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from: 21世紀さん
2009年04月08日 09時15分07秒
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フランスのカルト認定の経緯
はじめに
創価学会本部は「創価学会がフランスでセクト(カルト)と認定されている」ことを認めてます(2003年現在)。詳しくは、このページをプリントアウトして、創価学会本部に持って行って尋ねてみると良いでしょう。創価学会員であるなら、容易いことです。
一方、創価学会本部は、創価学会がセクト(カルト)であるとは考えていません。創価学会本部は「フランスの国民会議で決議されたセクト(カルト)リストに創価学会フランスの名前があるのは事実であるが、フランスに誤解されているからだ」と主張しています。
また創価学会が裁判に勝ったと言っているのは、「フランスにおけるセクト-信教の自由の表現か、もしくは悪質な担ぎ屋か」(1985年)のことです。それ以降の「フランスにおけるセクト教団」(1995年)・「セクトと金」(1999年)・「セクト運動防止・抑制強化法」(2001年)は、創価学会本部からの情報提示はありません。
なおフランスと創価学会の主張が噛み合わないのは、それぞれのセクト(カルト)の定義が異なるためと思われます。しかし創価学会が、創価学会の考える「宗教の定義」「セクト(カルト)の定義」を明らかにしない以上は、フランスの主張に分があると言わざるを得ません。
カルト問題から
ところで創価学会員も、創価学会批判者も、フランスの報告書の一部だけを持ち出して論争しているようです。しかしヨーロッパにおけるカルトの社会問題があり、EC議会決議の流れの中にフランスのセクト(カルト)報告書があることを理解していない人が多いようです。
そこでヨーロッパ全体におけるカルト対策の流れの中で、フランスのセクト(カルト)報告書があり、その中でどのように創価学会がカルトとされたのかを述べてみます。
新しい型の宗教組織による法の侵害に関するEC議会決議(1984年)
フランスにおけるセクト-信教の自由の表現か、もしくは悪質な担ぎ屋か(1985年)
フランスにおけるセクト教団(1995年)
セクトと金 (1999年)
セクト運動防止・抑制強化法(2001年)
まとめ
*上記説明は、カルトとセクトを同じものとして書いていますが、言葉の定義=意味は違います。したがってEC議会決議の対象とフランスの法律の対象は、当然のことながら異なります。
カルトとセクトの違い
カルト(cult)は、社会問題を引き起こす宗教団体です。 セクト(sect)は、社会問題を引き起こす団体です。数学の集合を用いてい説明するならば、「宗教団体⊃カルト」「社会集団⊃セクト」であり、「セクト⊃カルト」であるということです。
つまりEC議会でカルトを使ったにも関わらず、フランスでセクトを使ったのは、宗教団体の弾圧を回避したわけです。宗教団体に限定して、教義内容に踏み込んでしまうならば、宗教弾圧との差は紙一重となって、信教の自由が危うくなります。しかし宗教団体に限定せず、社会集団の行動で判断するならば、取り締まる対象が偶々宗教団体であったということにしかならないのです。
■新しい型の宗教組織による法の侵害に関するEC議会決議
1984年5月、EC議会は、新しい型の宗教組織(カルト)による法の侵害が社会の問題になっていることについて、関係諸機関の情報交換の必要性などを決議した。この決議の中で、EC議会は各組織の活動の調査・評価にあたって、次の13項目の基準を適用するよう勧告している。
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未成年者は、その人生を決定してしまうような正式の長期献身(solemn long-term commitment)を行うよう勧誘されてはならない。
金銭的または人的なかかわりをすることについて、相応の熟慮期間が設けられるべきである。
ある団体に参加した後も、家族や友人との間で連絡が許されなくてはならない。
大学、高校等に学ぶメンバーの修学が妨げられてはならない。
妨げられることなくある運動から離れる権利、自らまたは手紙及び電話で家族や友人と接触する権利、独自の助言を求める権利及びいつでも医師の手当てを求める権利は、尊重されなくてはならない。
何人も、特に資金獲得活動に関して、物乞いや売春などによって、法を破るようにそそのかされてはならない。
外国人旅行者を終生かかわる運動に引き入れてしまう如き勧誘はしないこと。
