８、９月に２度警察に
　都農町川北で２９日、パート吉田彩由美さん（４２）が刺殺された事件で、吉田さんは、高鍋署に殺人容疑で逮捕された夫の吉田三男容疑者（６０）（愛知県東海市）からの家庭内暴力（ＤＶ）に悩み、同署へ８月から２度相談に訪れていた。

　県警によると、彩由美さんは２００７年８月頃、長女と孫２人と一緒に愛知県から同町の知人宅に引っ越した。１０年ほど前に結婚して以降、吉田容疑者から暴力を受けており、事件当時も離婚に向けた話し合いの途中だったという。

　高鍋署へは８、９月に訪れ、夫婦間のトラブルを相談。署員が法に基づく警告措置などを説明すると、彩由美さんは「警告は望まない」と話していたという。

　２９日朝は、吉田容疑者と彩由美さんが、廊下で口論になり、長女が目を覚ました。彩由美さんから「通報して」と頼まれた長女が１１０番した直後、包丁で腹を刺されたという。

　近所の男性は「明るく、仲の良さそうな家族だった」と話し、別の女性は「近所で、まさかこんなことが起こるとは思っていなかった」と驚いた様子だった。

（2009年9月30日 読売新聞）