新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

憲法20条を考える

憲法20条を考える>掲示板

公開 メンバー数:22人

チャットに入る

サークル内の発言を検索する

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

from: 21世紀さん

2009年07月19日 10時55分26秒

icon

マル激トーク・オン・ディマンド更新しました

マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。http://www.videonews.com■マル激トーク・オン・ディマンド第432回(2009年07

マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。

http://www.videonews.com

■マル激トーク・オン・ディマンド 第432回(2009年07月18日)
やっぱり日本にも保守政党が必要だ
ゲスト:杉田敦氏(法政大学法学部教授)

<プレビュー>
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_432_pre.asx

 自民党政権が、いよいよ土壇場を迎えているようだ。
 東京都議選の惨敗で、このままでは次期衆院選での敗北が必至という状況を迎えなが
ら、自民党内ではいまなお内輪揉めが続き、窮余の一策さえ打ち出せないでいる。そこ
にはもはや、半世紀にわたり日本を治めてきた長期政権政党の姿は見いだせない。
 しかし、より深刻なのは、自民党が自らの政党としてのアイデンティティを見失って
いるかに見えることだ。この期に及んでも、党内から聞こえてくる声は、誰の方がより
人気があるかといった表層的な議論ばかりだ。政権交代のチャンスをうかがう民主党は
政策面、とりわけ安全保障政策面での党内不一致が取り沙汰されることが多いが、自民
党に至っては伝統的保守政党なのか、小泉改革に代表される新自由主義政党なのか、は
たまた何か別の物なのかさえ、定かではなくなってしまっている。これではもはや政党
の体を成していないと言っても過言ではないだろう。
 1955年の保守合同で保守勢力としての歩みを始めた自民党だが、そもそも自民党が政
治的な意味で保守政党だったと言えるかどうかは再考を要する。再配分を主張する勢力
は政治学的にはリベラルもしくは社民勢力と呼ばれ、保守の対局に位置づけられるが、
政治学者の杉田敦法政大学法学部教授は、自民党は自らが政治基盤を置く農村への再配
分を主軸とした政策を実行してきた政党であることから、世界でも特殊な「再配分保守」
という位置づけになるという。
 戦後直後の日本はまだ農村社会であり、自民党は農村に政治的基盤を置き、農村開発
を通じて再配分を行うことで国民の広汎な支持を獲得してきた。その後、高度経済成長
とともに、自民党は池田内閣の所得倍増計画に見られるような、市場重視の伝統的保守
主義に軸足を移していくが、市場経済がもたらす利益は公共事業によって農村に還元す
るという再配分政策だけはその後も続いた。政治思想的には伝統的保守を標榜しながら、
実際は再配分政党であり続けたことが、自民党の特色だった。
 しかし、農産物の自由化や大型店舗法改正などアメリカからの規制緩和要求が強まる
中で、農村の疲弊は避けられないものとなる。その後1990年代の低成長時代に入ると、
そもそも地方に最配分するための財源が底をつき始め、自民党型再配分政治の統治モデ
ルがいよいよ立ち行かなくなる。
 そこに登場したのが自民党をぶっ壊すをスローガンに颯爽と登場した小泉元首相だっ
た。国民の高い支持に支えられた小泉政権は、自民党の伝統的な利益再配分政治を一掃
し、新自由主義へと舵を切った。それが功を奏し、自民党は少なくとも一時的に農村政
党から都市政党への脱皮に成功したかに見えた。しかし、小泉政権の新自由主義的政策
は、それまでの再配分で「一億総中流」と言われるほど所得の平準化が進んでいた日本
で所得格差を急拡大させ、公的補助の削減によってセーフティネットからこぼれ落ちる
困窮層を急拡大させた。小泉政権以後の自民党政権では、改革の負の面が一気に吹き出
し、構造改革路線も立ち行かなくなる。しかし、かといって今更農村政党に戻ることも
できず、自民党は政策的には「八つ裂き状態」(杉田氏)に陥ってしまう。
 その間隙をついて、それまで必ずしも方向性が定まっていなかった民主党は、小沢一
郎代表のもと、再配分に主眼を置いたリベラル政党としての方向性を固めていく。また、
農家の戸別所得補償制度などを主張することで、小泉改革の下で自民党が置き去りにし
た農村票を丸々奪うことに成功する。
 しかし、自民党が迷走するのも無理からぬ面があった。保守というからには保守すべ
き対象が問われる。冷戦下の保守勢力が保守すべき対象は日米同盟であり、自由主義経
済であることは自明だった。しかし、今日の日本の保守勢力が保守すべき対象が何であ
るかについてコンセンサスを得ることは、決して容易ではない。
 来る総選挙の結果、民主党政権が誕生した場合、日本では事実上初めてのリベラル政
権の誕生ということになる。人間の理性を過度に信じ、正しい政策を行えば必ず社会は
良くなると過信する傾向があるリベラル政権には、対抗勢力として、伝統や慣習の中に
蓄積された叡知を信頼する保守政党が必要だ。自民党が保守政党として再興し、民主党
政権の暴走をチェックするとともに、有権者に別の選択肢を提示することは、日本の議
会制民主主義の安定のためにはどうしても不可欠だ。
 政権交代がいよいよ現実味を帯びてきた今、日本の保守政党に求められる条件とは何
かを、杉田氏と考えた。