入信の勧誘(recruitment)の間は、その運動の名称及び教義が、常に直ちに明らかにされなくてはならない。
そのような運動は、要求があれば、権限ある官庁に対し、個々のメンバーの住所または所在を告知しなくてはならない。
新宗教運動は、それに従い、そのために働いている個々人が……社会保障給付を受けることを保障しなくてはならない。
ある運動の利益のために外国を旅行するときは、その運動体はそのメンバーを本国に戻す責任(特に病気になったとき)を負わなくてはならない。
メンバーの家族からの電話及び手紙は、直ちに取り次がれなくてはならない。
運動体内にいる子どもについては、教育や健康、さらには悪環境の除去等について配慮されるべきである。
■フランスにおけるセクト-信教の自由の表現か、もしくは悪質な担ぎ屋か
原題は、「フランスにおけるセクト-信教の自由の表現か、もしくは悪質な担ぎ屋か」(ギュイアールレポートでは「フランスにおけるセクト-信教の自由の表現、もしくはマインドコントロールの要因」)で、便宜上報告者ヴィヴィアンの名前を冠して呼称する。
1983年、 フランスのモーロア首相の委任を受けて、フランス国内で活動する様々な「セクト」について、分析・事実調査した結果を首相に提出したものであり、1985年4月に外部に公表された。
内容は、 基本的に「EC決議」の系譜にあるが、それよりもセクトの及ぼす社会問題についてフランス国内の行政機関が連携してとるべき具体的な対策を企図したもので、次の5項目の提言を行っている。
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政府高官の責任の下に置かれるセクト専門の省庁間組織を創設すること
予防と情報提供のためのキャンペーンを組織すること
セクト現象に関心をもつ団体を国際的な連合体として組織すること
各地域圏に、セクト入信者の家族の運動を支援するための機構を設けること
子どもの権利を確認し宣言すること、およびセクトが開設した学校を閉鎖すること
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創価学会との関連は、ヴィヴィアンが日本の週刊誌の分析・事実調査により創価学会をセクトと認定したことであり、裁判によって争われることになった。判決は、 日本の週刊誌の記事は信用できないので、これに基づく創価学会のセクト認定は認められないというものであった。日本の週刊誌の記事が信用できないというだけであり、創価学会のカルト認定は灰色のままである。-
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正義の盾、
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コメント: 全3件
from: 21世紀さん
2009年04月08日 09時20分26秒
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「Re:フランスのカルト認定の経緯」
◇創価学会に関する記述
「2000〜10000人の信者を抱えるセクト」の一つとして、創価学会インターナショナル(SGI)フランスの名前がある。1960年代後半の第二次セクトブームにフランスに上陸した。
最近は、Trets(減損見越し添え量)付きの人材育成施設(さすがに偽造通貨ではないと思う)と使用人付きの古城に投資している。
創価学会は、1990年に日蓮正宗と分裂したにも関わらず、日蓮(国家主義と不寛容なタイプの仏教を布教した13世紀の僧侶)の教えを説くと主張している。教えによると、平和と幸福への道は、幾つか修行を尊重する信心深い人に保証される。修行は、仏教経典の一章の暗唱、崇拝の決まったやり方である題目の暗唱、曼荼羅(呪文が記載されている掛け軸)の崇拝である。また創価学会は、仏教と民衆を統合する普遍的宗教であるかのように言われる。
創価学会は、「東洋志向派」運動(セクト分類の1つで、9団体を認定している)で、たくさんの信者を集めている。
現在の「東洋志向派」運動は、1970年から1980年の宗教セクトの熱心な信者の集まりであり、女性信者が多い。創価学会は、概して維持されただけです。しかし、重要な新しい同宗信者(おかしなことに、日本女性…)が現れた。
創価学会は、経済活動をしている(経済循環を転換している)51の組織の一つで、人間の成長の全体論を研究する団体である。秘密の仕事や様々な不正行為や詐欺行為を依頼する方法が判明した。
