の具体的事実の存在を述べる第三者の伝聞内容を紹介,
  引用する形式を採用している場合にあっても,引用事実に対する修辞上の誇
  張ないし強調の有無・程度,引用事実部分の前後の文脈,記事の公表当時に
  一般の読者が有していた知識ないし経験,引用事実部分に対する筆者自身の
  論評の表現方法等を考慮し,当該記事についての一般の読者の普通の注意と
  読み方を基準として判断すると,筆者自身が間接的ないしえん曲に引用事実
  の存在そのものを主張するものと理解されるならば,当該記事は,引用事実
  そのものについて事実を摘示したものと見るのが相当である(最高裁判所平
  成9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁参照)。
  そこで,上記基準に従って,本件記事によって原告の名誉を毀損したか否
  かについて,検討することとする,
(2)前記前提となる事実及ぴ証拠(甲1)によれば,本件記事は,被告矢野が
  創価学会員らから脅迫を受けたこと及び被告矢野が創価学会員らから脅迫さ
  れ謝罪と評論活動をやめることを約束させられたこと等につき,被告矢野ら
  への取材等を通して,主に,別件訴訟の訴状や被告矢野のコメントなどを紹
  介・引用し,被告新潮社が,論評を加えるという形式で構成された記事であ
  るといえる。
   そして,本件記述1は,原告が被告矢野に対し,「人命に関わるかもしれな
  い」,「息子がどうなってもいいのか」という趣旨の発言をして,被告矢野を
  脅迫した事実を,本件記述2は,被告矢野が,「息子がどうなってもいいのか」
  などと脅迫され,家族にまで危害が及ぶ恐怖を感じた事実,文藝春秋に書い
  た本件手記についての謝罪と,今後,評論活動は行わないと約束させられた
  事実を摘示している。
   たしかに,本件記述1の直前には,「学会青年部の幹部らによって矢野氏が
  吊し上げられた様子は,訴状にこう記されている」と記載されていることか
  らすると,被告新潮社及び被告早川は,別件訴訟の訴状を引用する形で原告
  らが被告矢野を脅迫した事実を摘示しており,本件記述2も被告矢野の発言
  を引用する形で記載され,直接的に原告らが被告矢野を脅迫したとの事実や
  被告矢野が謝罪と評論活動はしないとの約束をさせられたとの事実を記載し
  ているわけではない。
   しかし,本件記事の本件見出し部分には,「『矢野絢也』を窮鼠にした『創
  価学会』の脅迫と誹謗中傷」と大きな活字で記載され,被告矢野が創価学会
  から脅迫を受けたことを強調する表現方法を採用していること,本件記事の
  小見出し部分には,「『土下座しろ」『息子がどうなってもいいのか」-創価学
  会から脅迫と誹謗中傷を受けていたという元公明党委員長の矢野絢也氏(7
  6)。執拗な威迫による苦痛は限界を超え,身体の危険を感じて学会と訣別。
  窮鼠と化した矢野氏はついに,損害賠償を求めて提訴した。」と記載され,被
  告矢野から聞き取った原告らの発言の一部を取り上げ,被告矢野が原告ら創
  価学会員から脅迫を受けたという事実の存在を読者に強く印象付ける表現方
  法がとられていること,本件記事の大部分は,被告矢野のコメント及び別件
  訴訟の訴状の引用で占められ,その内容も創価学会員が被告矢野らを脅迫し
  たり,品性下劣な言葉で誹謗中傷をしているというもので,創価学会側の言
  い分は,本文中わずか「訴状が届いていないので,コメントできません」と
  の2行にすぎないこと,本件記事の最終行は,「追い詰めた猫が,手ひどく噛
  まれる日も近いのである」と締めくぐられ,被告矢野の発言内容が真実であ
  ることを前提とし,本件記事全体として,原告ら創価学会側を批判するよう
  な内容になっていること等に照らすと,本件各記述は,一般読者からすれば,
  筆者である被告新潮社ら自身が間接的に引用事実の存在そのものを主張して
  いるものと理解されるのが通常であり,被告矢野は原告らに脅迫され,謝罪
  や評論活動をやめさせられたことを摘示するものといわざるを得ない。
   そして,本件各記述は,本件週刊誌の発行により,一般読者の知り得る状
  態に置かれ,一般読者に対して,被告矢野は,原告らによって脅迫され,謝
  罪と評論活動はしないということを約束させられたのではないかという印象
  を与えるものであって,これにより,原告の社会的評価を相当程度低下させ
  たというべきである。
3)なお,被告らは,本件記事は,紛争報道と言われるもので,紛争状態にあ
  る一方当事者の主張を記述しただけで,名誉毀損となるというのであれば,
  一切の紛争報道はできなくなる等と主張する。
   たしかに,社会に存する様々な紛争を一般の読者に伝えることは,民主主
  義社会において,重要なことであることは間違いない。しかし,一般の読者
  が紛争を的確に理解し判断するためには,紛争当事者の双方の言い分等につ
  いて,一正確かつ十分な情報が提供されることが前提であり,当事者の一方の
  みに偏った情報を報道するだけでは,民主主義社会において,尊重されるべ
  き紛争報道であるとはいえないというべきである。
   これを本件についてみると,前述したとおり,本件記事は,被告矢野のコ
  メントを中心として構成されており,紛争の他方当事者である創価学会側の
  主張についてはほとんど触れられていないのであって,公正中立性を維持し
  ているとはいえないのであるから,本件記事が公正中立的な紛争報道に当た
  ることを前提とする被告らの主張は理由がない。

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