<今週のニュース・コメンタリー>

・河野外交委員長 密約で政府答弁の変更求める
・都内タクシー 車載カメラの映像を警察に提供へ


<関連番組>

■マル激トーク・オン・ディマンド 第391回(2008年09月27日)
自民党システムの終焉
ゲスト:野中尚人氏(学習院大学教授)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第331回(2007年08月03日)
データから見えてくる「やっぱり自民党は終わっていた」
ゲスト:森 裕城氏(同志社大学法学部准教授)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第307回(2007年02月16日)
西部邁流、保守主義のすすめ
ゲスト:西部邁氏(評論家・秀明大学学頭)

  • サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 121
  • サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 0

icon拍手者リスト

from: 21世紀さん

2011年10月31日 05時26分14秒

icon

「Re:マル激トーク・オン・ディマンド更新しました」
マル激トーク・オン・ディマンド 550回(2011年10月29日)
今こそナショナリズムを議論の出発点に
ゲスト:萱野稔人氏(津田塾大学国際関係学科准教授)
 大震災からの復興や原発事故を受けたエネルギー政策の転換、国内における経済格差や財政赤字の増加、年金等の将来不安と少子高齢化、そしてTPPや沖縄の基地問題等々、今、日本はかつてないほど重大な問題に直面している。これらの問題はすべて、「日本とは何か」、「われわれとは誰か」、そして「われわれはどういう社会を希求しているのか」といった前提が共有されないかぎり議論さえ成り立たないものだ。その意味でこれらはいずれも「ナショナルな問題」であり、ナショナリズムを前提としなければ、議論さえ成り立たない。しかし、こうした議論にナショナリズムを持ち込むことに対して、総じて日本ではリベラルな言論人を中心に抵抗が強く、結果的に有効な議論ができていないのではないかと、津田塾大学の萱野稔人准教授は指摘する。
 日本では、ナショナリズムという言葉自体に偏狭性や排他性といったネガティブな意味合いが含意される傾向があるため、多くの人がナショナリズムを悪いもの、あるいは危ないものと考える傾向があるようだが、それは間違っていると萱野氏は言う。
 もともとナショナリズムとは、社会人類学者アーネスト・ゲルナーの「一義的には、政治的な単位と民族的な単位とが一致しなければならないと主張する一つの政治的原理である」のような中立的な原理で、国内の政治や社会問題を議論する際の枠組みであり前提となるものだ。むしろ、ナショナリズムを否定したままでは、ナショナルな枠組みで物事を考えることができなくなるため、上記のような諸問題を解決することが困難になると萱野氏は言う。
 たとえば、ナショナリズムを忌避する傾向が強いリベラルな知識人の多くが、日本における経済格差の広がりを問題視し、その原因となっているグローバル化を批判する。しかし、日本国内の経済格差を広げる原因となったグローバル化は、グローバルなレベルではむしろ新興国と日本の賃金の平準化をもたらすもので、先進国の日本と新興国の所得格差を縮める効果がある。つまり、グローバル化による格差が問題になるのは、格差問題を日本国内のナショナルな視点に限定した場合であって、ナショナリズムの視点がなければ、そもそも格差問題を認識することすらできない。萱野氏がナショナリズム自体を否定しながらこれらの問題に対処することはできないと主張する所以はそこにある。
 確かにナショナリズムは排他性や差別性を持つ傾向があるが、これについても萱野氏は、そのような傾向はそもそもナショナリズムが正常に機能していない時に起きるものであり、ナショナリズムが本来持つ性格ではないと指摘する。ナショナリズムが正常に機能していれば、「国家(政治的単位)」とその行為主体である「われわれ国民」の関係は共有されやすいが、ナショナリズムが機能不全に陥り、それが共有されなくなると、排除する対象を置くことで「われわれ」を定義しようとする傾向が強くなるからだ。 偏狭で排他的なナショナリズムは問題だが、ナショナリズムは本来、ナショナルな問題を考える上での議論のベースであり議論の枠組みを提供するものだ。そして、であるがゆえに、日本の諸問題の解決には、ナショナリズムが不可欠だと萱野氏は主張する。
 それでは現在の日本の諸問題にナショナリズムはどう答えてくれるのか。今こそナショナリズムの視点が必要と説く萱野氏と日本の諸問題をナショナリズムの視点から議論した。
今週のニュース・コメンタリー
•エネルギー政策の転換には文明の視点が不可欠
プロフィール
萱野稔人かやの としひと
(津田塾大学国際関係学科准教授) 1970年愛知県生まれ。94年早稲田大学文学部卒業。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。東京大学大学院総合文化研究科21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員、東京外国語大学非常勤講師を経て、07年より現職。著書に『国家とはなにか』、『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』、『ナショナリズムは悪なのか』など。

  • サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 0

icon拍手者リスト