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創価学会との関連は、ジャック・ギュイアールレポートの中で創価学会をセクトとしてあげていることである。19( 総合情報局の分類)から9(ギュイアールレポート)に減少している「東洋志向派」運動に分類されるセクトである。
またフランス創価学会の新信者が日本人女性なのが奇妙ではある。そして秘密の仕事や不正行為や詐欺行為を信者にさせている。
2001年12月13日、創価学会は、 ギュイアールレポートも関係する裁判に敗訴した。第三文明の記事は真実であり、それに基づいた報道は正しいとされたのである。
■セクトと金(1999年)
フランス国民議会は、「フランスにおけるセクト教団」(1995年)を踏まえて、1998年に「経済分野におけるセクトの活動に関する調査委員会」を設置した。同委員会は、48回の聴聞会を開いて、行政、研究機関、企業、脱会者を支援する団体の意見を聞き、膨大な文書を分析した。
こうした調査活動の結集が、1999年6月に提出された「セクトと金」という調査報告書である。同年、この報告書は公式文書として採択された。この報告書の記載は、次の通り。
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フランスにおける創価学会の経済活動は、営利本位である。パリ行政裁判所判決(1996年12月10日)によると、雑誌、パンフレット、本、アクセサリー、セミナーなどの営利活動によって収入の大半を得ており、マージンは42.2%〜49.64%。この種の分野では最高の率である。創価学会はフランスのセクトの中で3番目に金持ちである。資産は2億4千万フラン(約38億円)相当であり、年間予算は調査によれば約2億4千万フラン(約38億4千万円)に達する。セクトの資産は豊かさを見せつけ、名声を証明し、尊敬を得るためのショーウィンドウとして使われる。創価学会はもっとも代表的である。日本からの援助によって創価学会は文化的名声を得るのに都合の良い場所を確保している。学会が所有するロッシュ城はビクトル・ユゴーの屋敷だった。城があるビェブル渓谷に学会は「文化センター」を設置し、池田x作氏が行った開所式にはフランスの文化、政治の代表的な人々が出席した。
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フランスでは、創価学会=セクトは公然の事実 となっている。なぜなら、創価学会がセクトかどうかの真偽は既に終わっており、その経済活動の精査の段階に来ているからだ。それにしても、 マージン率が最高というのは、まさに営利団体である証拠であり、それゆえフランス第三位の金持ちセクトなのである。池田x作氏のNo.1志向が、こんなところで発揮されなくてもいいだろう。ところで、文化人・政治家の出席が、セクトではない証拠にならないという常識が、ここにはある。
この報告書を受けて、2000年6月8日、フランス国営テレビ(チャンネル2)は、『創価学会――21世紀のセクト』と題するドキュメンタリー番組を放映した。「創価学会は、フランスでは、カルトの中で最も危険なものの一つ」という番組だったそうだ。なお、ミッテラン元フランス大統領夫人の「もう一生、池田氏とは会わない」という発言は、創価学会に騙されていた・利用されていたという意味だろう。
■セクト運動防止・抑制強化法(2001年)
2001年5月30日、フランス国民議会(下院)は、全会派一致により「セクト運動防止・抑制強化法」が可決、成立した。同国議会が、この法律を制定するにあたっては、議会内にカルト調査委員会が設置され、フランス国内で行われている宗教に名を借りた反社会的活動を入念に調査するという努力がありました。その調査活動の対象になったのが、日本の関係では、創価学会インターナショナルと統一協会である。
■まとめ
ヨーロッパでは、カルト(セクト)による社会問題があり、EC議会で決議(1984年)をしている。 それを受けて、フランス政府が、「フランスにおけるセクト-信教の自由の表現か、もしくは悪質な担ぎ屋か」(1985年)や「フランスにおけるセクト教団」(1995年)を公表した 。 レポートそのものの動機は、純粋なものであり、反創価学会派の政治家によるものではない。
レポートの特徴は、信教の自由を厳密なまでに遵守することで、目の前で生じているカルトによる社会問題を放置することはできない。慎重を期して(宗教団体だけを指すカルトを避け、広く社会集団を指すセクトを使って)、セクトを認定し、対策すべきだというものである。
