アホくさい！

母が傍にいるわけでもないのに、一日中、

シュンシュン湯気を噴くやかんみたいに怒りを沸騰させている。

相手のいないところで自己主張してるなんて・・・アホくさぁ。


90歳の婆さんの意地悪言葉に こだわるなんて情けないとは思うけど

でも、こんなのは間違ってる。　間違いは間違いだ。

年寄ったら何を言っても許されるなんて思うなッ！

このところ体調を崩して、２週ほど母に食事を届けられなかった。

母から電話があった。開口一番、母は言った

「あらま、電話に出られるの？

　歩けないのかと思った。」　

元気そうですな、と言ってガチャンと電話は切れた。


ああ、疲れるなあ。

心身ともに消耗する。

こういう言葉をあびると暫くは何をするにも物憂い。


ホントにあなたは人好きのせん性分じゃ。

冥土の障りにならなきゃいいけど・・・・

そっけないケンのある声。

あの声を聞くだけで胃がねじれそうな感じがする。


何ということを思うのだろうと、そんな思いを慌てて打ち消して、

胸の奥にしまって置く・・・

そういう胸ふさぎが、今日も増えていく。


“ああいう人なんだ ”　わかってるはずじゃないかっ。

でも、わかっていることと身に沁みることは、また別だ。

人は宿命から逃れられるか？

逃れられるようであれば宿命ではない。


宿命の同伴者・・・


宿敵であっても同じ行路を行く宿命の共有者。