1985年、「フランスにおけるセクト-信教の自由の表現か、もしくは悪質な担ぎ屋か」(ヴィヴィアンレポート)では、参考にした日本の週刊誌の記事が信頼に値せず(反創価学会の中の捏造派の記事だったらしい)、裁判で敗訴した。創価学会は、これを「創価学会は誤解によって、フランスのセクト(カルト)認定をされてしまったが、裁判に勝ったので誤解は解かれた」と、聖教新聞などで報じた。
1995年、「フランスにおけるセクト教団」(ギュイアールレポート)では、より厳密な認定基準に基づいてセクトを認定した。これに関して、創価学会側の情報がない。それどころか創価学会は裁判に負けている(第三文明が、その根拠であり、創価学会にとっては頭が痛いだろう)。現状では、 創価学会は「東洋志向派」運動として、セクト認定されていることになる。
さらに、「セクトと金」(1999年)では、創価学会はセクトを当然の事実としてあり、その実態の調査報告がなされており、「セクト運動防止・抑制強化法」(2001年)では、法の適用に向けて、捜査の対象になっている。フランスは、セクトリスト作成による警鐘の段階から、セクトの取り締まりの段階へと移行した。創価学会を捜査しているのは、創価学会がセクトであるかどうかではなく、創価学会を早急に取り締まるべきかどうかのためである。
創価学会・公明党 創価学会の宗教問題
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from: 21世紀さん
2009年04月08日 09時16分59秒
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「Re:フランスのカルト認定の経緯」
■フランスにおけるセクト教団
原題は、「フランスにおけるセクト教団」であり、便宜上報告者ギュイアールの名前を冠して呼称する。1995年6月29日、フランス国民議会は、調査委員会(委員会名は「セクト現象の研究と必要な場合には現行法令の改正を提案する」で、アラン・ジェスト委員長を含む与野党30名の委員からなる)の設置を満場一致で採択した。そして、同年12月22日、国民議会に提出された。
1996年2月8日に始まった調査委員会の報告書の説明討論では、 カトリック系や共産党に至るまで、この報告書に賛同し、この報告書の価値はフランス国民議会の総意としての公式見解となった。
内容は、カルトの活動が、崩壊末期に集団自殺することから、武装集団として反政府テロという破壊活動へと変化したことに触れている。こうしたカルトに共通するものは、教祖という権威主義のカリスマ(メシア主義)を受容していたこと、共同生活を行う比較的少数の集団であること、信者が比較的高学歴のインテリ層に属する人々が多かったこと、強烈な「終末論」を教義に持ち外部に敵対する被害妄想的な心情を持っていたことなどがあげられてる。したがって現代社会は、当初穏当な教義を持っていたカルト的存在が、ある条件のもとに急激に変容して反社会的な「破壊的カルト」となる可能性を否定できないという状況下にあり、社会及び国家がいかにこの破壊的攻撃から防衛されるかという新しい視点が必要だという。そこで、次のようにカルトとは何かを考え定義し、カルトを具体的に指定している。またカルトの危険性に言及している。
*上記は説明上のもので、フランスの法律・報告書では、カルトを避けセクトを使っているのは、先に説明した通りである。
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◇セクトの定義(調査方針と認定)
「セクト」という概念は、「信教の自由」あるいは「公権力の宗教への不介入(政教分離)・あらゆる宗教に対する中立性」という原則に即すならば、特定の宗教的存在(教義・実践・組織など)に対して、「危険性のある」とか「異端的である」とかの予断を示すことは避けなければならないので、抽象的な(曖昧な)呼び名になってしまう。しかし、現実にセクトによる深刻な公的秩序の混乱及び被害を招いている以上、市民社会の側に立って、セクトへの対処を優先するという意味で極めて現実的な政治的態度決定として見て行く必要がある。
もちろん「セクトが何であるのか」という一義的で実定的表現は、法的にも、語源的にも、社会学的にも、極めて「不明確」なのであって、結局その概念規定は「困難」である。そこで、セクトがどのように現象しているかという「兆候」における「基準」において、帰納的に「概念」を浮かび上がらせることを試みる。
具体的には、フランス内務省の国家警察局に所属する「総合情報局」によるセクト現象分析において用いられる基準に、委員会として準じて行く。(A)が、その基準としての現象的「兆候」である。
*内務省情報局(日本で言えば公安調査局のような役割と思われる)の中にセクトを担当する部局がおかれている。したがって、宗教団体を所轄する「宗務部」とは全く別組織であり、フランスにおいては宗教団体とセクトを分離して所轄しようとする意志が見られる。
(A)
精神の不安定化
法外な金銭的要求
生まれ育った環境との断絶の教唆
健全な身体の損傷
児童の徴用
多少を問わず反社会的な教説
公共秩序の撹乱
多くの裁判沙汰
通常の経済流通経路からの逸脱傾向
行政当局への浸透の企て
*註「児童の徴用」については、ジャーナリスト広岡裕児氏は、原語embrigadementを「子供の囲い込み」と翻訳し、「『旅団編成、隊(班)編成』のことで、ただ単に子供を集めるというのではなく、軍隊のように外界から遮断して信者を養成すること」であると説明する。
(B)
自由⇔団体に対し強制
自ら納得した上での確信⇔操作による確信
自由参加⇔狂信
長の威厳⇔グル(導師、尊師)崇拝
自発的決断⇔完全な誘導による選択
選択肢(文化、道徳、思想)の探求⇔社会の価値体系との断絶
集団への公正な加入⇔無条件の服従
巧みな説得⇔計画的操作
人にアピールする話法⇔新奇な話法
一体意識⇔混合集団
(C)
一人の信仰的指導者(カリスマ的教祖・グル)・一つの存在(信仰対象・信念体系)・特定の超越瞑想(修行法・行法実践)を持つ教団
伝統宗教(キリスト/イスラム/ヒンズー/仏教)に無関係の教団
公共の秩序や個人の自由に対立するという疑いのある教団
正統な宗教団体に対して、異端的な存在であるセクトを概念で区分することは、簡単に見えて、実は、大変困難な作業である。正統と異端の境界を誰が何の資格をもって判断するのかという点で客観性を構築することに限界があるからである。しかしギュイアールは、「このような条件下では、客観的に思考することや、月並みと見るか悪魔的と見るか、無能で通すか過度の寛容を示すか、あるいは全体を疑ってかかるか、我々の立場をはっきりさせることがいかに難しいか推し量ってもらえよう。が、この道を委員会は選んだのである。」と述べる。さらに、「誰からも受け入れられるようなセクトの客観的な定義付けをし得ると主張するつもりもない」とし、さらに「多くの可能性を損なう危険や、事実の部分的分析に終わりかねない危険を覚悟で、世論がセクトの概念に付している共通の見方を採用することとした。」と自らの限界を一方で慎重に検証しつつ、敢えてふみこえていくことの必要性を重視する立場を優先させるべきであると主張する。
これを前提とした上で、(A)ような「兆候」のいくつかを要素として持つ教団組織を、さらに、(B)のような二項対立させた概念から導き出せる(C)の条件を満たすものを調査目標とする方針を立てるのである。
このような手続きを経て、一定基準に該当するセクト個々について、名称・信者(メンバー)数・分布・推移などについて、統計的な処理を試みる。総合情報局に過去二十年間にわたる集積(総合情報局は、母体組織172、支部や「正体を隠した衛星組織」を入れると約800をセクトと認定、信者数を約16万人と見ている)や専門家(医師・学者・キリスト教関係者・ジャーナリストなど)の間接的意見、セクト問題に対応する民間組織の反カルト団体UNADFI(「家族と個人を守る会連合」)などによせられた相談件数などの統計などが掲載されている。
フランス国内のセクトの総数を二百から三百ぐらいであり、直接間接にセクトに関わりのある、または、あった人の数量を五十万人としている。そして、「ここ数年は、……(中略)……構造的にも信者数の上でも著しく伸びていることを確認している」とし、その拡大傾向に重大な懸念を表明している。
◇セクトの危険性
セクトの全てが違法行為、または、入信したメンバーに重大な精神的悪影響を及ぼすわけではない。むしろ、それに入信することで解決が図られることもあるのであって、セクトの危険性への判断は、外見的な判断や先入観に拠るべきではないとする。ギュイアールレポートは、「最大限客観性を尊重する裁判所の判決と総合情報局の集めたデータを基礎にし、また旧信者による直接証言も、最小限に絞」るという基本的態度で臨んでいる。
そしてセクトの違法行為のうち裁判所において有罪とされた事例をもとに次の6項目に分類する。
人への肉体的損傷に対する罪、すなわち、虐待・殴打・傷害・監禁・危険に瀕した者の放置・不法医療行為。
家庭的義務、特にセクト信者の親が子供に対する責任の放棄
(子供の未来を阻害する惧れが生じたことから、子供は守られなければならない)
セクト反対者に対する名誉棄損・誣告・プライバシーの侵害
(「行動するもの全てを幻惑する、この魅入る力を持った団体の行為を告発し止めることは、信教の自由、表現の自由のために最も重要なことだと思われる。[八二・三・一八の高等裁判所の判決]」)
脱税
詐欺・ごまかし・背任
労働権や社会保障の権利侵害
しかし、セクトの被害はこのような法的に立証される範囲を越えたところにもあると指摘する。「セクトが、個人や社会に対し及ぼす危険は、判決文が示唆するものよりもっと数多く、もっと幅広く、もっと重大である」とする。この個人と社会に与える危険性は、次の10の分類である。
[A]個人にとっての危険性
精神の不安定化
(自己喪失・依存性・重度の無力感・抑鬱感・など)
法外な経済的搾取による損失
家庭や社会からの断絶/社会への不適合
虐待・暴力・監禁・不法医療行為・性的暴力
「児童徴用」・子供の人権への収奪行為
[B]社会に対する危険性
反社会的教説
(社会の倫理規範との背離)
公共の秩序の混乱
(極右、ネオファシズムなどへの政治的偏向/民主主義に対する拒否)
多くの訴訟や裁判
(セクトに反対する人々への反撃)
巧妙な資金獲得と組織的な財産隠しによる大規模脱税
セクトの組織的な行政当局への侵入・浸透
◇行政機関のセクト対策
ギュイアールは、「セクト防止法」のような新規の特別な法律を制定するような根本的対策は、「望ましくない」し、「時宜にかなっていない」と言う。あくまでも、現行法の運用において、最大限の有効性を持つことが可能な組み立て・体系化を促進することで対応すべきであり、またセクト活動による個人と社会の被害を制圧することができると言う。これにしたがった具体策は次である。
セクトの破壊行為に対する法的対応
「法律は、信教の自由の行使という名目で犯されるあらゆる誤謬を罰し得る」のであって、抜本的な法制度の改革を必要とするものではなく、「総合情報局の調査によって明らかにされたセクトの様々なタイプの危険に対して、犠牲者、並びにセクトに対抗する行政当局が用いうる法的手段を検討するだけでよい」。
セクトに対する情報収集機関の設置構想
既に、ヴィヴィアンレポートでも指摘され、EC会議の司法問題及び人権問題委員会でも支持されているが、セクトという現象は、社会学・心理学・医学・法律などのクロスオーバーする多面的で学際的な研究によってしか捉えられないものであり、それゆえに、それらの専門家とリンケージした行政各省庁間(内務・社会問題・司法・財務・文部・外務など)の連絡が一元化されていなければならない。このように情報を一元的に収集するための、首相直轄の各省間監視所(「公的セクト集団情報収集センター」)の創設という構想である。また、この首相任命による各専門家と各省庁の代表によって構成されるこの機関は、あくまでも、情報収集と分析にあたる「監視所」に留まるべきで、首相に対して報告(年次活動報告)と提言を行う機関であるべきである。
啓発活動の有効性と必要性
セクトについて、「よりよく知り、そして知らしめること」が重要であり、正確な分析結果を根拠にして、セクト現象とその手口について「関係行政局、国民全般、とりわけ若年層」に向けて情報を伝えるべきである。その目的を果たすうえで、第一に、行政の関係諸機関においてセクトについての認識を深め、どのような対応がより効果的かを普段から熟考しておくことが必要である。そして、その目的の達成のためには各省庁に継続的に担当する係員を一人置いて、他の省庁と連携する。
セクト被害を防止する手段とは、「予防」である。そのためには、広報活動(キャンペーン)をコンスタントに行うことが求められる。特に、義務教育期間の児童や生徒、青少年を対象とした広報活動は有効である。一過性の報道ではなく、公営テレビ放送網を通して「エイズや薬物中毒キャンペーンと同じ性格」の広報活動を行うべきである。特に、セクトが国家の中枢部へ浸透を図ったり、地方自治体を幻惑したり、また企業への結び付きを強めようとすることを防止することに意義がある。また、それと知らないままに人々の善意の支援を差し伸べるというようなことも防ぐ必要がある。
*註セクト予防のためには、マスコミを通じての広報活動が必要であるという認識によって、このジャック・ギュイアールレポートが公刊された日(1996年1月10日)に、民放TIF局は、ゴールデンアワーの2時間、スタジオ討論とルポルタージュでセクト問題を扱った。視聴率52.3%、約1000万人のフランス国民がこの番組を視た。
行政や各国の関係機関における具体的なセクト対処への提言
この問題を担当することが予定される公務員(憲兵・司法官・教師・社会問題担当官・医師・公証人など)の養成に際し、セクト問題について研修を受けさせることが必要である。と言う。そのようにして、セクト問題に対処し得る公務員及び民間の関係者(セクト問題に接触することが予測される職種)の人員を拡大する。
検察官は、セクトのもたらす被害について一層の理解を深め、被害者の法的な訴えに答え得る知識と注意をさせなければならない。そのためには、法務大臣は検察官に対しこれらを内容とした一般通達を行うべきである。
内務・国防大臣は、各地域の警察組織に、セクトへの警戒を指示すること。また、被害者保護や検察による財務差し押さえなどの措置について、配慮すべきである。
各省間監視所の情報にしたがって、危険性の高いセクト集団に対し、各行政当局は一層の厳正対処をするべきである。
セクトに対する公的助成を慎重に扱うべきこと。
法によって定められた条件を満たした場合、必要に応じて、迅速に組織の解散を宣告という徹底した対処をするべきこと。
脱会信者(メンバー)を経済的に救済するために、損害賠償請求への道を開くことが大切である。
年間予算が500万フラン(日本円で約1000万円)を越えるような団体は、年間予算と総会報告書(「収支計算書」・「財産目録」)を定期的に所轄(県)へ届け出を義務づける規定を設けるべきである。財政面の透明性を高めることで、信者からの搾取、資産の隠匿、マネーロンダリングなどの違法行為に制圧を加える。
セクトは、係争事件の審理を妨害する行動を起こすケースがある。そのような場合を想定して、セクトとの裁判に向けて委託を受けている鑑定人に対しても、圧力を加えることから身辺警護を強化する必要がある。
第十に、セクト制圧のために法的措置を強化する必要がある。
その中で、セクトの違法性が法的に認められた場合、セクトに対して課せられる刑罰及び賠償金についての見直しを行うことが求められる。
セクトの出版などを通じて行われる反対者への攻撃に関して、名誉棄損の規定を見直すことで抑止する。
セクト問題は、一国の問題に限られず国際化している。したがって、国際的な協力体制を整備することが必要である。こうした目的にかなうものとして、「セクト主義に関する調査・情報収集センター・ヨーロッパ同盟FECRIS」(1994年創設 パリに設置 私的機関であってEUとは関係を持たない)などの活動を視野にいれながら、各国の関係諸機関での協力体制の強化を行う。また、国際協定締結なども有効。現時点では、相互に情報の調査と交換、問題のある人物の追跡調査、行方不明者の追跡などで協力する。
セクトの旧信者(メンバー)の援助、特にセクトを脱会したばかりの信者に公共サービスを受けさせる、または、彼らの抱える問題の解決を可能にする団体や行政機関へ導くことを任務とする係官を置く。また、セクトには信者を外国へ送るケースがあり、そのような国外へ出た信者を援助する必要が生じている。海外の大使館や領事館は、そのような人々を帰国させることを支援するべきである。また、行方不明者捜索や本国送還について、各国間の国際協力の強化も進める必要がある、など。
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from: 正義の盾さん
2022年07月28日 18時49分42秒
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フランスの創価学会を正視眼で評価したルポ
『ル・モンド』といえば、フランスを代表するクオリティーペーパー(高級紙)であり、その報道姿勢は国際的にも評価が高い。
『ル・モンド』は、本紙(日刊)を補完する意味合いの月刊誌をいくつかもっている。そのうちの一つで、宗教をテーマとした月刊誌『Le Monde DES RELIGIONS』(ル・モンド・デ・レリジョン=宗教の世界)が、2011年9/10月合併号で、フランス創価運動体(聞きなれない表現だが、現地ではこう呼称する。以下「運動体」という)のルポルタージュをカラー6ページにわたって掲載した。幅広い分野で活躍するジャーナリスト、マチュー・メジュヴァン氏の手になるものである。
「創価学会、自己の内なるブッダ」と題されたルポは、パリ郊外ソー市にある運動体の会館での御本尊授与式の模様から始まる。そして、その日入会したアリーヌという女性の歓喜の表情が紹介される。
アリーヌは友人に誘われ、唱題の実践を3ヵ月つづけてみた。その間、自分に明らかなよい変化が生じた。唱題によって「決断力が強まり、自分自身と調和がとれるようになった」と実感したのだという。そのことで入会を決意した彼女は、御本尊を授与されたときの気持ちを「人生に対する私の見方が変わった」と表現している。
記事はそのように運動体の活動に密着し、メンバーの素顔を紹介したうえで、後半では創価学会の歴史に迫っていく。しかも、「創価学会の創立は1930年代にさかのぼるが、運動体のルーツを理解するためには、日本の封建時代13世紀に戻らねばならない」として、日蓮大聖人の生涯や日蓮仏法の特徴までが解説され、そこから創価学会の核心に迫る本格的な内容となっている。日蓮仏法と『法華経』の関係や、牧口常三郎初代会長の『価値論』などについても簡にして要を得た説明がなされ、書き手の深い理解に感心させられる。
例として、創価学会と日蓮正宗の訣別を説明した一節を引いてみよう。
「40年に渡る忠誠を尽くした後、創価学会は日蓮正宗と絶縁した。この分裂は、日蓮大聖人の仏法の実践自体の捉え方に関する本質的な不一致によって説明される。創価学会のプラグマティズム、およびその在家による現代世界を中心に捉える方向性は、日蓮正宗の聖職者集団による教条主義的宗教観とはもはや相容れることはできなくなったからである。今日、創価学会の信徒たちは、この分離を功徳と捉えており、キリスト教信者間のプロテスタントによる改革に比している」
さすがは『ル・モンド』というべきか、事実関係の羅列にとどまらず、ことの本質にまで迫った解説になっているといえよう。仏メディア界の「横綱」ともいうべき『ル・モンド』が、このように運動体を正視眼で評価し、好意的に取り上げたのは画期的だ。というのも、フランスのメディアではこれまで、一部週刊誌や大衆紙などによって、創価学会について偏った批判・中傷がくり返されてきたからである。
創価学会が「セクト」扱いされた背景とは?
創価学会がフランスで活動を開始したのは1960年代初頭だが、創価学会が社会的に注目を浴びた契機は、1983年、フランス国会に提出された「アラン・ヴィヴィアン報告書」にある。
この報告書は、当時のピエール・モロワ首相の命を受け、フランス下院議員アラン・ヴィヴィアンが作成したもの。フランスで活動する「セクト」的宗教団体についてまとめた内容だった。
「セクト」は原義的には「宗派」という意味のフランス語だが、いまでは英語でいう「カルト」――「いかがわしく反社会的な宗教団体」を意味する言葉となっている。
そして、このヴィヴィアン報告書の中に、ほかの多くの宗教団体とともに創価学会もリストアップされていた。それ以来、メディアでも創価学会を中傷する記事が出るようになったのである。
だが、報告書の創価学会についての記述は、現地組織を脱会した一人の人物の言葉をうのみにしたものにすぎなかった。その人物は脱会後、実態のない宗教団体の会長を名乗り、現地組織に悪意と捏造に満ちた書簡を送りつけていた。
その書簡を、ヴィヴィアン報告書は慎重な調査もせずに掲載していた(そのことは、報告書を根拠として創価学会の中傷記事を載せた週刊誌が裁かれた裁判で明らかになった)のである。
そして、報告書が創価学会をセクト扱いした背景には、フランスという国の宗教に対する特異な姿勢がある。
フランスは、海外から入ってくる新宗教全般に対して非常に厳しい認識をもっている国だ。また、極端に厳格な政教分離政策をとってきた国でもある。そこには、フランスの政教分離が、教会権力との長い闘いのすえ勝ち取ったものだという歴史的要因がある。
フランスではつい最近も、イスラム教徒の女性が全身を覆う「ブルカ」などの衣装を公共の場で身につけることを禁ずる法律が施行され、「宗教弾圧」だとして国際的に非難を浴びた。しかし、多くのフランス人から見れば、「公の場から宗教的なものを徹底して排除するのは当然」という感覚なのだろう。
創価学会に対する認識が大きく変化
今回の『Le Monde DES RELIGIONS』のルポにも、創価学会が過去にセクト扱いされた背景とその後の変化を解説したくだりがある。
フランス政府では、セクト対策のために関係省庁を横断する首相直属の「ミビリュード」(MIVILUDES=「セクト逸脱行為監視取り締まり関係省庁委員会」を意味するフランス語を略したもの)という組織がもうけられている。このミビリュードのジョルジュ・フネック会長の、次のような言葉が記事中に紹介されている。
「ここ5年以上にわたり、創価学会に関して、我々はセクト逸脱行為の通報を一切受けていない。運動体は礼拝、文化、商業活動を区別し、フランスにおいてはまったく問題を提起しない」
フランスにおいて、創価学会に対する認識がよい方向に大きく変わってきたのだ。そうした変化の象徴が、『Le Monde DES RELIGIONS』のルポだったのである。
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